【ライブレポート】緑仙、<2nd LIVE TOUR「緑一色」>東京公演に進化「みんなのおかげで少しずつ明るい人生に」
バーチャルライバーグループにじさんじ所属の緑仙が、初のソロツアー<緑仙2nd LIVE TOUR「緑一色」>の東京公演を神田明神文化交流館 神田明神ホールで開催した。バンドメンバー(奈良悠樹[G]、佐々木侑太[G]、岸田勇気[Pf]、白神真志朗[B]、ゆーまお[Dr / ヒトリエ])ともにステージに立った緑仙は、アーティストとしての着実な成長ぶりを証明してみせた。
◆緑仙(りゅーしぇん) 画像
スクリーンには<緑一色>の文字が映し出され、スタンディングのフロアは緑のサイリウムを持ったファンで埋め尽くされている。影アナを緑仙が自分で行い(途中、少し噛んでしまい、会場から「がんばれー!」と声があがる場面も)、18時ちょうどにライブがスタートした。
パンダ、サッカーボール、マイクなどをモチーフにした映像が映された後、にじさんじの共通衣装で登場した緑仙は“正面突破 共犯外伝にして ハッピーエンド”というフレーズを描き出す。1曲目は「藍ヨリ青ク」。タイトなバンドサウンドと憂いを帯びたボーカルが響き合い、一瞬にして観客を惹きつけた。さらに「インターネットの中からリアルに出てきてくれたみんなに最高の1日をプレゼントします」という言葉に導かれた「ジガトラ」、早くも衣装を着替え(“アーティスト衣装 ”)、拡声器を持って歌唱された「なんでですか」。バンドのサウンドと感情豊かな歌声が絡み合い、リアルライブならではの生々しさを体現してみせた。4曲目は「飾りじゃないのよ涙は」(中森明菜)のカバー。'80年代の歌謡曲は緑仙のルーツのひとつだが、楽曲の世界観を際立たせる歌唱はまさに絶品だった。背景映像を使わず、歌に集中できる演出も絶妙だ。
「<LIVE TOUR「緑一色」>東京公演にお越しいただき、ありがとうございます。東京一発目の曲、めちゃ緊張しちゃった。緊張が残って、「ジガトラ」の冒頭も噛んじゃって(笑)。気を引き締めていきたいと思います!」という挨拶の後は、7曲を続けて披露した。
ジャズとロックが響き合うサウンドが印象的な「殺屋中毒」は、cresc.(にじさんじ所属のシスター・クレア、ドーラ、緑仙によるユニット)によるイメージソング。官能的な雰囲気のパフォーマンス、最後にお札が降ってくる演出も楽曲のムードをしっかりと増幅させていた。ここでメガネをかけた緑仙は、「上手くいかないことばかりだけど、僕の歌を聴いて“いい日だったな”と思ってほしい」という言葉から「独善食」を歌唱。さらにテンション高めの演奏と抑制を効いたボーカルを共存させた「Reject it now!」、ピアノと歌からはじまり、都会の夜景を映し出す映像とともに疾走した「天誅」(ポルカドットスティングレイとのコラボ曲)へ。初期の衣装に着替えた「タイト」では椅子に座り、大きな本を開いた状態で──まるで歌詞のひとつひとつを手渡すように──丁寧に歌を綴った。
「名前を呼んでくれたおかげで、だいぶ落ち着きました」と語り掛けてから歌われた「アイムリドミ」。メロウネスとグルーヴを融合させたステージング(揺れる袖も印象的だった)によって、観客も気持ちよさそうに身体を揺らす。そして“7曲連続”の最後は「366日」(HY)のカバー。恋愛における痛みにも似た悲しさを切々と歌い上げ、平成を代表する名曲に新たな命を宿らせた。
「7曲の間にいろんなことがあった気がする(笑)。経験値が上がりました、個人的に。お着替えしてくるから、その間、バンドメンバーがヘン顔してくれます」と、いったんステージを離れる緑仙。バンドメンバーは本当にヘン顔を披露し、会場に笑いが起きる。こういうフレンドリーな空間もまた、緑仙のライブの魅力だ。
アーティスト衣装で舞台に戻った緑仙。「今まではライバーの仲間とステージに立つことが多くて。一人で立つと、楽しいし、やりがい感じるんだけど、“さみしいな”と思うことも。みんながサイリウムを振ってくれると、本当に、ウソじゃなくて安心する。恥ずかしがらず、いっぱい振ってください」と話しかけ、「ジュブナイルダイバー」(Rain Drops / にじさんじ所属のバーチャルライバー・ユニット)へ。6人で歌っていた曲を一人で成立させ、オーディエンスとの一体感を演出。それはまさに緑仙の成長を実感できるシーンの一つだった。
「ヒロイン」でシックな雰囲気を生み出し、ここからは3rd EP『ゴチソウサマノススメ』収録曲を披露。まずは「猫の手を貸すよ」。“可愛くて愛しい僕のことを 見つめたままで抱きしめてもいいよ”という猫目線のリリックは、言うまでもなく、緑仙の猫に対する溢れんばかりの愛情に裏打ちされいる。歌詞に合わせて、両手を差し出すポーズをする緑仙の表情もかわいい。
