【ライブレポート】THE BACK HORN、<KYO-MEIストリングスツアー>が明らかにした特性

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6月11日、Zepp Haneda(TOKYO)でTHE BACK HORNの<「KYO-MEIストリングスツアー」feat.リヴスコール>のツアーファイナルが行われた。

◆THE BACK HORN 画像

まず<ストリングス>という部分。過去には2008年の初武道館での本編ラスト、2015年渋公でのライブ、2016年のツアーなど、様々な形で弦楽器を迎えてきた彼ら。今回は5年ぶりのトライとなる。今回も4人編成のストリングスのみならずキーボーディストも迎えての布陣だ。

それから<feat.リヴスコール>。『リヴスコール』は東日本大震災を受けて2012年にリリースされたアルバム。震災から10年目の今年にもう一度その世界を、ということか。折しも今はコロナという新たな災厄の渦中。そのこともこの作品を中心に据えた理由なのかもしれない。


さて、この日の公演が行われたZepp Haneda(TOKYO)は昨年オープンしたばかりの会場。羽田空港隣接という希なロケーションだ。場内に入ると全曲英語で歌う10代の女性シンガーDoulが流れている。そしてローディーがサウンドチェックで鳴らした栄純のギターには今までにない音色が組み込まれていた。そんなこんなで色んな新しさを感じながら開演を待った。

やがて始まったライブ。そこにはよりメンバー感を増したストリングスがフィルターとなり、THE BACK HORNの楽曲の特性を明らかにする、というおもしろさがあった。





まずはアルバム『リヴスコール』と同じ曲順の1〜2曲目だ。“たった一つの約束も守れないまま青い空 千年経ってもう一度会いに行けたらいいのにな”と歌われる「トロイメライ」の、震災もコロナも想起できる詞。そこにストリングスは原曲にも入っていたかのようにハマっていた。対して「シリウス」はバンドアレンジの時点で曲としてシンフォニック。ゆえに「トロイメライ」とは別の意味でストリングスとの親和性が高かった。

そのストリングスが退出して従来の編成に戻るブロックでも、いつもとは違う観点が芽生えた。例えば初期の作品「ジョーカー」。将司が歌詞に操られた人形のようにギクシャクと動きまわる演劇的ナンバーゆえ、どこからかストリングスやキーボードが聴こえているような錯覚がある。また「夢の花」はキーボードは入れるけどストリングスは入れないんだ?という意外性も感じた。



今回の編成の威力がMAXに感じられたのは本編のラストだ。まずストリングスでイントロダクションが演奏されたのちに始まった「戦う君よ」。激情にかられたこの曲で、その感情をさらにヒートアップさせる要素としてストリングスの導入は熱い弾き方ともども実に効果的だった。そのあとで将司がMCした。電車で会場に向かっていたらTHE BACK HORNのTシャツを着たファンたちが前を歩いていた。声をかけるのも違うと思って、感謝しながらあとをついていったという話を。染み入るような口調で語ったそのストーリーから“何処へ行ってもまた此処に帰るだろう”と結ぶ「世界中に花束を」へ。計9人のメンバーによる演奏はこの大団円にふさわしい大きさだった。

なお、このツアーはまだ6月27日のZepp Nambaでの振替公演が残っている。ゆえにステージの様子はストリングスの部分だけに焦点をしぼって紹介させていただいた。また今回は配信ライブのアーカイブもおすすめだ。会場に足を運べなかった人はもちろんのこと、様々なアングルから高音質で楽しめるので新たな発見もある。さらに昨年行われた二つの配信ライブの模様を収めた『KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL 2020』も発売中だ。


取材・文◎今津甲
撮影◎Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER)

■<THE BACK HORN「KYO-MEIストリングスツアー」feat.リヴスコール>

5月12日(水) 東京・Zepp DiverCity
open17:30 / start18:30
5月15日(土) 北海道・Zepp Sapporo
open17:00 / start18:00
5月23日(日) 福岡・Zepp Fukuoka
open16:00 / start17:00
5月28日(金) 愛知・Zepp Nagoya
open17:30 / start18:30
6月05日(土) 宮城・仙台GIGS
open17:00 / start18:00
6月11日(金) 東京・Zepp Haneda
open17:30 / start18:30
6月27日(日) 大阪・Zepp Namba
※5月21日の振替公演※詳細後日

■ライブ配信<2021年6月11日(金)@Zepp Haneda(TOKYO)公演>
アーカイブ期間:6月14日(月)18:00〜6月20日(日)23:59
▼配信チケット
¥3,500
販売期間:6/20(日) 21:00まで
https://tixplus.jp/feature/thebackhorn_2106/


■Live Blu-ray『KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL 2020』

2021年5月12日(水)発売
※プレイパスコード付き
【スペシャルパッケージ】NZS-839 ¥7,500 + 税 ※VICTOR ONLINE STORE/SPEEDSTAR CLUB/銀河遊牧民オンラインショップ 限定商品
※LPサイズ特殊ジャケット仕様 / LPサイズポストカード(計7枚) / スペシャルデザインのハンカチチーフを同梱
※2020年にライブ映像13作品をYouTubeでプレミア公開した『「KYO-MEI MOVIE TOUR」-2004〜2019-』の中からメンバーが厳選したライブテイクを初のBlu-ray映像化にて追加収録 (約60min)
【通常盤】VIXL-340 ¥5,500 + 税
■収録内容 ※TOTAL 27曲・約142min■
▼『KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL』-2020- スタジオ編 (2020.8.2 at VICTOR STUDIO 301st)
01. 冬のミルク
02. グローリア
03. 太陽の花
04. 罠
05. 心臓が止まるまでは
06. 悪人
07. 幸福な亡骸
08. 空、星、海の夜
09. 瑠璃色のキャンバス
10. コバルトブルー
11. シンフォニア
12. 刃
※約63min
▼『KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL』-2020- ライブハウス編 (2020.9.6 at Veats Shibuya)
01. その先へ
02. Running Away
03. シンフォニア
04. 白夜
05. 暗闇でダンスを
06. がんじがらめ
07. ジョーカー
08. ガーデン
09. ヘッドフォンチルドレン
10. 泣いている人
11. 瑠璃色のキャンバス
12. ハナレバナレ
13. 戦う君よ
14. コバルトブルー
15. 無限の荒野
※約78min



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