【ライヴレポート】LUNA SEA、さいたまスーパーアリーナ2DAYS最終日「ステージが聖地、みんながホーム」

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LUNA SEAがクリスマスイヴの12月24日にさいたまスーパーアリーナにて<LUNA SEA「The Holy Night -Beyond the Limit-」>2DAYSの2日目となる公演を開催した。

◆LUNA SEA 画像

2日目はイヴということもあり、客席にサンタ帽をかぶっているファンも。初日には青いボンボンを手にしている人が多かったが、この日は赤に変わっていた。2日間で動員した観客数は約3万人。年々、男性の比率が高くなっている気がするが、世代も驚くぐらいに多岐にわたっている。さいたまスーパーアリーナは初日に引き続き、最上階まで満員だ。


“ウォーッ”という大歓声の中、聖堂のようなステージにベロアのロングコートを着て登場したのはRYUICHIで、アカペラで彼が歌い出したのは何と「White Christmas」。23日にはアンコールで全員が揃ってこの曲を演奏し、オーディエンスを沸かせたが、これも粋なサプライズ。

メンバーが揃って鳴らされたのは最新アルバム『WILL』を引っ提げて行なったツアーのオープニングを幾度となく飾ってきた「Anthem of Light」だった。会場ごとすっぽり包みこんでしまうようなメロディとデカいグルーヴ。SUGIZOは前日と同じくデヴィッド・ボウイへの追悼の意を表したユニオンジャックペイントのコート。Jはシルバーのラメ(スパンコール)のジャケット(前日はディープブルー)を着ている。それぞれがそれぞれの聖なる夜にふさわしい衣装だ。

希望に溢れたアンセムが響きわたった後には、INORANが下手、SUGIZOが上手へとはじけた「Dejavu」を投下。みんなの歌う声が響き渡った。


「メリークリスマス! 12月23日、24日。この記念すべき2日間は、これからLUNA SEAにとっての大切な日にちとして刻んでいきたいと思います。5人でたくさんのことを話し合いながら曲たちを選んでいったんだけど、“12月23日と言えば、どこどこの会場であの曲やったよね”とか“あのとき、こんな感じですげえ盛り上がったよね”とか、いろいろと思い出しながら作ったのが昨夜と今日のメニューです。いつも言ってるけど、怪我をしなければ何をやってもいいです。今日はここに来ているみんなのほかにWOWWOWを見ている人もいるけど、家で暴れないように(笑)」──RYUICHI

この日のライヴがWOWWOWで生中継されていることに触れ、最新シングル「LIMIT」でドラマティックな演奏を届け、「END OF SORROW」へ。真矢の力強いビートと共に場内から“Hi”コールがわき起こったのは「JESUS」だ。灼けつくようなリフを弾くSUGIZOの肩にRYUICHIが手をかけ、猛スピードでセンターに戻って歌い、Jの太いベースに怒涛の大歓声が上がる。初日のセットリストがLUNA SEAの抜けのある美しいメロディの楽曲がメインに据えられていたとしたら、24日はライヴに火をつけるような攻めのナンバーが数多く盛り込まれていた。2DAYSと言えど、全く印象は異なる。


「昨日も発表しましたが、来年の記念日、5月29日も日本武道館でお待ちしています。LUNA SEAの未来の話をちょっとしたいんだけど、今、一生懸命、俺たちのアイディアという子供たちを育てています。俺たちは音を出すのが好きだから」──RYUICHI

思いがけず、RYUICHIがLUNA SEAのニューアルバムを制作していることに触れ、場内は「おお〜っ」とばかりの期待の歓声。その直後に「遅くとも10年以内には」と動揺させ、即座に「俺たち真面目だから10年もかかるわけないでしょ」とみんなを笑わせた。

中盤で披露されたナンバーはSLAVEたちのテンションをいっそう引き上げた。アルバム『STYLE』収録曲であり、「DESIRE」のカップリング曲だった「LUV U」が久々に披露されたのだ。RYUICHIの低音が活きるエロティックなこのミドルナンバーでは作曲者のINORANが率先してハンドクラップで盛り上げ、SUGIZOが激しく高ぶる想いを昇華させるようなソロを響かせて新たな景色が広がった。続いて、ノイズ混じりのRYUICHIの声が響き渡ると「出た〜!」とばかりの声援が飛び、「AURORA」へ。虹のように艶やかな照明の中、奏でられる美しいメロディに酔いしれるように手を振って応えるオーディエンス。ピアノの音で締められるエンディングが終わってから拍手が起こる様からLUNA SEAの楽曲がいかに愛されているか伝わってきた。


