パフ・ダディと他のラッパーたちは「人種プロファイリング」の被害者か?

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ニューヨーク警察は犯罪を防ぐために、ラップ界のアーティストらの行動を監視しているらしい。また、この行動追跡は悪評高い「人種プロファイリング」を含んでいるとの声もある。4月20日付New York Post紙によると、ニューヨーク警察ギャング取締り課の警官たちは、ラッパーたちが集うナイトクラブ周辺で警備を行なっているという。

このニューヨーク警察の取締りは、Sean "Puffy" Combsが武器不法所持で無罪で釈放されたことに関連しているという者もいる。ある情報筋は同紙に次のように語る。「地方検事側は先月、裁判で負けた。ラッパーをひとり捕まえようとやっきになっているんだと思う」

Def Jam、Murder Inc.、Roc-A-Fella Recordsといったラップレーベルの緊急連絡リストに名を載せている弁護士、Murray Richmanはその通りだと言い、ラッパーたちは「不正に扱われている」と述べる。Richmanは、武器不法所持から殺人未遂に至るまでのあらゆる容疑で、Jay-ZDMXShyneらの弁護を担当、Post紙に次のように語っている。
「これらは悪評高い人種プロファイリングの問題だ。ラッパーたちは何をしたかでなく、その人種によって目を付けられている」

ニューヨーク警察の職員は「ラップ界における犯罪傾向」という本を編纂していると報じられている。その中には、氏名、通称、写真、愛車、よく行くクラブをはじめ、40人以上ものラップミュージシャンの情報が載せられている。警察はまた、ラッパーたちがたまり場にしているナイトクラブの外に駐車してある車のナンバーを書きとめ、万一、事件が起きた場合、それを元に目撃者を捜すことができるという。情報筋は、この作戦が2月25日に、地元ニューヨークのラップ専門ラジオ局の外で、銃弾が飛び交う事件が起きたことがきっかけで始まったとPost紙に語った。

ラッパーたちは、ニューヨーク警察から標的にされていることを以前から不満に思っていた。プライバシー問題の専門家は、警官によるアーティストデータの収集が違法でないか、現在調査しているところだ。New York Civil Liberties Unionの臨時ディレクター、Donna LiebermanはPost紙にこう語る。
「集めた情報の用途については制限がある。個人の特殊事情に合わせた容疑に基づいて、人を阻止するくらいならいいのだが、そうでなければ、ラッパーのプロファイリングになってしまうだろう」

Bernard Kerik警察部長は、ニューヨーク市警の警官が何か不法な事を見つけようとして、ラッパーたちを「プロファイリング」しているなどということはありえないと言う。
「ラッパーをプロファイリングしてはいません。犯罪者や銃器不法所持者、犯罪を犯す者たちを追跡調査しているのです。ラッパーの中には犯罪に手を染める者もいます。我々はそういう人物を監視しているのです」
Kerikは次のように続ける。
「信じようが信じまいが、これは他のラッパーたちを保護する目的でもあるのです。彼らはよく強盗の被害者になったりするので、そうしているのです」

ニューヨーク警察がラップミュージシャンを監視しているという報道は、ニューヨーク市長のRudolph Giulianiが警察に対する告訴を却下したおよそ1週間後に出てきたもの。Jay-Zは先日、マンハッタンのナイトクラブを出た直後に武器不法所持容疑で逮捕されたが、それは警官がラッパーを追跡していたからだという警察への非難があった。Giulianiは先週、4月14日(土)にJay-Zの逮捕について訊かれ、次のように答えている。
「ニューヨーク警察と問題を起こしたくないのでこう言おう。銃撃、強盗、レイプ、銃器不法所持をしてはいけない」

Anna Maria Gibson、ニューヨーク
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