電車から見える風景を描いたアニメ映像とともに歌われたのは「終着駅から」。もともとは緑仙の祖父への思いを表現した楽曲だが、この日は「みんなのために歌います」と宣言。喪失感の向こうにある前向きな思いをしっかりと紡ぎ出し、会場全体を大きな感動で包み込んだ。
カラフルなサウンドとクッキーをモチーフにした映像が一つになった「しあわせクッキー」からライブはクライマックスへ。「最後までエネルギーを使って、このライブを楽しんでください!」というMCによって、観客のテンションはさらにアップ。くるりとターンする振付、シャボン玉を飛ばす演出を含め、緑仙のポップな側面をアピールしてみせた。
そして「僕のことを好きなみんなが幸せになるように歌います!」と「友達代表宣言」へ。“みんな泣きながら笑う こんな日がある 素晴らしき人生”というラインは間違いなく、この日のライブの素晴らしさとリンクしていたと思う。本編の最後は「Blowin’ Wind is blowin’」。ヴェガルタ仙台のフラッグを振りながらエールソングを高らかに響かせ、オーディエンスに高揚感は頂点に達した。
鳴り止まない声援とコールに応え、緑仙とバンドメンバーが再びステージへ。アンコールの1曲目は、緑仙がパーソナリティ(火曜日)を務めるラジオ番組『AuDee CONNECT』火曜日テーマソング「リコネクト」。テクノポップ風のサウンド、“つながり”をテーマにした歌詞によってさらに強い一体感が生み出された。
「ツアーというもの自体が初めてで。去年の1stライブとは違うテンションだし、自分の成長にも気づけた東京公演でした。思い残すことがないように、もっと声を出して、サイリウムを振って、緑仙に手を伸ばして」──緑仙
そんなコメントとともに放たれたのは、「ジョークス」と「イツライ」。緑仙自身のリアルな気持ちが込められた楽曲を観客がしっかり受け取り、ステージに向けて思いを返す。そこにあったのは音楽を介したピュアな感情の交歓そのものだった。
最後に緑仙は「みんなのおかげで 少しずつ明るい人生になっています」と。リアルな場所でファンに向けて歌うことは、緑仙の人生にとって絶対に必要不可欠。そのことを改めて実感できるライブだったと思う。
取材・文◎森朋之
©A/N
■ソロライブツアー<緑仙 2nd LIVE TOUR「緑一色(読み:みどりいっしょく)」>
11月02日(土) 福岡・電気ビルみらいホール
open17:00 / start18:00
11月10日(日) 東京・神田明神ホール
open17:00 / start18:00
11月16日(土) 宮城・仙台PIT
open17:00 / start18:00
出演:緑仙
▼チケット
●通常
・福岡(指定) / 東京(立見):¥9,000 (税込)
・仙台(立見):¥9,500 (税込/ドリンク代込)
●プレミアムチケット(数量限定)
特典:前方確約 / 終演後個別トーク / 2ショット撮影
・福岡(指定) / 東京(立見):¥17,600 (税込)
・仙台(立見):¥18,100 (税込 / ドリンク代込)
※未就学児全会場入場不可
【一般販売(先着)】
受付期間:9月14日(土)12:00〜
(問)https://ticket.faq.rakuten.net/s/ask
■生配信<緑仙 2nd LIVE TOUR『緑一色』>放送スケジュール
・直前放送:2024年11月2日(土)16:45~
視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv345949948
・ライブ本編:2024年11月2日(土)18:00~
視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv345924542
▼東京公演:神田明神ホール
・直前放送:2024年11月10日(日)16:45~
視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv345949984
・ライブ本編:2024年11月10日(日)18:00~
視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv345924595
▼仙台公演:仙台PIT
・直前放送:2024年11月16日(土)16:45~
視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv345950011
・ライブ本編:2024年11月16日(土)18:00~
視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv345924625
・全公演振り返り放送:2024年11月21日(木)19:00~
https://live.nicovideo.jp/watch/lv345964005
【ネット配信視聴チケット】