SUGIZOがヴァイオリンを構えると再び期待の歓声がわき、RYUICHI、INORANがアコギを弾くというアンサンブルで聴かせる新曲「I’ll Stay With You」が披露され、LUNA SEAの幻想的なクリスマスにふさわしい名曲「MOON」が奏でられた。月の光の中に吸い込まれていきそうな妖艶な演奏、RYUICHIの説得力のカタマリのようなヴォーカルと野生を呼び覚ますシャウト。こんなプログレッシヴで繊細で構築された楽曲が初期に生まれていたこと自体すごいが、年月を重ねて聴く「MOON」はまた格別だ。

余韻を残したステージをアゲていくのは真矢のドラムソロとJのベースソロだ。RYUICHIも2日間を通して話していたが、このリズムセクションがたった1人でアリーナクラスの会場を引き受け、沸かせる様は壮観といっていい。

「このステージには後ろのヤツの声まで届いてるから安心していいぜ! 最後の最後の列まで見えるからな! 行けるか!?」──J


パイロマニアJが煽り、インディー時代からのファストナンバー「BLUE TRANSPARENCY」で暴れ倒す流れに突入。そして、火照った身体の熱を冷ますように「全員に心を込めて」とLUNA SEAのバラードの代表曲と言っていい「I for You」が奏でられた。

「今年最後のライヴだから全部、吐き出しちゃいたいよね。昨日も言ったんだけど、ここに来ているみんなの中にも、ふだん嫌なこととか鬱屈してることや、ホントは伝えたいんだけど伝えられないことっていっぱいあるわけで。その日常から抜け出して、ここに来たわけだから思い切りそれをぶつけてください! ライヴって時間を忘れられるものだと思うから」──RYUICHI

「思い切りはじけてくれよ!!」と全身で叫び、ライヴは後半戦へ。JがFire Redのベースを高く掲げ、LUNA SEAソロ活動後、復活第1弾シングルとなった「STORM」が放たれて、場内は興奮度マックスに。その勢いのままに「TIME IS DEAD」に突入し、Jが「スーパーアリーナ!」と叫んでマイクスタンドを宙高く放り投げた「ROSIER」から、本編ラストは“キミに描く夢に生きつづけたい”と歌うメジャー1stシングル「BELIEVE」だ。セットリストもあいまってメンバーの気持ちの昂り、揺れが生々しく伝わってきたのが2日目のライヴ。映像でLUNA SEAを知った人も、その足跡を追い続けてきた人も過去のいろいろな場面がフラッシュバックしたのではないだろうか。


さいたまスーパーアリーナの客席が歌う「きよしこの夜」が聖なる夜を彩ったアンコールでは、RYUICHI以外の4人が白をあしらった衣装で登場した。その一体感にRYUICHIが「すごいよね、みんな、いつリハーサルしてるの? 完璧にグルーヴしてるよね。最高です。ありがとう。これからももちろんファンだし、お客様かもしれないけど、メンバー(彼らはよくファンのことをメンバーと呼んでいた)になってほしいな」と告げた。

そして届けられたのはINORANのギターの響きが印象的なLUNA SEAオリジナルのクリスマスソング「HOLY KNIGHT」だ。会場限定販売のCDが初日に売り切れてしまい、急きょ予約対応での追加生産が決定する事態になったということだが、神聖でロマンティックで宇宙的な広がりさえ感じさせてくれるこの曲は、LUNA SEAのクリスマスソングにふさわしい。場内に雪が舞い落ち、ミラーボールが回る演出も、この曲のスペシャル感を増幅させていた。

