【ボーカル座談会:後編】Eins:Vier × Gargoyle × Valentine D.C. × メリー × H.U.G「楽しい2日間になると思う」
■先輩後輩関係みたいなものは
■嬉しいんですよね。素晴らしい
KIBA:実はメリーが結成したぐらいのときなのかな? Gargoyleと一緒にツアーをまわったんだよね。ステージ上の習字(MCでは言葉を発さずに習字で筆談していた)を最初に見たときは、僕も“すげえ!”と思ったよ。
ガラ:ありがとうございます。結成当初は僕もKIBAさんと同じように、MCをしなかったんですよ。その代わりに、習字で客席と会話してたんです。
Hirofumi:習字を習ってたん?
ガラ:いや、まったく(笑)。メリーは昭和をひとつのテーマにしてたので、お立ち台の役割として学習机をステージにセットして。で、学習机なら習字かなという発想でした。
KIBA:一番最初にメリーを知ったのは、当時の音楽雑誌だったんだけど。そのときのガラくんの写真が片足…イスに座ってたんだけど片足がないんだよね。それが超カッコよくて、“こんな写真を撮るバンド、超刺激的!面白い!” “この人たちとやりたい! 僕、負けるかもしれないけど”と思ったんですよね。
▲Hirofumi (Eins:Vier)
ガラ:KIBAさんからお声掛けいただきまして。メリーとしては初めて地方に行ったりとか、全国を一緒にまわらせてもらったんです。そのツアーではKIBAさんの衣装をお借りして、アンコールに着て出たりして。
Ken-ichi:えー。俺でさえ着たことないのに(笑)。
KIBA:提灯も作ったりしたね。
ガラ:はい。面白いグッズも作りましたよね。俺はまだ若かったから、調子に乗ってKIBAさんに「これ借りていいですか?」とか「面白いからそれやりましょう」とか何でも言えてたんだと思います。
Hirofumi:ああ〜、若さゆえの。
ガラ:とても今はそんなこと言えないですから。今日も、先に到着していたKIBAさんの姿を見て引き返したくらいですし(笑)。
KIBA:(笑)。でもさ、今ガラ君が、若い子から「衣装借りていいですか?」って言われたら嬉しいでしょ?
ガラ:はい。
Hirofumi:なるほど。そういう先輩後輩関係みたいなものは嬉しいんですよね。
▲KIBA (Gargoyle)
▲Ken-ichi (Valentine D.C.)
──ryoさんが2018年以降、Eins:Vierのジャケット等のデザインを担当するようになったきっかけは?
ryo:最初はマネージャーさんからお話をいただいたんです。
Hirofumi:Eins:Vierのアルバムをリリースするってなったときに、デザイナーをマネージャーに探してもらって。何人か候補を出してもらったなかで、「この人がいい」ってなったのがryoだったんです。
ryo:今初めて知りました(笑)。僕はもともとEins:Vierのファンだったので、デザインするときはいつも気合いが入るんですね。Eins:Vierはスタイリッシュでクールなんだけど、メンバーが変にカッコつけてないところが個人的に好きで、物哀しい音楽性が琴線に触れるというか胸にチクッと刺さるんです。だから、ド派手で分かりやすいデザインよりも、曲の空間とか歌詞の意図を自分なりに読み解いていくようにデザインを作っていく感じで。“なんでこのデザインなんだろう?”ってリスナーのなかにクエスチョンが残るようなものを作るように心がけています。
Hirofumi:うん、素晴らしい。
▲ガラ(メリー)
▲ryo (H.U.G)
──では、12月に開催される<KATHARSIS 2023>はどのようなイベントになりそうですか?
Hirofumi:お互いが刺激し合える場所になるといいですね。単純にみんなが集まって、それぞれがライブをやりました、みたいなよくあるイベントだと面白くないから。せっかくこれだけのメンツが集まる以上、刺激的な夜を目指したい。2日間とも、音楽ジャンルの異なるバンドが一堂に会するわけで。必然的にそれぞれのファンが会場に集まるから、その時点で、絶対いつもとは違う空気感が生まれるわけじゃないですか。
Ken-ichi:ステージも客席も。
Hirofumi:そう。バンド側はもちろん、観に来てくれた人たちもエネルギーを受け取って、自分の感情を豊かにしてもらいたいし。それを次に、自分の好きなバンドのときに生かしてほしいんですよ。そういう場になれば最高やな。<KATHARSIS>というイベントを立ち上げたときからの思いやから、それは継続してますね。
──Eins:Vierは両日ステージに出演します。
Hirofumi:もちろん他のバンド目当てで来てくれた人たちがEins:Vierに興味を持ってくれたらとても嬉しいけど、それがメインのイベントじゃない。今も言ったように、このイベントで豊かになった感情を、自分の好きなバンドに生かしてほしいし、そうしたら好きなバンドの見え方も変わるかもしれないじゃないですか。求めるものはそういう循環なんです。“好きになってくれとは言わないけど、なんか受け取って帰ってな”っていう感じ。1日目と2日目は、それぞれ違う曲を織り交ぜて、異なるカラーを出したいと思ってます。
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