【ライブレポート】東方神起が生んだ奇跡

ポスト

東方神起が、6月8日、9日、10日の3日間、日産スタジアムにて<東方神起 LIVE TOUR 2017 ~Begin Again~ Special Edition>を行った。

◆ライブ画像(10枚)

東方神起にとって3度目の全国5大ドームツアーとなった<東方神起 LIVE TOUR 2017 ~Begin Again~>。そのファイナル公演の場に選ばれたのがこの日産スタジアム。東方神起が5年ぶりに日産スタジアムに戻ってきたというだけでも嬉しいのに、3デイズという東方神起にとっても過去前例のない規模でのライブとなった。

さらに、3日間の単独公演はアーティスト史上初の偉業でもある。2017年に再始動し、本ツアーでは追加公演も含めて自己最多ドーム公演数となる全国5大ドーム17公演を行ない78万人を動員したにも関わらず、彼らは次々歴史を塗り替えていく。


東方神起のライブはドラマティックで愛に溢れている。そう感じた理由を、6月8日の初日公演を振り返りながらレポートしてみたいと思う。この日は一曲目「Reboot」からアリーナ上手・下手に設けられたムービングステージが登場し、2人をのせたそれが会場後方のステージに合体してアリーナを横断するワイドなステージが出来上がる…という演出で初っ端から度肝を抜かれた。ドームツアーでの同演出も驚かされたが、日産スタジアムというより広い会場で見ると圧巻だ。

そして「Humanoids」で2人がシンクロした激しくキレキレのダンスを見せながらも要所要所でファンに笑顔やウインクを見せる様子からは、愛が伝わってくる。最初のMCでもユンホが「初日だから緊張しているのもあるんですが、こんなに多くの方たちと一緒に楽しめると思うと胸がいっぱいです」と素直な気持ちを吐露。そしてユンホの「今日のお客さんのテンションはどうですか?」という問いにチャンミンが「いい感じだと思いますけど、逆に僕らふたりが頑張らなくちゃですね」などと答える。日産スタジアムを彼らのテーマカラーである赤色に染めながらの、この謙虚な姿勢。東方神起はこうやってファンへの愛を常に表してくれるから、応援したくなってしまう。


歌もダンスも秀逸な2人によるライブは当然全曲通して素晴らしいのだが、それに加え「B.U.T(BE-AU-TY)」ではメインステージから後方のステージまで2人がワイヤーを使って飛んだり(チャンミンは鳥のような姿勢で、ユンホは空中を散歩するような仕草で飛んでいたのが印象的)、「Duet」と「逢いたくて逢いたくてたまらない」ではワイヤーリフトに立って2階席の高さにまで上がったりと派手な演出もお手のもの。

「逢いたくて逢いたくてたまらない」も、日が暮れかけた夕空に浮んだまま2人が歌うと、曲本来の良さを一層際立てていた。ドラマティックな一場面だ。かと思えばメインステージでダンスなしで披露された「シアワセ色の花」「Bolero」のようにシンプルに歌の力だけを強く感じさせてくれる一幕もある。広々とした空に響き渡る2人のハーモニーが涙をさそう。5年前の日産スタジアムで披露された「Rat Tat Tat」などがセットリストに組み込まれていることも、ファン泣かせだった。


東方神起の2人も今日は特別な思いを抱いているようで、ユンホに今日の感想を聞かれたチャンミンは「感無量でございますね」と。ユンホもそれを受けて「言葉で表せないくらい嬉しいんですけど、日産スタジアムは皆さんと作った大切な思い出の場所だから」と嬉しいコメント。<Begin Again>というツアータイトルについても「再び始まる東方神起という意味をこめた」と改めて語り、いかにこのツアーが大事だったかという気持ちを共有してくれる。

といいつつも、かっこいいだけではなくお茶目なところがあるのも東方神起の魅力。チャンミンが進行を「さっぱり忘れた」ことにユンホがつっこんだり、ユンホが「まじ卍!」と言ってスタジアムにどよめきを起こしたり。「まじ卍使ったらウケるっていわれたのに!一瞬寒くなったよね!まじかよ」というセリフは、アジアを代表するアーティストというよりも身近なお兄さんのようで微笑ましい。


