【ライブレポート】04 Limited Sazabys、<MOON tour 2025>ツアーファイナル完走。月に照らされてフォーリミパワー覚醒

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04 Limited Sazabysが約2年半ぶりにリリースしたEPは『MOON』と名付けられており、月の引力をそのまま落とし込んだような力強い作品だっただけにツアーが楽しみで仕方なかったのだが、いやいや、予想を遥かに上回るほど満ち満ちた月のパワーに圧倒された。

◆04 Limited Sazabys 画像

3月から始まった<MOON tour 2025>は、全国9カ所11公演全てワンマンライブ。月のパワーを全身で浴びたフォーリミの4人が放つムーンソルトキックが全国各地で炸裂したのは月を見るより明らかだった。そして迎えたツアーファイナルは、フォーリミが愛してやまない地元・名古屋の中でも、もはや完全にホームといえるZepp Nagoyaで2日間に渡って開催された。会場に到着するとまず目に飛び込んでくるのはステージに輝く大きな満月。このツアー中、SNSを通してその月の存在は何度も見ていたが、実際に目の当たりにするとその迫力に驚かされる。今夜、月の見えるライブハウスでフォーリミを観る。そんなロマンティックなことがあるだろうか? 月の光に導かれた僕たちがこのツアーで観ているのは、きっと後に語られるだろうムーンライト伝説。メンバーが選曲したという月にまつわるBGMが会場にて次々と流れる中、開演を待つ。それだけでパワーが漲ってくるからやっぱり月って凄い。しかも目の前には大きな満月。直視したら狼男か大猿になってしまいそうだ。



ツアーファイナルである名古屋2日目。SEが鳴り止んだ瞬間にGEN(B, Vo)の叫ぶ「愛をもっとー!!」に度肝を抜かれる。まさかのまさかの「mottö」からスタートするなんて。「magnet」から始まった昨夜の名古屋公演1日目もそれはそれでかなりのエモーショナルを発揮していたけれど、「mottö」始まりは反則だ、だってこんなの希望でしかないから。夜な夜な見るカラーな夢は僕らの未来。「よっしゃ行くぞ」の気持ちが04倍速で身体を駆け巡る。GENはこの2日間、何度も「行ける?」と問いかけていたけど、行けます、行けますとも。フォーリミが扉を開ける音を僕らは何度だって聞いてきたし、その都度高く飛んできたんだから。Zepp Nagoyaに鳴り響く生きたくなるようなとどめのメロディ。「climb」をライブで聴いている瞬間、何処までだって行ける気がする。「Now here, No where」「Kick it」と続く。生きることが楽じゃないなんて分かっている。でも、だけど、俺次第、君次第で何だって蹴り飛ばせる。なんてったって今日は月も音楽も味方している。


けたたましく鳴りまくるKOUHEI(Dr)のドラムで「Jumper」が始まるとやはり脳裏に浮かぶのはこの数年のこと。フォーリミが、僕らが進んでいるのは、決断の連続の先に新しい歩幅で歩いてきた道。RYU-TAの濁声が突き刺さる「knife」、HIROKAZのリフが冴えわたる「fiction」「夕凪」と畳みかける中、フォーリミと歩んできた日々が頭を巡る。ライブ中、ステージの満月は勿論だけれど、ずっと気になっていた8個の丸いライト。GEN曰く「水金地火木土天海」ということで、そうか太陽系の惑星までステージから僕らを照らしていたのか。じゃあ僕たちが冥王星としてフォーリミを照らしてやろう。「今夜は月が綺麗ですね」とさりげなくGENが言っていたけど、それって僕らを口説いてる? MC中は相変わらず名古屋のCMソングを歌いまくっているけれど、それって照れ隠し?「in out」「Any」「happiness」と続く中、そういえば「happiness」が名古屋の企業「メニコン」のタイアップソングだったことを思い出す。「白樺リゾート池の平ホテル」の皆さ~ん!「青柳ういろう」の皆さ~ん!フォーリミがライブで毎回CMソングを歌っていますよー! どうか、広報の方に、届け。



名古屋から活動の場を東京に移した時期の「Night on」、その前夜、名古屋の小さなライブハウスで歌っていた「Grasshopper」と名古屋在住時代のフォーリミを思い出す。思えばフォーリミも僕らも物語の奥地まで来たけれど、4人が本当に何も変わっていないことが嬉しい。勿論とめどなく進化しているし、変わった部分だってある。だけどそれは変わらない為に変わってきたのだと思う。「GATE」はまさに突き進むイメージだし、そうやって「Utopia」を探し続ける旅はこれからも果てしなく続く。フロアを見てよ。ここにいるみんな、フォーリミが出会ってきた旅の仲間だよ。

「最近おじさんが好き」と一瞬ドキッとする発言も飛び出す中、フロアを見渡したGENが「結構先輩系の方もライブに来てくれている」と嬉しそう。「この中で最年長、何歳?」と訊くGENに心の中で「俺は46歳。まだまだライブハウスで遊んでいるぜ」なんて勝ち誇っていると「56歳!」「57歳!」「還暦!」そして「73歳!」の声も。その大き過ぎる背中に、まだあと30年は遊べるなって未来にワクワクする。そこからの「Password」なんて、それはもう響く響く。ずっとドキドキしていたいし、ずっと見ていたい。年齢のせいになんて絶対しない。「milk」「imaginary」を浴びながら73歳の自分を想像して「性懲りもないな」と笑う。この幸せを見続けていたいな。でもきっと大丈夫。「心配なんてないよ」って「Harvest」が優しく抱きしめてくれる。大阪万博のミャクミャクの特技は虹を探すことらしいけれど、「Squall」の後にはZepp Nagoyaにも大きな虹が掛かり、その虹を渡りながら別れと出会いを「magnet」で感じながら、この手を放すものかと月に誓う。



アンコールではKOUHEIの誕生を祝う場面もあり、幸せムードに覆われるZepp Nagoya。さらに11月8日、9日には<YON EXPO’25>が開催されることも発表され湧き上がるフロア。気になる会場はTOYOTA ARENA TOKYOだ。豊田ではなくTOYOTAなので愛知ではなく東京での開催となる。万博イヤーに僕らの04博<YON EXPO’25>開催だなんて最高が過ぎる。そんな興奮の中で「Buster call」「swim」「Give me」とフォーリミの必殺技を放ちまくるフォーリミを照らすようにステージの満月が輝いている。ただでさえ圧倒的なフォーリミのライブを加速させる月の力たるや。月に代わって音楽を届けてくれたフォーリミもこのツアー中、きっとずっと輝いていたことだろう。ステージで僕らを見守る今宵の月のように。



文◎柴山順次
写真◎ヤオタケシ

ライブ情報

◆04 Limited Sazabys主催<YON FES 2025>
日時:2025年6月21日(土)、22日(日)
時間:開場9:30 開演11:00 終演19:00 (各日共通予定)
会場:愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
X:https://x.com/yon_fes
特設サイト:https://yonfes.nagoya/feature/2025

◆<YON EXPO’25>
2025年
11月8日(土)TOYOTA ARENA TOKYO
11月9日(日)TOYOTA ARENA TOKYO

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