販売期間:10月10日(木)17:00~11月30日(土)23:59
・通常チケット:6,000円(税込)+サービス手数料264円(税込)
・グッズ付きネット配信視聴チケット:8,200円+サービス手数料361円
・3公演通し視聴チケット:15,000円+サービス手数料660円
・グッズ付き3公演通し視聴チケット:17,000円+サービス手数料748円
購入ページ:https://dwango-ticket.jp/project/idJCVjiKO5
特典:ライブパンフレット
公式サイト:https://www.nijisanji.jp/events/ryushen_2ndlive_tour/
■3rdミニアルバム『ゴチソウサマノススメ』
販売サイト:https://ryushen.lnk.to/gochisouWE
▲初回限定盤
▲通常盤
【初回限定盤(2CD)】
TYCT-69319/20 2,970円(税込)
▼DISC1 CD
01.カルカリナ
作曲・編曲:加藤冴人
作詞:緑仙
02.夜明けの詩
作曲・編曲:加藤冴人
作詞:緑仙・RUCCA
03.猫の手を貸すよ 作曲・編曲:加藤冴人
作詞:緑仙
04.all-last
作曲・編曲:eba
作詞:緑仙
05.君の好きなところ
作曲・編曲:eba
作詞:緑仙
06.終着駅から
作曲・編曲:加藤冴人
作詞:緑仙
▼DISC2 CD
01. 雨にキッスの花束を
02. タイム・トラベル
03. ブルーバード
▼封入特典
・緑仙 3rd MINI ALBUM『ゴチソウサマノススメ』“オンライン個別トークイベント”応募抽選券
【にじさんじオフィシャルストア限定有償特典付き初回限定盤】
4,620円(税込)
有償特典:カトラリーセット
【通常盤(CDのみ)】
TYCT-60238 2,200円(税込)
▼DISC1 CD
※初回限定盤同様
▼封入特典
・緑仙 3rd MINI ALBUM『ゴチソウサマノススメ』“オンライン個別トークイベント”応募抽選券
●店舗別購入者特典●
■にじさんじオフィシャルストア(2形態セット購入):複製コメント入りスクエアブロマイド
■UNIVERSAL MUSIC STORE
・2形態セット購入:紙製コースター
・単品購入:スマホサイズステッカー
■アニメイト(通販含む):缶バッジ(56mm)
■Amazon.co.jp:アクリルキーホルダー(50×50mm)
■楽天ブックス:A4クリアポスター
■HMV:L判ブロマイド
■タワーレコード:ホログラムカード
●共通特典:ポストカード1種●
▼対象店舗
・TSUTAYA
・ヴィレッジヴァンガード
・GAMERS
・とらのあな
・セブンネットショッピング
●応援店特典:告知ポスター●
※早期予約特典、CD ショップ別購入者特典、共通特典の対象店舗は対象外となります。購入希望店舗にご確認の上、お買い求めください。
◼<緑仙『ゴチソウサマノススメ』オンライン個別トークイベント>
・1部:13:00
・2部:15:00
※75名様、計150人様をご招待いたします。
※一人あたりの持ち時間は30秒を予定しています。
※30秒内にトーク以外に「Re:Meet LIVE(リミートライブ)」の機能を利用した2ショット撮影も実施頂けます。
応募期間:2024年11月12日(火)正午〜2024年12月15日(日)23:59
イベント内容:トークイベント
※Re:Meet LIVE(リミートライブ)のシステムを使用いたします。
応募方法:シリアルナンバー入りの参加応募抽選券は、初回限定盤(TYCT-69319/20)、通常盤(TYCT-60238)に封入されています。
当選発表:2024年12月23日(月)18:00頃までにご登録いただきましたメールアドレス宛にお送りさせて頂きます。
◼<緑仙『ゴチソウサマノススメ』アニメイト限定イベント>
2025年3月02日(日) 都内某所
2025年3月09日(日) 大阪某所
2025年3月15日(土) 仙台某所
イベント内容:トークイベント
シリアルコード申込み受付期間:2024年8月31日(土)~12月22日(日)23:59
対象:2ndミニアルバム『イタダキマスノススメ』初回限定盤/通常盤のいずれか1枚を全国のアニメイト店舗やアニメイト通販にて予約(全額内金)もしくは購入した方。
■<COUNTDOWN JAPAN 24/25>
会場:幕張メッセ国際展示場1〜11ホール/イベントホール
※28日(土)は国際展示場1〜11ホールのみ
※緑仙の出演は28日(土)
時間:
●28・29・30日:開場 9:30/開演 12:00/終演 20:40
●31日:開場 12:00/開演 14:40/終演 29:00
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