【インタビュー】緑仙、にじさんじ所属ライバーの覚悟と決意「自分はこうありたいという願い」

■ライブで観たいと思ってもらえる人間に
■なれたらいいなって思うようになりました

──今後の活動についても聞かせてください。まず6月8日に神奈川・Zepp Yokohamaで＜緑仙 1st LIVE「Ryushen」＞を開催します。

緑仙：これまでにもRain Dropsだったり、にじさんじのイベントでステージに立たせていただく機会はあったんですけど、最近になって“足りてない部分がたくさんあったな”と気付けて。もちろん今もぜんぜん足りてないんですが、今の自分の精一杯、“今の100％はこれだぞ”というのを見せたいと思っています。ちょっとでも納得に近づけたいし、本当にたくさんの方ががんばってくれているので、それに応えたくて。あと、これはVTuber的な話になるんですけど、2021年の7月に業界初のARライブ＜にじさんじ “LIGHT UP TONES”＞(業界初の全編リアルタイムARカメラを使用した無観客生配信公演)があって。自分もステージに立たせてもらったんですけど、すごく評判が良かったんです。ただ、あのライブのすごさって、自分たちのパフォーマンスじゃなくて技術班だったと思っていて。

──両方だと思いますけどね。演者のライバーのみなさんのパフォーマンスとARの技術が融合して実現したライブなので。

緑仙：そうなんですけど、自分の歌や踊りがもっと上手ければ、やれることはもっともっとあったはずなんです。すごく評価していただいたけど、“まだいける”と思ってしまったというか。技術の進化に甘えることなく、自分も成長していかなきゃなって。そうすることで、VTuberの業界全体も“だったら、こういうこともできるね”となるだろうし、本当にありがたい環境だなと思います。それも含めて、各方面にアピールできるような作品にしたいですね。


──ちなみに緑仙さん、ステージで歌うのは楽しいですか？

緑仙：……どうなんでしょう（笑）。もちろんライブは好きなんですが、いかんせん経験値が全然足りてないので。不安も大きいけど、ワクワクしてるって感じですね。あと、最近リスナーに「生歌のほうがいいね」と言われることが増えて。良いのか悪いのかわからないですけど。

──良いことじゃないですか？

緑仙：本当ですか？ 最初は“歌みたはダメってこと？”なんて思ったんですけど（笑）、「生歌がいい」と言ってもらえるというのは、歌自体が良くなってるのかなと。もしかしたら自分も“ライブで観たい”と思ってもらえる人間になれるかも、なれたらいいなって思うようになりました。

──最後に今後の活動ビジョンについて聞かせてもらえますか？

緑仙：自分が活動を始めた2018年に比べると、VTuberは当たり前のものになっていて。街中でも普通に見かけるし、“VTuberが歌うこと”の価値は下がっていると思うんです。一方で、まだまだ壁みたいなものも残っている。それをすべて越えられるアーティストになりたいですね。最近は子役の経験があったり、小さい頃からダンスや歌をやっていた人たちもどんどんVTuberになっていて。そういう人たちと戦わなくちゃいけないのも、めっちゃワクワクしますね。

──モチベーションは完全に戻ったみたいですね。

緑仙：とにかくがんばろうと思ってますね。それだけが取り柄なので。VTuberって次元の壁があるけど、それを越えて、みなさんの感情を揺さぶるような音楽を届けていきたいです。

取材・文◎森 朋之





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