映画サントラ特集『コヨーテ・アグリー』

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音楽と映像の密接な関係――。

シンガー・ソングライターを夢見るヴァイオレットを主人公に、実在のバーを舞台に繰り広げられるストーリー『コヨーテ・アグリー』。主人公を演じたパイパー・ペラーポもこの映画に大抜擢され、夢をつかんだ女優。全米でもすでに注目され、サントラ盤はビルボード初登場で3部門ランクされた。

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そんななか、自分の夢を追い弁護士を目指するゾーイ役、タイラ・バンクス(スーパーモデルとしても有名)、女優志望のキャミー役、イザベラ・マイコ、主人公ヴァイオレットに思いを寄せるケヴィン役、アダム・ガルシアが来日。11月29日に記者会見を行ない、次のように語った。

タイラ・バンクス

モデルを目指したときは黒人だから無理、女優を目指したときはモデル出身だから無理、と言われてきたわ。でも、自分を信じて夢を追いつづけてきて、モデルは成功したし、女優も少しずつだけどうまくいっている。だから、みんなにもこの映画の登場人物たちのように夢を持ちつづけてほしいの」(タイラ)

イザベラ・マイコ

ジェリー・ブラッカイマー(映画プロデューサー)は素晴らしい人だったわ。物静かでジェントルで。私も将来、映画をプロデュースしたいから、彼の存在は勉強になったわ」(イザベラ)

アダム・ガルシア
夢を現実するといういい映画だよね。僕ももっとミュージカルや映画で頑張っていきたいけど、大学へ行って生物学を勉強したいと思っているんだ」(アダム)

映画の役柄としても、現実の人間としても夢を追いつづける人たちで作られた映画『コヨーテ・アグリー』。

そのレヴューをお届けしよう。



『コヨーテ・アグリー』

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『フラッシュダンス』『トップガン』『ザ・ロック』『アルマゲドン』など、数え切れないほどのヒット映画作を手がけてきたプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーが20世紀最後のプレゼントとして音楽ファンに贈る“スター誕生物語”。

ソングライターを夢見てニュージャージーから出て来た21歳の女の子が、ニューヨークで夢を実現させるまでを描くシンプルな青春ストーリーだが、以前からサウンドトラックには定評のあるブラッカイマーだけに、この映画でもLeAnn Rimesの主題歌をはじめ音楽が重要な役割を担っている。

舞台はニューヨークにある《コヨーテ・アグリー》という名のクラブ・バー。

初めての都会での生活で様々なトラブルに見舞われ、自信を失いかけていた主人公のヴァイオレットが、ふとしたきっかけで《コヨーテ・アグリー》という店の存在を知り、それまで見たこともなかったような未知の世界へ飛び込んでいく。

まず印象的なのは、彼女が夜初めて店に出勤する場面。扉を開けた瞬間、Def Leppardの「Pour Some Sugar On Me」が大音量で鳴り響き、満員の酔客を前にバーカウンターの上で激しく踊りまくる女性達の姿が目に飛び込んでくるのだ。

ソングライター志望のヴァイオレットが、それまでのシーンで自作の曲として歌っていたのは、例えば「あたしは靴が雨でぬれるのがキライ/でも、あなたのことは好き…」というような、比較的たわいのないラヴソング系だった。

それがこの場面に来て、いきなりハードロック。

『Coyote Ugly
サウンド・トラック』

CURB-DENON RECORDS
COCB-50457
2,625(tax in)

しかも、この曲の歌詞ときたら…!

あまり詳しくは説明しないが、要するに「あたしの上にあんたのシュガーを振りまいて」といった内容の歌に合わせて、セクシーな女性達が挑発的なダンスパフォーマンスを繰り広げるのである。

つまり、ヴァイオレットにとって初めて足を踏み入れた『コヨーテ・アグリー』がどんなにショッキングな世界だったか、そのことが音楽を通じても伝わってくるのだ。

ところで、そのヴァイオレットを演じるパイパー・ペラーボ。彼女の素晴らしさを文字にするのは至難のワザだが、彼女でなければこの映画の魅力は半減しただろうということだけは言っておきたい。映画初主演とは思えないナチュラルな演技で、お茶目な笑顔が最高にキュート。まるであの『プリティ・ウーマン』の頃のジュリア・ロバーツのよう、とでも言えばいいのか。

また、米・人気TVドラマ『ER 緊急救命室』の女医役で知られるマリア・ベロが、クラブ・バー《コヨーテ・アグリー》の破天荒なオーナーをエネルギッシュに演じるほか、先輩バーテンダー/ダンサー役として登場する3人の女性達もそれぞれに非常に個性的で興味深い。

弁護士を目指し、法律学校の学費を稼ぐために踊るゾーイ(トップモデルのタイラ・バンクスが見事な肢体を披露)、過激なパフォーマンスで周囲を圧倒するレイチェル、ブロンドのベビーフェイスで女優志望のキャミー。

これにヴァイオレットを加えた5人の女性が、狭いバーカウンターで酔っ払いの荒くれ男どもを手玉に取るさまは、ある種見ていて痛快ですらあった。

ちなみに《コヨーテ・アグリー》は、今もニューヨークのイーストヴィレッジに実在する店の名でもある(Coyote Ugly Saloon: 153 1st Ave. NYC, NY10003)。そして、この名前の意味は、罠にかかると自分の足を噛み切って逃げようとするコヨーテの悪あがきからきたスラングで、「酔っ払って見知らぬ相手と寝てしまった翌朝、相手の顔を見て腕を噛み切ってでも逃げ出したいほど後悔すること」だそう。

なかなかに意味深いのである。

文●原 令美

『コヨーテ・アグリー』(2000年アメリカ)
12月9日(土)より全国松竹系劇場にて公開!

監督:デヴィッド・マクナリー
製作:ジェリー・ブラッカイマー、シャド・オーメン
音楽:トレバー・ホーン
主演:パイパー・ペラーポ、アダム・ガルシア、マリア・ベロ、タイラ・バンクス、イザベラ・マイコほか
上映時間:1時間41分
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)

Special Thanx to www.movies.co.jp

《横浜と六本木にコヨーテ・アグリーが再現!》

映画『コヨーテ・アグリー』にちなんだオリジナル・カクテルが用意されたり、映画さながらのパフォーマンスも繰り広げられるというスペシャルなひとときが味わえる空間が出現! 詳しくは各問い合わせまで!

COYOTE UGLY in Bucher's Table
2000年11月22日~2001年1月7日

神奈川県横浜市中区新山下3-7 ブッチャーズテーブル
【問】COYOTE UGLY in Bucher's Table 045-622-6084

コヨーテ・アグリー in GRIGLIA BACS Cafe
2000年11月27日~2000年12月31日

東京都港区六本木5-1-3 ゴトウビルディングB1
【問】03-5770-5335


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