メンバー紹介ではRYUICHIがJに「すごい景色だね」と問いかけると「雪だね」と返され、「そっちじゃなくて」と苦笑。INORANに「結成28年、28年前にこの景色、想像してた?」と振るものの「雪だ」と言われ場内爆笑。ここでINORANが「俺、昔、喋らなかったじゃない?」とLUNA SEAの歴史を振り返り始め、話が長くなりそうなので楽器を置こうとするメンバーにRYUICHIが突っ込む場面も。INORANは「真面目な話、28年も経ってこのバンドでこの景色をみんな見せてくれてどうもありがとう!」と叫び、大歓声が巻き起こった。過去を振り返る話題を未来に持っていったのはSUGIZOだ。「28年後、どうなってるかな?」とRYUICHIに問いかけ、「デビューして25年。ってことはあと25年は頑張らないといけない。5人が元気で生きている以上ステージに立って、ここが我々の聖地、そしてみんながホーム、俺たちは生きている限り、必ず帰ってくるつもりです! メリークリスマス!」と伝え、生声で「最高! 愛してるぜ!」と叫んだ。

最後にRYUICHIに呼ばれた真矢は、「真ちゃんにしか見えない景色があるのよ。だって、いつも俺たち4人の背中越しにファンのみんなを見てるじゃん」と振られ、ドラム台から降りてきて「4人の背中越しのキミたちの笑顔を見てごらんなさいっていう話だよ。ホントに感動するよ。今度、ドラムのところにみんなに向けたカメラを置きたいぐらい。8割は俺のアップだけどね」と満面の笑顔。さらに30年ぐらい前にSUGIZOと星空を見ながら「絶対、プロになろうね」と誓った思い出を振り返ると、その場に一緒に居たINORANは「俺もいた」とばかりにジェスチャーし、忘れられていることに泣き真似。スーパーアリーナはほっこりしたムードに包まれた。


その空気を再び塗り替えるように熱い熱い「TONIGHT」が放たれ、RYUICHIが久しぶりに「オマエら全員、かかってこい!!」と叫び、大熱狂の中、最後のナンバーは銀テープが降り注いだ「WISH」。

LUNA SEAを求める声が鳴り止まない中、みんなで手をつないでジャンプし、「愛してるよ! バイバイ」と去っていったRYUICHI。胸でハートマークを作って笑顔のINORAN、まさかのサンタ帽をかぶって場内を驚かせたJ、何本もスティックを投げ入れた真矢、INORANは「また必ず会おうな」と叫び、サンタ帽をSUGIZOに手渡したJは「2日間、どうもありがとう! また5月に会おうぜ! メリーメリークリスマス!」と挨拶。ペットボトルを何本も宙高く放り投げたSUGIZOは「ありがとう」と口の動きで伝え、拍手と歓声の中、深々と頭を下げ、名残惜しそうにステージを去った。

次なるステージは日本武道館。できれば2DAYSにして欲しいと思うのは勝手な願望である。

取材・文◎山本弘子

■<LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit->
2016年12月24日(土)@さいたまスーパーアリーナSET LIST

Overture. White Christmas
01. Anthem of Light
02. Dejavu
03. Limit
04. END OF SORROW
05. JESUS
06. LUV U
07. AURORA
08. I'll Stay With You
09. MOON
10. Dr Solo 〜 Bass Solo
11. BLUE TRANSPARENCY
12. I for You
13. STORM
14. TIME IS DEAD
15. ROSIER
16. BELIEVE
ENCORE
EN1. HOLY KNIGHT
EN2. TONIGHT
EN3. WISH

■<LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit->
2016年12月23日(金・祝)@さいたまスーパーアリーナSET LIST

01. WITH LOVE
02. TONIGHT
03. Limit
04. DESIRE
05. TRUE BLUE
06. Sweetest Coma Again
07. IN SILENCE
08. I'll Stay With You
09. gravity
10. Dr Solo 〜 Bass Solo
11. Be Awake
12. I for You
13. SHINE
14. PRECIOUS…
15. IN MY DREAM
16. ROSIER
ENCORE
EN1. HOLY KNIGHT
EN2. Dejavu
EN3. WISH


■<LUNA SEA The Anniversary 2017 日本武道館>

2017年5月29日(月)日本武道館
Open 17:30 / Start 18:30
▼チケット
前売\9,500(税込)全席指定 ※3歳以上有料
一般発売:2017年4月22日(土)より
【チケット最速先行情報】
12月26日(月)よりオフィシャルファンクラブSLAVE、各ソロFC & LUNA SEAモバイルにて会員先行受付開始
(問)キョードー東京 0570-550-799 ※平日11:00〜18:00 土日祝 10:00〜18:00

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