そしてライブは後半に向かうごとにドラマティックさを増していく。前半の流れはドームツアーと同じだったのだが、今回の日産スタジアム公演では2人のソロコーナーが設けられていた。昔のライブ映像を織り交ぜた期待を煽る映像を経て登場したユンホは、ソロ曲「Drop」を投下。指先の動きひとつひとつまで芯が通っているような、男らしく色気満載のダンスでファンを魅了していく。あたりには悲鳴にも近い歓声が。

チャンミンはというと、なんとX JAPANの「Forever Love」をソロ歌唱。過去のライブでもチャンミンはX JAPANの楽曲をカバーしていたが、彼のハイトーンボイスが「Forever Love」になんと合うことか。ライトアップされた噴水も、歌に彩りを加えていた。そこから本編ラストにかけては怒涛の勢いで「DIRT」「Purple Line」「Why?[Keep Your Head Down]」を繰り出す。入場時にファンに配布されたブレスレット型のライトも曲に合わせて輝き、炎も上がる。劇的だ。


なお、この日は曇り空で過ごしやすい天候だったのが、途中からポツリポツリと雨が降り始めてしまった。「風邪ひかないでね」とファンに温かな声をかける2人は、そんな不安定な天気を吹き飛ばすようにアンコール一発目に「Rising Sun」を持ってくる。天候を予測してのセットリストではないはずだが、雨が本降りになってきたこのタイミングで「君は太陽」といってくれる曲が聴けるのだ。雨が降っていても、ファンこそが太陽だといわんばかりの選曲に驚いていたら、本当のサプライズも用意されていた。

それは新曲の初披露。チャンミンによるとこの曲は「大切な人がいるからこそ、勇気をもらって次のステップ、一歩を踏み出せる」という曲のようだ。ミュージックビデオは北海道帯広市で撮影されたという。“Begin Again=再び始まる東方神起”というツアーの後にこういった楽曲を制作していたというのも、“大切な人=ファン”という彼らの愛情が伝わってきて嬉しい。そして続いてのメドレー「ウィーアー!〜OCEAN〜Sky〜Summer Dream」では、広い場内を所狭しと駆け巡り、ときにサインボールを投げ込み、ときにダンサーとじゃれあいながらありったけの笑顔を届けてくれる彼ら。今度は直球の愛情表現だ。


いよいよアンコールも終盤。ここで披露されたのが再始動を語る上でも大切な楽曲「Begin〜Again Version〜」だ。この曲でブレスレットが点灯し、後方のスタンドが色を変えた。なんとそこに光で浮かび上がったのは、「BEGIN AGAIN TOHOSHINKI」の文字。そんな夢のように美しい光景の中でユンホとチャンミンは向かい合い、ひときわ心を込めて「ひとりじゃない」「ふたりの運命をそっと重ねよう」という胸を打つ言葉を歌にのせて届けてくれる。

悔しくもここで雨が本降りになってしまうのだが、びしょ濡れになりつつも真摯な表情のままで大切な歌を届けてくれる2人。したたり落ちる雫が光るその姿はかえって美しく、再始動した彼らにまるで天が慈雨を加えたかのよう。予期せぬ雨すらも見事に自分たちのものにしてしまう、東方神起が起こした奇跡だ。そしてオーラスは「Somebody To Love」。「今年はきっと君がそばにいる」と歌ってくれる2人に、改めて「おかえり」「戻ってきてくれてありがとう」という思いがこみ上げてくる。そう、今年からは東方神起と一緒にいられるのだ。そして盛大に花火が打ち上がる中、日産スタジアム公演が幕を下ろした。


最後にステージに残ったユンホは「おかげさまで僕たちも素敵な時間を過ごせたと思います。この“おかげさま”という言葉、影のように側にいて支えてくれるみなさまにぴったりの言葉といまさらながら思います。もっとみなさんと一緒に前に向けて歩んでいきたい。初心を忘れずに頑張っていきたいと思います」、チャンミンは「みんなが楽しい気持ちを共有してくれて感動しています。みなさんとの関係で成り立つことがすごく誇りに思います。みなさんのおかげで幸せ。みなさんの人生の中で楽しかったと言える1日を僕もともにすることができて幸せでした。これからも頑張っていくので応援よろしくお願いします。」とそれぞれファンへの気持ちを語ってくれた。そして「これからも東方神起の大きな力になってください。」と言ってステージを降りた。

