【ライヴレポート】Psycho le Cému、2年越しの地元・姫路公演で「めっちゃ幸せや」

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Psycho le Cémuが8月14日、姫路市文化センター大ホールにて<Psycho le Cému 理想郷旅行Z ~二十年後の僕たちへ…~>の振替公演を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆Psycho le Cému 画像

一昨年、結成20周年を迎えた彼らは、故郷である姫路で20周年記念凱旋ライヴを予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響のため延期。翌年、場所をLINE CUBE SHIBUYAへ移しての実施を決断したものの、それも緊急事態宣言発出のため見送りとなった。コロナの影響で様々なスケジュール変更を余儀なくされたアーティストと同様、苦渋の決断を迫られることが続いていたが、Psycho le Cémuは、それでも諦めなかった。そして彼らがたどり着いたのが、8月14日の姫路市文化センター大ホール公演だ。感染防止対策をしたうえで有観客に加え、配信でのライヴを行うことを決めた。




本来5月3日の結成記念日に開催される予定だった<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕たちへ・・・〜>だが、前述したとおりやむなく二度延期となり、姫路最大キャパの姫路市文化センターは今年閉館することが決定。そして行われた<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕たちへ・・・〜>は、第14帝國の楠元柊生元帥による脚本と演出によるお芝居と演奏を織り交ぜた彼らならではのものであり、2年越しの公演をPsycho le Cému流の内容にして、大舞台で実現することで、故郷に錦を飾った。

開演時間を迎えると、ステージに登場したメンバーによるお芝居が静かにスタート。適度な緊張感を漂わせながらも、堂々としたパフォーマンスが繰り広げられる。そしてライヴの一曲目はメンバー全員がダンスを披露するナンバー「BLADE DANCE」だ。真剣にお芝居を見つめていた観客も、両腕につけたサイリウムを光らせながら、その場で踊り出す。オリエンタルムードのイントロに続いて「激愛メリーゴーランド」へ。「来たで、来たで。サイコが姫路に帰って来たで」と、YURAサマがとびきりの笑顔を振り撒き、LidaとAYAはイキイキとした表情でプレイ、seekは全身に気合いがみなぎり、DAISHIの歌声は今日も絶好調だ。5人の表情からは既にライヴの成功が約束されていたようだ。






「親愛なるキミたちへ贈ります」というDAISHIの言葉から始まったのは、「愛の唄」。伸びやかなメロディにストレートな歌詞を乗せて歌い上げるDAISHI。心に真っ直ぐ飛び込んでくる歌は彼らの魅力のひとつだ。一転、DAISHIが「抱かれる覚悟で来たか!? 頭振れ!」と挑発すると、「インドラの矢」が始まり、怪しげな空気が忍び寄る。そのままロックバンドならではのサウンドで「ノスフェラトゥ」へなだれ込んだかと思えば、続く「one day」ではラップを交えた軽快なノリに観客も一緒にジャンプ。会場に熱気が満ちたところで、おなじみのギターフレーズからスタートした「クロノス」では、ドラマチックに歌い上げるDAISHIの表情が切なく、エモーショナルな歌声が場内に響き渡った。ライヴ前半から、バラエティ豊かな楽曲の数々に音楽的懐の深さも感じさせる。

次のコーナーでは、ドラマチックで感動的なお芝居が待っていた。理想郷の扉を開くために、なぜかお笑いのネタを競うメンバー5人。そこへ流れ出したのは、子どもの声によるナレーションだ。南の洞窟へ行くと未来の自分に会えるのだという。少年期のLidaについて話すこの声は、子ども時代のDAISHIのもののようだ。そして現在のDAISHIの前に、子ども時代のDAISHIが登場。20年後の自分、20年前の自分に会う二人の姿は、現実ではありえない。しかし、誰もが一度は空想することかもしれない。




「理想郷へ行けた? Lidaとずっと一緒にいる?」と無邪気に尋ねる少年時代のDAISHIに、「あいつのおらん人生は考えられへん」と答える現在のDAISHI。20年以上におよぶPsycho le Cémuとしての歳月、幼馴染のふたりが過ごしてきたそれまでの歳月。そんな現実を重ね合わせると、台詞ひとつひとつにリアルが溢れ出す。「AYA、seek、YURAサマという仲間と冒険する」という未来を聞いて、大喜びする子ども時代のDAISHI。DAISHIの人生と、Psycho le Cémuの歴史、それらが綴られたストーリーは20周年ライヴに相応しく、ファンタジーすら超えて壮大でリアルなものだ。

続く『想い出歩記』では、子ども時代のDAISHIが愛くるしく各メンバーのもとを歩き、プレイを真似てみせるなど、お互いに笑顔を交わす。どれだけ望んでも子ども時代に戻ることはできない。そんな美しくも切ない気持ちが音楽とパフォーマンスで表現された素晴らしいシーンだった。「大人になるのって楽しい? 幸せ?」と少年時代のDAISHIが現在のDAISHIに問いかけた。DAISHIは答える。「めっちゃ幸せや。同じ場所、時代に生まれてきてくれてありがとう」と。それはDAISHIから4人のメンバーへ、会場や配信でライヴを観ている全国のファンへの思いにほかならない。





