【対談】FEST VAINQUEUR×青山英樹、同世代サウンドを語る「対バン当時の記憶が蘇った」

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7周年目を迎えるFEST VAINQUEURが2月14日、2ndコンセプトアルバム『GENERATION 2 ~7Colors~』をリリースする。同アルバムは収録7曲に7人のドラマーを迎えて制作されたもの。そのドラマーとは、淳士(BULL ZEICHEN 88 / SIAM SHADE)、吉川晃司や世界的アーティストのサポートを務める青山英樹、ZIGGYやhide with Spread Beaverの活動で知られる宮脇“JOE”知史、GLAYのサポートドラマーToshi Nagai、風弥~Kazami~ (DaizyStripper)、覆面ドラマーのダイナ四、shuji (Janne Da Arc)という豪華な強者たちだ。

◆FEST VAINQUEUR×青山英樹 画像

すでにミュージックビデオのスポット映像がアップされているリードトラック「SHADOW」でドラムを叩いているのは青山秀樹。偉大なドラマー 故・青山純を父に持ち、V系バンドやパワーポップバンドでの活動と並行して数々のサポートをこなしてきた売れっ子中の売れっ子だ。また、同曲はプロデュースをPABLO a.k.a. WTF!? (Pay money To my Pain)が手がけるなど、FEST VAINQUEURのさらなる可能性を引き出した。先ごろ公開した淳士との対談に続いて今回は青山秀樹を招き、FEST VAINQUEURとの出会いからレコーディングエピソード、メタル魂のルーツまで、たっぷり語ってもらった同世代トークセッションをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■こういうことってあるんだなって
■ちょっと感動しました(笑)

──7人のドラマーが参加したアルバム『GENERATION2 ~7Colors~』のリード曲「SHADOW」には青山秀樹さんが参加、ミュージックビデオにも出演していますが、FEST VAINQUEURとはいつ頃からのお付き合いなんですか?

HIRO:僕とHAL(Vo)はFEST VAINQUEURの前に組んでいたバンドで、青山さんが当時やってたヴィジュアル系バンドEVER+LAST(2008年結成)と対バンしたことがあって。

青山:確か、新横浜のライブハウスですよね。

▲FEST VAINQUEUR

HIRO:そうですね。もう10年近く前のことになります。そこから僕たちのバンドがゴタゴタしていたこともあって、なかなかお会いするタイミングがなくなってしまったんですけど。

HAL:青山さんはその後サポートドラマーとして活動されるようになって、直接会うことはなかったんです。

青山:EVER+LASTが解散してから、ヴィジュアル系界隈と絡むことがなくなっちゃったので。

HIRO:いろんな方のサポートで活躍されていることは、Web上の情報とかで知っていたんです。僕たちは僕たちで2010年にFEST VAINQUEURとして新たな活動を始めたんですけど、昨年にドラマーが脱退してから、今回のタイミングで青山さんの名前が挙がって。

──ギター陣は面識はなかったんですか?

GAKU:なかったですけど、青山さんのことはもちろん知っていました。EVER+LAST時代から演奏技術もサウンドも凄いと聞いていたので。

──7曲の中で「SHADOW」を青山さんに叩いてもらうことにした経緯というのは?

HIRO:まず、PABLOさん(PABLO a.k.a. WTF!?)をプロデューサーに迎えるということと、選曲していく中で「SHADOW」をリード曲にしたいというのは決まっていたんです。「じゃあ、この曲のドラムは誰に叩いてもらおう」っていう話になったんですけど、「SHADOW」は僕らの得意とするメタル要素だけではなくラウドロックのテイストもあるので、「オールマイティにできるドラマーさん、といったら青山さんでしょう」ってことになって提案させてもらいました。

青山:2人がFEST VAINQUEURとして活動しているのを前のドラマーさんから聞いていたし、曲の感じも好きだったのでオファーをいただいた時は嬉しかったですね。対バンした時の記憶がバーッと蘇ってきて。「こういうことってあるんだな」ってちょっと感動しました(笑)。

HAL:当時は一緒に演奏する機会なんて想像してないですもんね。月日が巡り巡って。

青山:参加できるなんて思ってもみなかったですよ。

▲青山英樹

──長い日々を経ての再会だったんですね。後でドラムレコーディングのエピソードもお聞きしますが、「SHADOW」は繊細でメランコリックなイントロから疾走感のあるサウンドへと移行する曲で、歌のメロディがとてもキャッチーですが、どんなイメージがあって書いた曲ですか?

HIRO:今回のアルバムは4人体制になって初音源になるので、リード曲は特に重要だと全員が思っていて。“新たなライブの定番曲になるような曲”をテーマに作ったんです。メタルの要素がありつつ疾走感もあって、おっしゃる通り、リード曲なのでわかりやすいキャッチーなメロディを追求しました。PABLOさんとテーマを共有してアレンジしていただいたんですけど、ご指摘いただいたイントロの繊細な空気から激しいセクションへと移行する展開もPABLOさんが提案してくれたんです。ギターの音使いにもPABLOさん節が入っていて、一緒にやったからこその曲になりましたね。

──ちなみにPABLOさんとの繋がりは?

HIRO:PABLOさんがPay money To my Painのギタリストとして活動されていた頃は、いちリスナーとして聴いていたんですけど、僕が使用している楽器ブランドdragonflyをPABLOさんもガッツリ使われていて。そこの社長さんにPABLOさんの話をしたら連絡先を教えてくださったので「プロデュースしてください」ってコンタクトをとったんです。

HAL:ラウドシーンの第一線で活躍されていたPABLOさんのアレンジが加わり、そこに僕たちらしい恋愛の歌詞がうまく噛み合って、新たなFEST VAINQUEURの代表曲になるぐらいキャッチーで激しさもあり、カッコよさもある曲に仕上がったと思っています。

──「SHADOW」の歌詞では“好きな人を失って、傷ついてもがいている心理”が表現されていますよね。

HAL:そうですね。今回のアルバムの歌詞はそれぞれ違った“愛”が表現されているんですけど、「SHADOW」は聴いた方が自分に重ね合わせられるようにしたかったので、キャッチーなメロの繰り返しに乗せる言葉は何度もHIROとやりとりをしながら書いていきました。

──“大嫌い…大嫌い…”、“馬鹿みたい…馬鹿みたい…”というところですか?

HAL:そうですね。ちょっと自虐的になっている部分。“別れ”をテーマに書いたんですけど、恋愛以外に置き換えて聴いてもらってもいいし、苦しかったり、もがくような“別れ”になったのは愛情があったからだと思うんですよね。自分たち自身、去年はドラマーの脱退だったり、いろいろなことがある中で葛藤したり、もがいていたので重ねられるところがあるんです。

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