【ライブレポート】猫曼珠-nekomanju-、荒ぶる猫たちが轟かせる音

ポスト

2019年4月17日、TSUTAYA O-WESTで開催された<猫曼珠-nekomanju-東名阪Tour“開花宣線”>ツアーファイナル。平日にも関わらず男女ともにフロワーにあふれる人。この日を待っていた人は多いだろう。2018年12月25日に発表され、2019年2月2日に初めてステージにたった4人。彼らは猫曼珠。新人バンドだ。しかし、音楽に対する思いとそれを表現する技術は、新人ではない。バンド活動をしながら、また、一度活動にラインをひいた者たちが、奇跡的に集まった。4名は、Vo.コータ(ex.快進のICHIGEKI)、Gt.Cazqui(ex.NOCTURNAL BLOODLUST)、Ba.シンゴスター(SEX MACHINEGUNS, ザ☆メンテナンス)、Dr.FUMIYA(GALNERYUS, Unlucky Morpheus)だ。それぞれを知っていても、この4名がステージに並ぶことを想像した人は少ないだろう。



メロディアスなSEで暗転となり、カウントからの衝撃音。幕は突然に開いた。2月に発表された「ドグマティック開花」。“エントランス”や“Are you ready?”や“Wake up”というワード歌う曲は、まさに始まりを歌う。彼らの本気のスタートを飾る。続く「ROMAN&PUNK」は、恋愛の歌。ロマンとパンク。まるで正反対のようで、どちらも異次元。そう感じる曲だ。激しさは止まらない。

フロアーからの声がやまないなか、MCへ。「こんにちは。猫曼珠です」と挨拶し、超短期間で作り上げたバンドであること。新人であること。1分1秒が惜しいことを伝える。そして、「新人だからってなめんじゃない」という言葉で「HAYABUSA」へ。今の東京を彼ららしく表現した「アダルティックTOKYOサイエンス」。

SEでの破裂音。「flashback」はPOPさを持ちつつ、過去と今を歌う。8曲目でコータが捌け、ニャーオという猫の声で、ドラムのFUMIYAが照明を浴びプレイ。その後、ベース、ギターとともにセッション。時に会話をするように、未来を語るように。自由自在でありながら、聴き手の気持ちを心地よくハイにしてくれる。

コータが戻り、このセッションは即興だと伝える。即興曲のタイトルは、「猫フード」。今回のツアー初日の大阪で、客席の男性にタイトルと決めてもらったとのこと。MCでマイクがハウったのは、眠ったはずの猫が目覚めたからだろうか? さすが猫曼珠。


メンバー紹介へ。FUMIYAは、4人集まって良い音楽をやる。いいと思ったら来てください、と。太陽的存在シンゴスターは、メタルやポップス、ジャンルはいろいろあるけど、それぞれ好きなジャンルあると思う。だからこのバンドはジャンルを決めたくない。僕たちはバンドです、と。猫曼珠の頭脳と感性Cazquiは、初めて聴く曲ばかりなのに、こんなに集まってくれたことに感謝し、喜怒哀楽に満ちた創ることを話す。コータは、騒いでくれてありがとう。そして、根拠のない自信をもって帰ってほしいと、一人でも猫曼珠はいけるという根拠ない確信をもってくれたら嬉しい。自分がやりたいことは音楽だった。それを信じて再スタートを切ることができた、と。

フロワーは、あうんの呼吸のように、手を振り上げ、頭を振り、体を揺らす。初めて聴く曲とは思えないこの一体感は、フロワーに集まった人たちに共通する何かがあるのだろう。あるゆる感情を昇華させるようだ。

本編ラストは「ハイにナルマデ」。highなのか灰なのか、字面で悩んだが、どっちもありの「灰になるまで」と理解。音楽が創る異空間を体感したライブとなった。


アンコールの合間に、ニャーをはさむコールでフロワーは収まらない。アンコールをやらせてもらえることに感謝し、6月21日の2マンライブの発表。12月25日のワンマンライブの発表。そして「好きじゃないけれど」、と前置きし、物販の告知。猫曼珠は、再販しないグッズが増える。レアになるものも多いかもしれない。ちなみに2月2日の会場限定CDはすでに完売している。

「虹色桜」。若い恋の思い出だろうか? 虹色の桜が狂い咲く。君との約束が消える。切ない歌詞が、耳に入ってくる。優しい曲から、本気のラストへ。今後大切な曲になっていく「ドグマティック開花」と「ハイにナルマデ」。ノンジャンルバンドをステージで表現し、メタル・ハードコア・ラウドロック・シューゲイザー・ジャズ・エレクトロニカすべてありの、“ジャンル=猫曼珠”であると知らせるステージは幕を閉じた。


撮影:Tatsuyuki Ban
寄稿:伊藤緑 http://www.midoriito.jp/


<猫曼珠-nekomanju-東名阪Tour“開花宣線”>
1.ドグマティック開花
2.ROMAN&PUNK
3.HAYABUSA
4.アダルティックTOKYOサイエンス
5.ホムンクルス
6.flashback
7.Dreaming & Growing
8.猫フード
9.されどキミ
10.神、逆撫でBOY
11.ハイにナルマデ
アンコール
12.虹色桜
13.ドグマティック開花
14.ハイにナルマデ

<猫曼珠-nekomanju- presents 「猫と彼女の事情」>
2019年6月21日
猫曼珠/HER NAME IN BLOOD
Open/Start:18:30/19:00

2019年12月25日@新宿LOFT
一周年記念ワンマン

SINGLE「ハイにナルマデ」
1. ハイにナルマデ
2. 神、逆撫でBOY
NOW ON SALE/ 1,300円 (Tax in) / NMJ-001

◆猫曼珠-nekomanju-オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報