ここからは、DAISHIと魔王、みんなでの殺陣が繰り広げられるなど、Psycho le Cémuらしい派手で賑々しい演出へ。DAISHIによるエクスカリバーの一撃で魔王を倒し、ついに理想郷の扉が開いた。メンバーはこれからも笑顔で闘い続けることを誓い、「ファイティング!」が始まった。リラックスした笑顔を浮かべたメンバー5人は、お芝居を締めくくった。

AYAのMCを皮切りに、いよいよ終盤戦だ。「あきらめないDAYS」が希望の光に包まれて始まる。決して投げ出さない決意を歌ったこの曲は、困難を超えて前へ進む彼らそのもの。「STAR TRAIN」でメンバーと会場の笑顔がはじけ、どこまでも明るく輝いた。「そろそろひとつになろうか!? 姫路! トバしていくぞ!」というDAISHIの声から、「妄想グラフィティー」へ。全力を出し切ろうとするメンバーは、時折客席に力強い眼差しを送り、激しいシャウトやヘドバンを繰り返す荒々しいステージに、声は出せなくても観客が全身で応える。






本編最後は「聖~excalibur~剣」だった。掲げられた多くの手がライヴの成功と、Psycho le Cémuの歩みを祝福しているようだ。「お前ら、愛してるぞー」というDAISHIの叫びが、観客の声なき声を受け止めていた。演奏とお芝居、見応え聴き応えたっぷりのライヴがここで終了。おなじみYURAサマの「ロケットバイビー」で本編の幕を下ろした。

アンコールは、“♪白鷺城下町を旅立ち今~”という歌詞がこの場に相応しい「夢風車」から。続くメンバーひとりひとりが想いを語るシーンでは涙に声を詰まらせるシーンもあった。





「支えてくれた人に大きな拍手を」と感謝を告げたLida。「この5人でサイコができてよかった」と誘ってくれたDAISHIに感謝を告げたseek。YURAサマは「最高のライヴをして、やりたいことが増えました」と未来への展望を語った。DAISHIはコロナのために客席を埋めることはできなかったけれど「今までで一番の景色でした」と断言。そしてAYAは、「いい音楽、いいライヴをつくって、恩返しをしていきたい」と気持ちを新たにした。

恒例ロケットジャンプの後は、「あきらめないDAYS」がSEとして場内に流れる中、無邪気にはしゃぐメンバーの笑顔。その輝きは観ているこちらまで幸せになるほど。それぞれが満足そうにステージを去っていく中、最後にLidaが深々と頭を下げてステージを後にした。誰もいないステージ。ここですべてのライヴが終了したかと思ったところに流れ出したのは、新曲「アカツキ」だ。“♪さぁ 取り戻せ 僕らの世界を”という歌詞から始まるこの楽曲は、未来への強い意志の現れだ。そして、10月2日のデビュー記念日にZepp Tokyoで<理想郷旅行Z ~ENCORE~ in Zepp Tokyo>を開催すること、その後に全国ツアーを開催することが発表となった。


■<理想郷旅行Z ~ENCORE~ in Zepp Tokyo>

10月02日(土) Zepp Tokyo
open16:15 / start17:00
▼チケット
全席指定:¥8,800-(税込)

■<全国ツアー2021 勇者物語〜聖剣を探す嘘つき少年〜>

10月23日(土) 広島セカンドクラッチ
open17:30 / start18:00
10月24日(日) 神戸VARIT.
open17:30 / start18:00
10月31日(日) 名古屋ELL
open17:30 / start18:00 ※SOLDOUT
11月04日(木) 札幌cube garden
open17:30 / start18:00
11月05日(金) 札幌cube garden
open17:30 / start18:00

■<全国ツアー2021 勇者物語〜愛を唄えない青年〜>

11月07日(日) 仙台CLUB JUNK BOX
open17:30 / start18:00 ※SOLDOUT
11月13日(土) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
open17:30 / start18:00
11月14日(日) 金沢AZ
open17:30 / start18:00
11月20日(土) ESAKA MUSE
open17:30 / start18:00
11月21日(日) 松山サロンキティ
open17:30 / start18:00
11月23日(火祝) 福岡DRUM Be-1
open17:30 / start18:00

■<全国ツアー2021 勇者物語〜幻想曲に選ばれた勇者〜>

11月28日(日) 浜松窓枠
open17:30 / start18:00 ※SOLDOUT
12月04日(土) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
open17:30 / start18:00
12月05日(日) 柏PALOOZA
open17:30 / start18:00 ※SOLDOUT
12月11日(土) HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
open17:30 / start18:00 ※SOLDOUT
12月17日(金) Veats Shibuya
open17:30 / start18:00
12月18日(土) Veats Shibuya
open16:30 / start17:00 ※SOLDOUT
▼チケット
全席指定:¥8,800-(税込)

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