【ライヴレポート】KIRITO、恒例アコースティック公演＜Phantom＞第9弾で「指折り数えている」

KIRITOが3月22日、日本橋三井ホールにて＜KIRITO Acoustic live 25'「Phantom IX –End screen–」＞2days公演の第一夜を開催した。同公演は2022年より継続的に実施しているアコースティックシリーズの第9弾となるもの。そのオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆KIRITO 画像

サポートを務めるJOHNと共に、アコースティックギターと歌のみの編成で、KIRITOの全キャリアの中から選曲されたメニューを展開していくのが＜Phantom＞公演のスタイルだ。2024年9月以来の開催となったこの夜も、そんな最小限の音数の中、温かくも力強い歌声が聴く者の胸を打つ濃密なステージとなった。



全19曲が繰り広げられたこの夜、「Enter the NEOPHASE」(Angelo)に始まり、「EXIT」で終えるという選曲は、まさに本公演のサブタイトル＜End screen＞にふさわしいものであり、終わりと共に新たな始まりを描く数々の楽曲もまた、このステージのテーマを象徴する。と同時に、KIRITOが生み出す作品の本質を映し出していた。

本編前半で印象的だったのが「螺旋」(Angelo)での表現にある。曲の冒頭であえてピックを離し、両手で包み込むように集める仕草を見せながら“砕けた硝子の破片 拾い集めた　手のひら 残した傷を見つめながら”と丁寧に歌い、最後には“それでも止まない声が背中押した 痛みは増すほど強さに変わった”と、手振りを交えながら真実味のあるメッセージが届けられたシーンは、何とも忘れ難いものだった。

また、中盤での「BIRTHDAY」(PIERROT)において、フロアを指し“そこにいるだけでいいから”と歌った後、KIRITOの人生や決意が描かれた「Storyteller」へと繋いだ場面や、祈りや願い、この世界の厳しさと光を歌った終盤の流れもまた、オーディエンスの胸に深く刻まれたに違いない。


「バンドをやり始めて30年近いのかな？ 未だにライブが本当に好きで、早くライブが来ないかなと、指折り数えているんですよ」と述べたKIRITOだが、今後も数多くのステージが控えている。

KIRITOは、翌3月23日に同会場での第二夜を行い、その後、4月21日の神奈川・川崎CLUB CITTA’にてsukekiyoとの初ツーマン＜sukekiyo 「真琴、両眼血走る」-開放の儀-＞ほか、4月26日から6月21日には全12公演にわたる＜KIRITO Tour 2025「ZERO POINT FIELD」＞を開催、さらには5月17および18日にはPIERROTとしての2days公演＜LASTCIRCUS –FINALE– / –HELLO–＞でKアリーナ横浜のステージに立つ。

また、KIRITOのアコースティックシリーズの次回公演が7月26日および27日に東京・KANDA SQUARE HALLで開催されることが新たに発表となった。今回の＜End screen＞を経て、第10弾のサブタイトルに＜Switch screen＞が掲げられているのも気になるところだ。


「今年のKIRITOはいろいろ違うからね。ただ、楽しいことしかないので、覚悟しておいてください」と、これらを含む今後の展開についての言葉があった通り、KIRITOがこれから創り出す景色の先に、どんな物語が待っているのか期待が高まる。