【ライヴレポート】KIRITO vs 有村竜太朗、初ツーマン開催「ストーリーはこれからも続く」

8月24日、CLUB CITTA’にてKIRITO × 有村竜太朗によるツーマン＜THE CHEMICAL DESTRUCT -ANTI-PARTICLE- KIRITO vs 有村竜太朗＞が開催された。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆KIRITO vs 有村竜太朗 画像

＜THE CHEMICAL DESTRUCT＞は、2023年8月開催のKIRITOワンマンを第1弾として、「今後、対バンや主催イベントもやっていこうと思う」と、夏の恒例イベントにしていくことを公言していた同公演の第2弾となるものだ。

KIRITOと有村竜太朗は、約30年にわたってシーンを生き抜いてきたほぼ同期のヴォーカリスト。過去にはバンドとしての対バンイベントはもちろん、同事務所に所属していた時期もある。そんな深い繋がりを持つ二人は、2016年に“有村竜太朗”、2022年に“KIRITO”のソロ活動がスタート。ソロアーティストとしては今回が初の競演かつ、これまでのバンド活動を含めてもツーマンという形態は初めて実現することとなった。



実際この日、「'90年代組としましては、KIRITO君とまたやれるなんて、長生きして良かったなと思います」とMCで竜太朗が語り、「念願の、僕のオキニの竜太朗君と肩を並べることができて嬉しいです」とKIRITOも発言するなど、長い年月を経て二人が同じステージに立ったという事実はあまりに感慨深い。

また、本公演のサブタイトルにある＜ANTI-PARTICLE＞とは“反粒子”を意味するものだが、粒子と反粒子が出会うと対消滅を起こし、別の大きなエネルギーが生まれることを指している。つまり、その音楽性やアーティストとしてのパブリックイメージが対照的とも言える二人が対峙することを、比喩的に示していると解釈していいのではないだろうか。

主催者であるKIRITOのバックドロップが掲げられた舞台にて、先攻はUKロックやシューゲイザーをルーツとしながら独自の世界を作り上げている有村竜太朗だ。サポートメンバーのDEMONSTRATIONsは、咲人(G／NIGHTMARE、JAKIGAN MEISTER)、鳥石遼太(B)、高垣良介(Dr)、野村慶一郎(Key＆Mani)といった面々。一方の後攻はヘヴィサウンドを武器にした攻撃力を増し続けているKIRITO。サポートメンバーは、海(G／vistlip)、JOHN(G)、Chiyu(B／SLAPSLY)、Hiroki(Dr／C-GATE)。、それぞれのカラーを存分に発揮したパフォーマンスを展開していった。



当夜最大のトピックと言えば、二人がお互いのステージに出演し、ツインヴォーカルで各1曲を披露したこと。黒のKIRITO、白の有村竜太朗という衣装の対比も象徴的で、固い握手、熱い抱擁、お立ち台で肩を組みながら笑みを浮かべるシーンも見られた。

「今日ヤバいっすね。スッゲー楽しいんですけど！ 普通は社交辞令で終わることも多いけど、KIRITO君が『本当にやろう』と動いてくれて感動したし、皆が笑顔でいてくれて嬉しいです」──有村竜太朗

「今日は終わりますが、僕と竜太朗君のストーリーはこれからも続くので」──KIRITO

こんな言葉もありながら、温かな空気に満ちた奇跡的な一夜は幕を下ろしたのだった。


なお、11月13日に新作アルバム『CROSS』のリリースを控えているKIRITOだが、その作品を引っ提げ11月16日より全12公演にわたるツアー＜CROSS OVER THE TIME AXIS＞を開催することが新たに決定した。今年も最高最狂の作品が生み出されることになるだろう。その完成を心して待ちたい。