感動的なライブを終え、会場の外にでるとなんと本降りだった雨が止み晴れ間が見えている。これはまるでこれからの東方神起とファンが、再び歩き始める明るい未来を表しているようだと感じた。歌、演出、構成、そして予測不能な天候。東方神起はそのすべてで奇跡を体現してくれたのかもしれない。

取材・文◎服部容子(BARKS)
※写真は8日、9日公演のもの

セットリスト

Reboot
ANDROID
Humanoids
One More Thing
Superstar
B.U.T(BE-AU-TY)
Spinning
One and Only One
シアワセ色の花
Bolero
Rat Tat Tat
Duet
逢いたくて逢いたくてたまらない
Drop(ユンホソロ)
Forever Love(X JAPAN)(チャンミンソロ)
DIRT
Purple Line
Why?[Keep Your Head Down]

En.
Rising Sun
Road(新曲)
ウィーアー!〜OCEAN〜Sky〜Summer Dream(メドレー)
Begin 〜Again Version〜
Somebody To Love

<東方神起 2018年全国アリーナ&東阪ドームツアー>

2018年
9月26日(水) さいたまスーパーアリーナ 開場17:30/開演18:30
9月27日(木) さいたまスーパーアリーナ 開場17:30/開演18:30
9月28日(金) さいたまスーパーアリーナ 開場17:30/開演18:30
10月6日(土) マリンメッセ福岡 開場17:00/開演18:00
10月7日(日) マリンメッセ福岡 開場15:00/開演16:00
10月8日(月・祝) マリンメッセ福岡 開場15:00/開演16:00
10月12日(金) 広島グリーンアリーナ 開場17:30/開演18:30
10月13日(土) 広島グリーンアリーナ 開場15:00/開演16:00
10月14日(日) 広島グリーンアリーナ 開場15:00/開演16:00
10月19日(金) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 開場17:30/開演18:30
10月20日(土) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 開場15:00/開演16:00
10月21日(日) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 開場15:00/開演16:00
10月26日(金)サンドーム福井 開場17:30/開演18:30
10月27日(土)サンドーム福井 開場15:00/開演16:00
10月28日(日)サンドーム福井 開場15:00/開演16:00
11月2日(金) 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター 開場17:30/開演18:30
11月3日(土) 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター 開場15:00/開演16:00
11月4日(日) 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター 開場15:00/開演16:00
11月14日(水) 日本ガイシホール 開場17:30/開演18:30
11月15日(木) 日本ガイシホール 開場17:30/開演18:30
11月16日(金) 日本ガイシホール 開場17:30/開演18:30
11月22日(木) セキスイハイムスーパーアリーナ 開場17:30/開演18:30
11月23日(金・祝) セキスイハイムスーパーアリーナ 開場15:00/開演16:00
11月24日(土) セキスイハイムスーパーアリーナ 開場15:00/開演16:00
12月3日(月) 東京ドーム 開場16:00/開演18:00
12月4日(火) 東京ドーム 開場16:00/開演18:00
12月11日(火) 東京ドーム 開場16:00/開演18:00
12月12日(水) 東京ドーム 開場16:00/開演18:00
12月15日(土) 京セラドーム大阪 開場16:00/開演18:00
12月16日(日) 京セラドーム大阪 開場14:00/開演16:00
2019年
1月18日(金) 京セラドーム大阪 開場16:30/開演18:30
1月19日(土) 京セラドーム大阪 開場14:00/開演16:00

NEW SINGLE「Road」

2018年7月25日Release

■CD+PHOTOBOOK【初回限定豪華盤】(スマプラ対応)
品番:AVCK-79492 POS: 4988064794928 価格:¥2,000(本体価格)+税
[CD]
1.Road
他、全3曲収録予定
[初回限定仕様/特典]
・A4サイズ特殊ジャケット&PHOTOBOOK(A4/24P)
・ジャケットサイズカード封入(全6種のうち1枚ランダム封入)
※通常仕様の12cm×12cmのジャケットサイズになります。

■CD ONLY【初回盤】(スマプラ対応)
品番:AVCK-79493 POS: 4988064794935 価格:¥900(本体価格)+税
[CD]
1.Road
他、全3曲収録予定
[初回限定特典]
ジャケットサイズカード封入(全6種のうち1枚ランダム封入)

◆東方神起 オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報