【レポート】「COREMANIA」第2弾、Dragon Ash×Creepy Nuts「これはもう、日本の音楽シーンにとっても、大きな意味を持つセッションではないだろうか」
10-FEETとSUPER BEAVERに続いて第二弾はDragon AshとCreepy Nutsが登場した“対バン型ミュージックリアリティショー”「COREMANIA」。台本や司会者は用意されておらず、演奏のタイミングなどは両者がトークを重ねながらその場で決めていく本企画。演奏楽曲も対バン相手やその場の雰囲気、流れに合わせてセレクトされ、ここでしか見られないコラボレーションや、互いの音楽的ルーツを掘り下げるトークなど、今回はどんな“バトル”が繰り広げられたのか、早速レポートしていこう。
◆「COREMANIA」第2弾 関連動画&画像
■ジャンルを超えた冒険者同士のガチ対バン
■VRかと思った。360度Dragon Ash(DJ松永)
「こういう形の対バンは超レアなんで、お互い楽しんでやりましょう」。
Dragon AshのKjとドラムの櫻井誠、Creepy NutsのR-指定とDJ松永の4人による軽いトークの後、先攻のDragon Ashの演奏が始まると同時に、Kjが言う。さまざまなジャンルを貪欲に飲み込み進化し続けるロックバンド、Dragon Ash。ヒップホップを極めながらジャンルレスなフィールドに挑み続ける、Creepy Nuts。切磋琢磨する場も互いの武器も異なる両者だが、共に自分たちの道を追求しながら、ジャンルやシーンの壁を超えた冒険を続ける音楽シーンのイノベーター同士。フェスのバックヤードなどで知り合っていたところから、2021年末、Dragon Ash主催の対バン・ツアー<UNITED FRONT 2021>の最終日で両者は初の対バンを実現。その真剣勝負はどちらのファンも大いに熱狂させた。
そんなDragon AshとCreepy Nutsが、互いの音楽観や経験談をざっくばらんに話し、超至近距離で互いの演奏を交互に披露する今回の『COREMANIA』。舞台となるのは、バーカウンターやソファーのある、リビングルーム風の空間。そんなアットホームな空気も奏を功したのか、トークタイムではミュージシャン同士の本音や、レアな経験談が次々と飛び出す。トーク後、自然に始まる演奏場面では、ギターのHIROKIやサポートベースのT$UYO$HI、ギターを弾きながら歌うKjはソファに座りながら……というアンプラグド風なスタイル。にも関わらず、Dragon Ashが歌い奏でたのは、「現場」感炸裂のアッパーなバンドサウンド!肩でも組めそうな超至近距離で体感するその迫力に思わず、「VRで見てるんのかなと思った、俺。360度Dragon Ash(笑)」と、DJ松永が楽しそうに話す。そして、「ベースの指の動きってDJがクロスフェーダーをいじる動きと完全に一緒ですよね」と続ける松永。当のT$UYO$HIも彼の視線に気づいていたらしい。音楽家同士らしい視点を垣間見られるのもまた、この距離感で楽しむ対バン企画だからこその面白さだろう。対するCreepy Nutsも、そのゴリゴリのマイクパフォーマンスと見事なDJプレイをぶちかまし、目の前でそのビートを楽しむ強者バンドを圧倒。思わずKjが「ほんと、(ターンテーブルは)楽器だよね!」と感嘆の声をあげる。
■遠回りを経て今ここで一緒に演れること(R-指定)
■いつかお客さんの前でやりたいね(Kj)
演奏直後の高揚感も手伝い、互いの本音も飛び出す対談中、とくに印象的だったのが、「DJを始めた時点で楽器を演奏する人に対してコンプレックスがあった」というDJ松永の発言だった。巧みなテクニックと優れたセンスで、DJ界の頂点を勝ち取った世界チャンピオンである彼と、日本のヒップホップ界の最先端を牽引するラッパー、R-指定。もしかするとこのコンプレックスこそが、ヒップホップ~ビートミュージック界の王者である彼らが、ジャンルを超えた挑戦を続ける最大の理由なのかもしれない。
対するDragon Ashもまた、ジャンルを超えたハイブリッドな進化と挑戦を続けているバンドだ。バンドの中にDJやダンサーがいるスタイルをお茶の間レベルに広めたり、さまざまな才能を次々とフィーチャリングしたり、異ジャンルのアーティストが競演するイベント『Total Music Communication』を主宰したり。共にシーンの異端児として突き進んできた両者の道が、今ここで交わり合ったことの感慨をR-指定が語る。
「日本のヒップホップの中でやりながら、フェスやロックバンドと対バンするということをやってきて……Dragon Ashとは始まりの時点で交わり合ってもおかしくなかったけど、遠回りというか、自分たちの道を歩いてきた上で今ここで一緒に演れる機会をもらえたことがありがたいですね」。
Creepyの楽曲をさりげなくジャムるDragonの演奏をバックにトーク……という贅沢かつ超レアな場面も飛び出した今回の企画の中でも、やはり最高の目玉は、Creepy Nutsのあの名曲を両者のセッションで披露した演奏シーンだ。ギターの美しい音が始まりを告げると、DJ BOTSからDJ松永へとスクラッチのバトンを渡し合い……最初にマイクを持ったのはKjだ。ジャジーシックなバンドサウンドが鳴り響く中、KjとR-指定がマイクパスを行い、DJ BOTSとDJ松永がスクラッチ対決を繰り広げる。これはもう、日本の音楽シーンにとっても、大きな意味を持つセッションではないだろうか。演奏直後、全員から「楽しい!」という声が上がる。「家宝にするよこの音源は、マジで」というDJ松永の言葉を受け、Kjが続ける。「いつかお客さんの前でやりたいね。やりましょう!」
セッション終了後は、音楽シーンの「台風の目」として日本中の注目を集めた時期のDragon Ashのこと、互いの音楽観や苦悩、これからのビジョンなど、KjとR-指定が2人きりで語り合う貴重なトークシーンも披露。現場で鍛え上げてきた両者にとっては、オーディエンスが目の前にいる「ライブ」こそが最高の表現の場であることは間違いない。しかし、ライブ後のバックステージや打ち上げの場で交わされる音楽家同士の本音を、こんな風に多くの人が目撃出来る機会が生まれたのは、コロナ禍という遠回りを経て、「自分たちの道を進んできた今ここ」だからこそ。道なき道を進み続けるDragon AshとCreepy Nuts。近い未来、その真剣勝負のセッションを直に体感出来る日がきっと来ると信じている。
文・早川加奈子
『COREMANIA EPISODE #02「Dragon Ash×Creepy Nuts」』
視聴チケット価格:¥1,980(税込)
視聴チケット販売期間:2022年1月14日(金)11:00〜3月26日(土)23:00
URL:https://coremania.tokyo/events/deTYwrSC7syDrtq
※チケットぴあではコンビニ払いも可能
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2299607
番組を視聴するためには「COREMANIA App」のダウンロードが必要です。(一部PCブラウザでも視聴可能)
※COREMANIA公式サイトにて作成したアカウントでアプリにログインしてください。
App Store:https://apps.apple.com/jp/app/coremania/id1593966244
Google Play ストア:https://play.google.com/store/apps/details?id=tokyo.coremania.android
『COREMANIA EPISODE #03「奥田民生×BiSH」』
チケット販売:https://coremania.tokyo/events/deTYEydZWjzUBJd
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