【ライヴレポート】KIRITO、恒例アコースティック公演にメッセージ「PIERROT、Angelo、そして今」

KIRITOが7月20日、東京・KANDA SQUARE HALLにて2days公演＜KIRITO Acoustic live 24’「Phantom VII -THE TIMELESS VISIONS-」＞の第一夜が開催された。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆KIRITO 画像

＜Phantom＞を冠したアコースティックライブは、2022年より継続的に実施しているもの。同会場での初開催から今回で丸2年を迎える。編成は、サポートを務めるJOHNとふたりによるアコースティックギターと歌のみ、というシンプルかつ最小限の音数で、KIRITOの全キャリアから選曲されたメニューで披露されるのが＜Phantom＞スタイルだ。

前回2024年3月から4ヶ月ぶりの開催となったこの夜は、「Enter the NEOPHASE」(Angelo)で幕を開け、ラストナンバー「CHILD」(PIERROT)に至るまで、全17曲が繰り広げられた。


サブタイトルにある＜THE TIMELESS＞とは、特定の時代や時期にとらわれず、永遠に通用する…あるいは時代を超えた普遍的な性質や価値を持つことを意味するもの。それはまさに、KIRITOが生み出す楽曲の核を示すもので、前述したように＜Phantom＞シリーズでは、あらゆる時代の楽曲を披露することから、それがより顕著となる。実際、この夜の本編終盤、初期のソロ曲である2005年発表の「EXIT」を披露する直前にKIRITOはこんな言葉を伝えた。

「PIERROT、Angelo、そして今と、いろいろなことをやってきましたけど、皆さんご存知の通りKIRITOって変わらないよね。10年前、20年前は、当然経験値も今より浅いはずなのに、今の自分から見ても、僕の作詞の言葉の置き方は侮れないなと。未来を予言しているかのような。長く見てきた人たちはわかるように、常に節目の大事な時には皆さんに約束してきました。その約束の言葉が、今の自分の道標になってしまうという不思議な現象」──KIRITO

そして、“何一つまだ諦めてはいないから”と歌う「EXIT」に続いたのが、“世界は残酷だが諦めない者には手を差し伸べるのだ”と、この世界のリアルを描いた「CRUELWORLD」(Angelo)、さらに“何があろうと揺るがない思い”を綴った「I BLESS YOU」で、それぞれ異なる時代に誕生した楽曲たちが、実に見事な流れを生み出した。


「(僕は)不安にさせるようなむちゃくちゃなことを言いますけど、歌詞になると真面目なので。大昔に書いた曲で終わりたいと思いますが、こういう曲に僕の思いが込められていると思ってください」──KIRITO

この言葉に続いて、初日のラストを締め括った「CHILD」(PIERROT)にて、“強く響け僕の歌声よ行き場を無くした君のもと、届くように”と、アカペラで力強く歌い上げたシーンはやはり忘れ難いものとなった。


KIRITOは、翌21日に同会場で第二夜を開催するほか、8月24日にはCLUB CITTA’にて有村竜太朗との初のツーマンライブが控えている。さらに、「この＜Phantom＞シリーズも、どんどん続いていくんでしょうね。あと30年くらい、よろしくお願いします」との発言が飛び出していたこの夜、次回公演＜KIRITO Acoustic live 24’「Phantom VIII -CROSSING LINE-」＞が9月16日に恵比寿ザ・ガーデンホールで開催されることも発表となった。11月13日にリリース予定のニューアルバム『CROSS』とリンクするサブタイトルも気になるところだ。