【速レポ】<中津川ソーラー>DAY2、RED ORCA「2022年、ここからぶちあがっていこうぜ」
限られた持ち時間の中、代表曲の数々を並べ、盛り上げるフェスの王道を踏襲するだけじゃつまらないと考えたのか。それとも新曲がばんばん生まれている現在のバンドの絶好調を知らせたかったのか。いずれにせよ、初披露の新曲を2曲もセットリストに加えていたのだから、初めて立つ中津川のステージに臨むバンドの並々ならぬ意気込みが窺えるようだった(2020年同様、イレギュラーな開催となった昨年2021年、RED ORCAはZepp Hanedaで演奏した)。
◆RED ORCA 画像
RED ORCAはRIZE他で活躍する金子ノブアキ(Dr)が2019年に始めたロック・バンドだ。「ソーラーブドーカン! 全員でぶちあがっていこうぜ!」とオンステージすると、開口一番、観客を煽った来門をはじめ、それぞれにキャリアを持つミュージシャンが金子の下、顔を揃えた彼らは1曲目の「Crow from the sun」からエネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げ、歴戦のロック・アクトが並ぶ2日目のRevolution Stageに大きなインパクトを残したのだった。
意識していたのか、いなかったのか。1曲目のタイトルには思わずニヤリとせずにいられなかったが、その「Crow from the sun」は葛城京太郎(B)が作るぶっといグルーブに同道公祐(G)がヘヴィなリフの代わりにメロディアスなフレーズを加えるアンサンブルが、凡百のラウド・ロック・バンドとは一味違うセンスをアピール。「ルールなんてないから、好きなように踊っていい。ここはそういう現場!」と来門が言ってから演奏した「Beast Test」はドラムン・ベースのビートも鳴る異色のダンス・ロック・ナンバー。キーボードも演奏するマニピュレーター、草間敬が鳴らしたドラムン・ベースのリズムが観客を存分に踊らせたところで、来門は観客に語りかけた。
「この晴天、マジ最高じゃない!?天は我に味方せり、みたいな(笑)」
来門がゴキゲンだったのは、前日の大雨がウソだったように晴れたことはもちろん、自分達の演奏に対する観客の反応に手応えを感じていたからだろう。
後半戦も「この日のためにニュー・チューンを作りました。爽やかなナンバー」と来門が紹介したメロディック・パンク・ナンバー「Beyond the wind」、ハード・ロッキンなリフと葛城と同道が競い合うように弾いたソロが聴きどころだった「Octopus」、草間が奏でるオルガンの音色がホラー・テイストを醸し出したラップ・メタル・ナンバー「Grave digger man」と曲ごとに変化を付けた曲の数々を繋げ、観客を踊らせつづけた。
「こういうイベントがやれてよかったね。まだウイルスの問題はあるけど、そんなのはFuckって感じで。音楽ってそういう状況をポジティブに変えられると思うんだよね」
序盤、来門は観客に「音楽の力、信じている奴!?」と問いかけたが、来門が考える音楽の力とは、そういうことだったわけだ。
最後はメンバー全員で渾身の演奏を繰り広げ、「Night Hawk」で締めくくった。
「2022年、ここからぶちあがっていこうぜ!」この日のライブを見るかぎり、バンドは絶好調。来門の言葉にRED ORCAのこれからが大いに楽しみになった。
取材・文◎山口智男
撮影◎三浦麻旅子
【REVOLUTION STAGE】セットリスト
2.Orca Force
3.Beast Test
4.Phantom Skate
5.beyond the wind
6.Octpus
7.Shine will comeback
8.Grave gigger man
9.Shade Breaker
10.Night Hawk
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ
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