アントニー、アカデミーで候補に挙がるも演奏のオファーなし
アントニー&ザ・ジョンソンズのシンガー、アントニー・ヘガティ(Anohni)は、第88回アカデミー賞で最優秀オリジナル・ソングにノミネートされたが、パフォーマンスするよう依頼されず、授賞式に出席するのを辞めたそうだ。
◆アントニー&ザ・ジョンソンズ画像
アントニーは、映画『Racing Extinction』でフィーチャーされた「Manta Ray」(J・ラルフ作曲、アントニー作詞・パフォーマンス)で候補に挙がった。授賞式では同部門のノミネート曲が演奏されるのが習わしとなっている。
彼は木曜日(2月25日)、長文の声明をFacebookに掲載し欠席する理由を説明した。
「わたしは、これまでアカデミー賞にノミネートされた唯一のトランスジェンダーのパフォーマーです。それに対しては、わたしを候補に挙げてくれたアーティストたちに感謝しています。この知らせを聞いたとき、わたしはアジアにいたのですが、音楽部門の候補者がパフォーマンスを依頼される場合に備え、急いで家に戻りました」
「一週間後、サム・スミス、レディー・ガガ、ザ・ウィークエンドの出演が発表され、“さらなるアーティストを近日発表予定”とありました。混乱。わたしはじっと待っていました。誰かから連絡がある? しかし、なんの知らせもなく、わたしのところにはパフォーマンスするのかって質問ばかりが殺到しました」
アントニーは、「(アカデミー賞の)プロデューサーは、商業的に成功しているシンガーのみパフォーマンスさせることに決めたようだ」と考えており、「韓国のソプラノ歌手スミ・ジョーが歌うデイヴィッド・ラングの「Simple Song #3」も除外された」と続けた。
「昨晩、わたしはLA行きのフライトに乗ろうと自分を追い立てましたが、恥ずかしさと怒りで思いとどまりました。ハリウッド・スターに囲まれ、勇気ある何人から悲しい顔で慰めの言葉をもらったら、自分がどう感じるか想像したのです。空港を後にし家に帰りました」
「これははっきりしておきたいと思います。わたしは、トランスジェンダーがゆえにパフォーマンスから外されたわけではないのは承知しています。アメリカではそれほど知られていないから招待されなかったのです」
アカデミー賞は、アントニーとスミ・ジョーのパフォーマンスをカットしたのは時間が足りないからと説明したようだが、どちらも美しい曲だけに残念だ。
第88回アカデミー賞は日曜日(2月28日)に開催される。
最優秀オリジナル・ソングには以下の5曲がノミネートされている。
「Earned It」(Fifty Shades Of Grey)ザ・ウィークエンド
「Manta Ray」(Racing Extinction)J・ラルフ&アントニー
「Simple Song #3」(Youth)デイヴィッド・ラング ft. スミ・ジョー
「Til It Happens To You」(The Hunting Ground)レディー・ガガ
「Writing’s On The Wall」(Spectre)サム・スミス
Ako Suzuki