先鋭的なアプローチと肉感的なバンド・サウンド

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先鋭的なアプロ-チと肉感的なバンド・サウンド

デジタルとヒュ-マン…その2つの姿を巧みに融合

1st MINI ALBUM

『オスティーデビュー~フライ・トゥ・ザ・フューチャー

Sharira RECORDS OSTY-2001
2,000(tax in)

1DIDIDO
2アクアパラダイス
3Fly to the future
4Horizon


OSTYお宝ライヴ映像
ひとりぼっち
アクアパラダイス
True Story, but...
Birth Day Kiss
ネットやi-mode等を駆使したライブの世界同時中継。自身のホ-ムペ-ジより、ライブで人気の楽曲をMP3にて配信。Digi Cubeの端末を通しての、楽曲配信。そして、次世代デジタル・サウンド・ワ-ルドを詰め込んだ1stミニ・アルバム「OSTY DEBUT~Fly to the future ~」のリリ-スなどなど、つねに時代の先を見据えた活動を実践し続けてきた、OUTER SPACE TAKES YOU ことOSTY

これまでイベントを中心に活動してきたOSTYが、4月19日に「PIA Music Foundation」と言う形を通し、初のワンマン・ライブを、オンエアウェストにて開催した。

ドラムンベ-ス風なハウス・ナンバ-「BE FREE 」のSEに乗せステ-ジへ登場した4人。やがてドラムのACCOが、「BE FREE 」のビ-トへリズムを重ね合わせ…さらにその上へ、ベ-スのTOYOがソウルフルなグル-ヴを積み重ねていく。その後もリ-ダ-SHIMODA YOSHIHIRO のキ-ボ-ドや、ヴォ-カル&ギタ-のCHIKAのギタ-のフレ-ズが重なりあうことで、そのグル-ヴは次第に大きく激しいウネリを見せていく。

そして、突然のブレイク…。再びドラムがカウントを鳴らすや、1曲目「ひとりぼっち」の演奏へと、突入。

デジポップ/ヘヴィファンク/グランジ的な要素が1曲の中で混合しあい、荒々しくも躍動的なグル-ヴを描いていく、この「ひとりぼっち」。ド頭からいきなりバンドの持つ尖ったスタイルの真骨頂とも言うべき楽曲をぶつけ、観客たちを最初からグングン煽っていくOSTY。

続く「Can You Feel My Soul? Do I Feel Your Soul?」では、サイバネティックな感覚満載なデジポップ・ワ-ルドを披露と、豪快なノリをしっかり踏襲しつつも、同時に、バンドの持つ多彩な表情もしっかりと魅せてゆく、この日の彼ら。

MCでも、ヴォ-カルのCHIKAが「
OSTYは多彩な音楽性を持ってるので、今日はその姿を披露したい」と語っていたが、“こんなにも多彩な表情を持っていたんだ”という想いは、演奏が進めば進むほど、視神経へ楔を打ち込むような強烈な感覚と共に、全身へと強く響き続けていた。

ユ-ロ歌謡的なニュアンスも詰め込んだ、サビメロ始まりの「アクアパラダイス」。美メロが心をグッと魅了した、メロウ&ム-ディなミッド系ナンバ-「True Story, but…」(ライヴ映像)。ピアノの演奏から幕を開ける、感動的なラブ・バラ-ド「Birth Day Kiss」。アップライズされた、派手派手しくも高揚感満載なハ-ドポップ作「最後の願い」などなど、演奏が進むごとに、前の作品のノリや雰囲気をしっかり踏襲しつつも、本当に彩り豊かな表情を提示してゆくOSTY。

中盤では、SHIMODA YOSHIHIKO のクラシカルなピアノ・ソロも登場。後半戦で演奏したバラ-ド・ナンバ-「遠き森」や「nene」では、ドラムのACCOがZEN-DRUMを携え、フロントへと登場。CHIKAの熱唱する歌声をサポ-トするかのよう、コ-ラスを重ねあわせていく姿が印象的だった。

さらに終盤では、ゴツゴツとしたハ-ドエッジ・ナンバ-「愛夢クレイジィ」(ライヴ映像)、激ポップ作「2020」(ライヴ映像)を演奏し、観客たちをガンガンに煽っていく彼ら。そしてオ-ラスは、ノリのOSTYの真骨頂とも言うべきユ-ロポップ・ソング「DIDIDO」で彼らは、場内中を熱狂の渦へと巻き込んでいった…。

アンコ-ルでは、ABBAの人気ナンバ-「WATER LOO」をハイプなデジポップ作へとカヴァ-・アレンジし、演奏。そしてオ-ラスは、感涙物のラブ・バラ-ド「Horizon」を歌いあげ、ワンマンの幕を、熱狂と興奮の余韻を残しながら閉じていった……。

1曲ごと本当に多彩な表情を描き出しているにも関わらず、決してばらついた印象を与えることなく、1つの大きな流れとして表現していた、この日のOSTY。いわゆるクラブDJが、多彩な楽曲を巧みに繋ぎながら、会場中に大きな興奮のウネリを作り出していくのと同じ感覚を、この日のOSTYのライブには強く感じてしまったと言うのが、正直な感想だ。

先鋭的なアプロ-チを施しながらも、じつは生々しい面も非常に強く持ち合わせている彼ら。

デジタルとヒュ-マン。その2つの姿を巧みに融合させているところに、OSTYの輝かしい存在を見い出したような気がしたライブだった。

長澤智典

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