【インタビュー】MONKEY MAJIKが生み出した“神秘”

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■歌詞から力を受け取ってもらえたら

──続いて「40 days」。これは男性と女性の関係について歌った曲かと思ったらなんだか違うなと。

Maynard:そう、男女間の話かなと思うけど、あれ?って思う曲なんですよね。これは表ではそういう話にしているんですけど、本当は友人の話なんです。実際にあったことで、あまりにもプライベートなので細かく説明はできないんですが、何かと戦ってそれを乗り越えたっていう話。ダークな時期にいろんなインスピレーションとか助けがあって、そのダークな自分から抜け出すことができたっていう、一応ポジティブな曲ですね。

──“40”という数字は?

Maynard:これは聖書にも出てくるし、どの宗教でも使われる数字なんですね。パワーナンバーというか。聖書のなかに、イエズスが砂漠に行って悪魔と戦うっていう40日間があって、それをちょっとイメージしました。

──復活祭に向けて断食をする期間も40日間(日曜日を除く)ですよね。

Maynard:そのとおりです。クリスチャンは断食までやらなくてもいいんだけど、アルコールを飲まないとか、その期間に何かをやめるんですね。「何かを断って立ち上がるため」という意味を込めて、このタイトルになりました。ダークな時期、助けがほしいときにこういう歌詞から力を受け取ってもらえたらいいなと思っています。

▲Maynard(Vo&G)

──4曲目「Seiko」は人の名前?と思って、歌詞を訳していたら松田聖子さんの曲名が出てきたのでピンときました。

Blaise:「SEIKO」の時計の曲じゃないんですよ(笑)。

Maynard:僕は「SEIKO」の時計が大好きで、もしかしてそれを知っているファンが、そういう意味だと思うかなって(笑)。たまたまなんですけどね。

──この曲はどのように生まれたんでしょう?

Maynard:もちろん、松田聖子さんが大好きっていうのがあって。永遠のアイドルで、ルックスも好みで全部好きなんです。それだけの理由でもいいと思うんですけど、もうあと2〜3曲くらい作る予定だったときに、ちょっと80’sのニューウェイブのような曲を作りたいなと。前回のアルバム『southview』(2016年)の続きのようなね。女性の名前がタイトルの曲って、80’sではそればっかりだったくらいだったような覚えがあるんです。結構好きな曲がいっぱいあって、そういうものを作りたいってなったときに、僕の大好きな松田聖子さんのオマージュソングにしようかなと。今回のアルバムは日本っていうテーマだったので、ヤマハの「CS-80」という素晴らしいヴィンテージシンセサイザーを使っています。

Blaise:『southview』に入っている「Delicious」のミュージックビデオは80’sをオマージュしているんです。ダンスをしている女性は松田聖子さんをイメージしたので、ちゃんと似ているようにしないとってこだわったんですよ。



Maynard:実はすごく真面目な曲で、本気で作った曲なんですけど、ちょっと楽しい部分もあって。本人だったら気に入ってくれるのでしょうか?って思いながら書きました。

──愛がすごく伝わってきましたよ。

Maynard:歌詞は、「赤いスイートピー」から「sweet」とか、「rockin’ rouge」とか、松田聖子さんの曲のタイトルを入れたらかわいいかなって。「私だけの天使」っていう曲もあるので「my angel」って入れてみたりとか、そういうところを意識しながら作りましたね。

▲DICK(B)

──6曲目「Venom」はどのような曲でしょうか? アルバムのなかでも特に和風なメロディが印象的です。

Blaise:これは2つの文化がコラボしている曲。僕らはカナダ人と日本人でね、カトリックと仏教、あと神道の世界をイメージしています。カトリックと仏教的なスタイル、それぞれの信じているものをどうやって綺麗に混ぜられるか。メッセージを込めるのは難しかったね。2つの音楽のジャンルを使っていて、R&B、そして演歌、爆発みたいなビートを作りました。演歌にはトランペットの音が入っている曲がすごく多いんだけど、それよりもう少しアグレッシブなちょっと変わってる演歌を作りたくて、トランペットも入れました。メロディは悲しくキープ。泣きそうな、仏教とクリスチャンのハーモニー。

──女性ボーカルはどなたですか?

Blaise:歌ってるのは、音楽活動をしていない女の子です。仮歌で録ってもらったガイドの歌声がすごくおもしろかった。雰囲気が素晴らしくて、そのまま発売することにしたんです。最初はちょっと逆で、このアルバムに合わないかなって思ってた。でも、Maynardが作った曲と僕が作った曲を全部合わせて聴いたらすごく合うなって。

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