【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY2、The SunPaulo「どんな時代であっても音楽とパーティは人類に必要」

ポスト

ROVOに続いては、中津川公園内特設ステージから生配信となる佐藤タイジ(Vo. G)と森俊之(Key)によるエレクトロユニットThe SunPauloの登場だ。白い衣装にエキゾチックなマスク姿のふたりが現れると、この緑豊かな公園と山並みにマジカルなフィルターがかかって、桃源郷の景色となっていく感覚だ。

◆The SunPaulo 画像

そしてその景色を華やかに彩っていくように、「One People」から豊かなダンスビートを奏でていく。ミニマムな打ち込みのビートにのせ、森が流麗な鍵盤を響かせると、佐藤タイジのボーカルも柔らかくエフェクティヴに響き、ひとつの音色としてアンサンブルに混じり合っていく。実に気持ちのいい始まりだ。




そこから、ドクドクとした心拍のようなビートが鳴りわたり、「Release The Floor」になだれ込む。ギターと鍵盤で細やかなフレーズを編み上げていって、ついには大気圏をも突破するような勢いで、そのアンサンブルが大きくうねりを帯びていく高揚感は画面越しでもたまらなくスリリング! その場にいられないことは本当に残念ではあるが、きっと部屋をダンスフロアに(誰の目も気にせず)自由に身体を動かしている人も多いのではないだろうか。“解放せよ”──佐藤タイジから放たれるフレーズを合図に、そのサウンドは興奮の濃度をあげていった。

中盤からはエレクトロなビートに加え、沼澤尚(Dr)を迎えてリズムのパワーを増幅させた。「We Love Party」で佐藤タイジは、「<THE SOLAR BUDOKAN 2020>、人類初の、ソーラーでのオンライン」と高らかに叫び、軽やかにラップ調の歌でグルーヴを加速させ、また饒舌なギタープレイでも魅せる。ステージ周りの温度が何度か上がっているんじゃないだろうか。しかしまだ、パーティは続く。



「Elektro New Wave」では、「お茶の間でご覧のみなさま、The SunPauloは、完璧なパーティバンドです。パーティは、人類に必要なのだ!」とステートメントを述べ、曲中にも「どんな時代であっても、音楽とパーティは人類に必要なのだ!」と、その快音をどこまでも届けようとする。

実際は、こうしたダンスミュージックこそ生のステージで、振動を肌でダイレクトに浴びながら五感を開放していくのが最高なんだろう。現在は、演者にも観客にも制限はある。しかし、今できる最大限を臆せずにやること、この先も見据えながらチャレンジすることは、現在と未来との最高の希望になるはずだ。この中津川で鳴らされる音や各会場から参加したバンドの音には、その確かな意志が詰まっていることが伝わる。




後半はさらにメンバーが加わり、シアターブルックにも参加しているセネガルのパーカッション奏者オマー・ゲンデファル (アフロ・ベゲ)が、サウンドに心地よいアクセントをつけた。もくもくとスモークが焚かれた演出による「Turn on, Tune in」では、白く霞んだステージを太陽が照らして、まばゆく幻想的なムード。ドラムビートとジャンベ、ギターによるポリリズム的なアンサンブルが、さらなる桃源郷の奥地へと連れて行く感覚だ。

ちょうど夕方に差し掛かり、ラスト「Close to you」では山の間にゆっくりと沈んでいく太陽が、演奏の最高のエフェクターとなって、甘美なドラマを生み出していった。4人もまたその景色のグラデーションを感じ取っているのだろう、テンションを上げていくオマーのソロに、佐藤タイジが感情の赴くままに身体を動かして、オマーの笑いをも誘う。その勢いでギターの咆哮を響かせ、圧巻のアンサンブルを織り成し、「やばい、夕日が最高に美しいです。サンキュー、メルシー、中津川」と極上の笑顔でステージを締めくくった。すべてひっくるめて、最高の景色を見せてもらった、The SunPauloのステージだった。


取材・文◎吉羽さおり
撮影◎古川喜隆

【The SunPaulo@中津川公園内特設ステージ セットリスト】

01. One People
02. Release The Floor
03. We Love Party
04. Elektro New Wave
05. Turn on, Tune in
06. Close to you

【配信第一週目タイムテーブル】

■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>

▼DAY1
9月26日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:シアターブルック / a flood of circle / 怒髪天 / 奥田民生 / 田島貴男 (ORIGINAL LOVE) / PUSHIM with HOME GROWN / 小坂忠 with SOLAR JAM (佐藤タイジ・KenKen・Dr.kyOn・沼澤尚) / NOTHING BUT THE FUNK (US)
▼DAY2
9月27日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:ACIDMAN / the band apart / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / 武藤昭平with ウエノコウジ / Nothing’s Carved In Stone / ROVO / The Sunpaulo / Cian Ciaran from Super Furry Animals (UK)
▼DAY3
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定

【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/tsb20-st/


この記事をポスト

この記事の関連情報