【速レポ】<中津川ソーラー>DAY2、うじきつよし with 辻コースケ「打ち合わせなし。練習しないほうがいいね」

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昨日の台風の影響で、昨夜から新幹線がストップするなどアーティストの移動に影響が出ている2日目。タイムテーブルにも変更があり、本来ならRESPECT STAGEのこの時間はリーガルリリーが登場予定だが、急遽、強力な代打としてうじきつよしとパーカッショニストの辻コースケによる、うじきつよしwith 辻コースケがステージに立った。<THE SOLAR BUDOKAN>にはおなじみのふたりであり、出演者であるのはもちろん、佐藤タイジとともに中津川の小学校でワークショップを行なったり、<THE SOLAR BUDOKAN>内での「こどもソーラーブドウカン」エリアを盛り上げたりと八面六臂の活躍でフェスを、音楽を盛り上げている面々である。

◆うじきつよし with 辻コースケ 画像


というふたりなのだが、気負うことなく観客の拍手に迎えられてゆるっと登場し、うじきはギターを手に取りジャカジャカと奏で「リーガルリリーでーす」と歌いだす。曲はRCサクセションの「ようこそ」だ。しかしその内容は即興性のある替え歌で、昨日の開催初日の雨に降られたこと、スタッフみんなの暑いパワーでそれを乗り切って、今日抜群のソーラー日和を迎えたこと、でも新幹線が動かずリーガルリリーが間に合わないこと、さっきプロデューサーの松葉くんが“どうしましょう”と言ってきたこと、と今このステージに立っている顛末をパワフルに、そして明るく歌い上げていく。まさにここから何が起こるのかがわからないスリルとワクワク感があって、観客も手拍子をしながら興奮気味だ。「打ち合わせなし。練習しないほうがいいね」(うじき)、「できたー!」(辻)と、まずはオープニングを終えて、顔をほころばせているふたりに観客は大きな拍手を送る。



「9月18日に65歳になったんですけど、これを円熟というのかいい加減というのか、出たとこ勝負というのか行き当たりばったりというのか。きっと、この才能なんだね、俺は。そんな幸せを目一杯感じさせてくれて、中津川ありがとう」とうじき。昨日はTAIJI at THE BONNETでRESPECT STAGEにギロで登場していたが「まさか今日、ちゃんと出れると思わなかった」と語る。そして、「自由」を歌い上げると、改めて佐藤タイジについて、この<THE SOLAR BUDOKAN>について話をした。


<THE SOLAR BUDOKAN>には2012年の武道館公演を観に行ったことにはじまり、「自分が出るというより、見届けなきゃいけないなと思って。でも吉川晃司が出てきたときにはたと気がつきましたね、これは観てる場合じゃない。出なきゃいけないって──そこから呼ばれてないのに、スケジュールが発表になったとき、自分でブッキングしてました」と語るうじき。辻は「そこからレギュラーですもんね」とこの10年を思い返すようにしみじみと応える。前述のように中津川では共にワークショップを開いていたふたりだけに、この2年それができなかったことは辛かったという。今年、こうして開催できた喜びを噛み締めつつ続いた曲は「たどり着いたらいつも雨降り」だ。「なんてこと歌うんだよ」と自分でツッコミつつも、歌詞を少し変えて“ああ ソーラーはやっぱり日本晴れ”と、快晴の今日にピッタリなフレーズで歌い奏でた。

また「先輩風吹かせて、無理やり呼んでやった」(うじき)と、この後OAUで登場するTOSHI-LOWを呼び込んだりと、急遽のステージながら盛りだくさんの内容だ。


「これ、リーガルリリー観に来た子たちはびっくりするよね、玉手箱開けたのかと思うよね」というTOSHI-LOWに、「ここまでジジイだとぐうの音も出ないよね」と答えるうじき。「人間って役割があると生き生きするよね。日本の高齢化社会にはこういう役割が大事なんだなって」(TOSHI-LOW)、「(観客の拍手に)この温かい拍手を、どう捉えていいのか」(うじき)と互いに言いたい放題なやりとりに、ふたりの関係性が透けて見える。その横で、優しい笑みと抜群の相づちを挟んでいる辻のリズム感もあいまって、テンポのいい漫談のようにもなっているが、TOSHI-LOWを交えた3人で送るのが、the LOW-ATUSの「サボテン」。







あたたかなタイコの音色に、柔らかなメロディとふたりの歌声が響く。午後の時間が、ゆったりと心地よく流れる。TOSHI-LOWは、「こういうユルいステージが、将来必要だよね。今はなくなっちゃったよね。こういう何も決まってない感じとか」と語っていたが、さまざまなアーティストが集まっているフェスだからこそ、こんなふうに急にセッションがあったり、ふらりと出て来て演奏をしたり、何気ない会話から素の部分が垣間見えたりするのもまた、楽しい。


そして最後は、シアターブルックの「もう一度世界を変えるのさ」を歌い、そのステージを終えた。約30分ほどと短いステージだったが、観客は終始笑顔でこの空間を楽しんだ。なんだか得した気分になれる時間だった。


取材・文◎吉羽さおり
撮影◎古川喜隆

【RESPECT STAGE】セットリスト

1. ようこそ
2. 自由
3. たどりついたらいつも雨降り
4. サボテン
5. もう一度世界を変えるのさ

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>

日程:2022年9月23日(金・祝) 、24日(土)、25日(日)
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ

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