【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY4、ROTH BART BARON「目の前のやれることをやりましょう」
熱演が続く<THE SOLAR BUDOKAN 2020>最終日。3番手として猪苗代野外音楽堂よりパフォーマンスを届けてくれたのはROTH BART BARONだ。画面にステージが映し出されると、そこには準備万端のメンバーたちが。「じゃあ、いきましょう」という三船雅也の言葉を合図に、「Skiffle Song」を奏で始める。
◆ROTH BART BARON 画像
ギブソンSJ-200を誇らしげにストロークする三船。ドラム、パーカッション、キーボード、ギター、ホーン……陽の落ちかけた曇天を幽玄なバックドロップに変え、バンド編成でどデカイ音像を届ける。特に低音の太さと高音の煌めきは、太陽光発電ならではの音質だ。“瞬きするたび 僕らは形を 形をまた変えてゆく”──良質な歌は時代や環境の違いによって聴こえ方が変わるだけのキャパシティを備えているものだが、この歌詞は、“FUTURE CHILDREN”を旗印に掲げたこの舞台にピタリとハマっていた。
「小さな巨人」「HEX」と、空間やサウンドに浸りながら心地好い演奏を披露していく。いわゆるインディーフォークと呼ばれる彼らのような音楽において、国内のリスナー地盤はまだまだ発展途上だ。しかし、この素晴らしいアーティストにしっかりと光が当たるのも、<THE SOLAR BUDOKAN>の功績のひとつだと言えよう。
「今日は特別なゲストをお呼びしています」と迎えられたのは荒井岳史(the band apart)だ。そして「荒井さんが大好きなジョン・メイヤーの曲をやろうと思います」と、「Waiting On the World to Change」へ。ストラトを手に歌い上げ、ソロもかき鳴らす荒井はまるでオモチャで無邪気に遊ぶ子供のようだった。
「続いてのゲストをお招きしたいと思います。僕たちをここに呼んだ張本人、佐藤タイジです!」。本フェスで各ステージに顔を出している“太陽の人”、いったい体がいくつあるのだろう(笑)、と疑いたくなるハッスルぶり。ともに鳴らす曲はボン・イヴェールの「Hey, Ma」と、ROTH BART BARONの「化け物山と合唱団」だ。スライド&ボリューム奏法、持ち前のブルージーなフレージング、ディレイトリックなど、曲を彩るという体で顔でも奔放に弾きまくるタイジ。ニール・ヤングとクレイジー・ホースばりの爆音セッションであった。
客演パートを経て、「いや、楽しい」と充実したステージを噛みしめる三船。その後も「NEVER FORGET」、ライブ初披露となる「極彩 | I G L (S)」と、チルい快演を届けていく。「一緒に集まることが一生できないかもしれないなか、こうやって演奏できるのは貴重だなって。やらないって決めるのは簡単だけど、すげえ励まされました。猪苗代の街はお米がワーッと生えててさ。農家のおじさんががんばってんのに、俺らが音楽をやめる理由はひとつもないんですよ。目の前のやれることをやりましょう」と、モニターの向こう側へ語りかける。そして「けもののなまえ」にて締めくくり。まさに「極彩 | I G L (S)」で歌われた、“極彩色の心で見る祝祭”のようなアクトとなった。
取材・文◎秋摩竜太郎
撮影◎柴田恵理
【ROTH BART BARON@猪苗代野外音楽堂 セットリスト】
02. 小さな巨人
03. HEX
04. Waiting On the World to Change with 荒井岳史(the band apart)
05. Hey, Ma with 佐藤タイジ
06. 化け物山と合唱団 with 佐藤タイジ
07. NEVER FORGET
08. 極彩 | I G L (S)
09. けもののなまえ
【配信第二週目タイムテーブル】
■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定
【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/sf/live/festival/ntsb
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