林 邦洋によるイラストがコワくてかわいい(?)オリジナルTシャツを、バークス・ユーザーにプレゼントします! サイズはMのみ。ちなみにイラストの横のS.S.Wとは「シンガー・ソングライター」の略とか。
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「思ふ事」
「春雷」
「HEAVEN STAGE」
「HIT AND RUN」
| 今日の渋谷NESTは超満員。出入口のドアは閉まり切らない。一般のお客さんはもちろんのこと、音楽業界関係者も多く、林 邦洋に対する注目度は相当に大きいようだ。
そんな林は、地元の九州でフツーに就職し、「音楽を仕事といえるような生活を送れたらいいな」なんて思いつつもフツーに趣味のひとつとして詩を書き、ギターを奏でていた。が、1本のデモテープをキッカケに上京し、本格的に音楽中心の生活を送るようになる。そして、インディーズで1枚のミニアルバムと3枚のシングルをリリース。2001年2月1日にはシングル「私利滅裂」でメジャーデビュー、6月には2ndシングル「そして僕らの毎日」がリリースされる、といった経歴のミュージシャンだ。
この日が初ワンマンということだが、同時に「初に近いバンド形式」で行なわれた。実際、彼が行なってきた吉祥寺の井の頭公園でのストリートライヴのように、これまでは屋内のライヴイベントでもアコースティックで通してきたようだ。でも、オープニングはハードなバンドサウンドで「思ふ事」のイントロを奏でる。それはまったく違和感はなく、自身もすごく楽しそうに歌い、ギターを掻き鳴らしている。今までリリースした作品からまんべんなく披露、バンドでの演奏がしっくり来ていて、弾き語りを聴きなれたファンにも、かなり新鮮だったのではないだろうか。
もちろん、アコギも登場。「目黒にて」「有給休暇がとれたなら」ではアコースティック・セットで聴かせてくれたし、アンコールの「沢村恵子」は、弾き語りだ。……この曲タイトル、気になる。
“沢村恵子”とは架空の人物らしく、林が高校時代に書いていた小説のヒロイン名だとか。誰もが“絶対、彼女のことに違いない”と思わせるタイトルは、歌詞で一層強く思わせる。実際、赤面しちゃうくらいのラヴソング。当然、歌っている林もちょっと赤面気味?
<彼女を本当に尊敬している 顔より性格を だけど実のところ見た目にひとめぼれをした>
(笑)。とにかく、林 邦洋は詩人だ。難解な言葉遣いは決してしない。そして、暑苦しいメッセージ・ソングなんかじゃない。ストーリー展開のある場景に日常性が加わる、そんな詩だ。
それは、6月にリリースされるシングル「そして僕らの毎日」(この日のライヴではお披露目なしだったが)でも言える。
<「何もしない勇気があって だけどそれを逃避とは呼ばない」君は言い切る> <「何もしない勇気とは やっぱり逃避と呼ぶべきなのか」君が俯(うつむ)く>
と。“君”が言ってはいる言葉だけれど、誰にだって投影できる。それに対して、明確な答えなんて出ない。そして、
<だけど君の手を握れば 不安が死んでく>
という事実。林 邦洋の表現するところは、そんな誰もが感じつつも、具体的に言葉に具現化していない部分を、やわらかく指摘するところのようにも思える。そして、そこからまたゆっくりと聴き手は自分に投影して咀嚼していけば、いいのだろう。 |
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