シアターブルック「難しい歌である必要はない。みんなで唄えなきゃ歌の意味が無いんじゃないか」

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■ロック・ミュージシャンが愛を真正面から唄うことができなくなったら完全に終わってしまう
■それを言おうとしたから、こうやってすごいミュージシャンたちが集まってくれたと思う


――はい。『(Just Like)Starting Over』を歌いたかったのには理由が?

佐藤:ジョン・レノンは他にもいっぱい有名ないい曲があるけど、これをやりたかったんだよ。ジョン・レノンがずっとお休みしてて、復活して作った『Double Fantasy』って、スゲエいいアルバムだった。すごいフレッシュな感じやったし。で、アルバムが出ていきなり殺されちゃったということでもすごく印象的で。だから、どうしてもこれにしたかった。今作ではね、ジョン・レノンと(忌野)清志郎さんの曲をちゃんとやりたかったんだよね。

――それで「何やってんだー」なんですね。清志郎さんが『COVERS』に収録したエルビス・プレスリーのカバー「Love Me Tender」が元になってるんですよね。

佐藤:うん。ジョンも清志郎さんも同じことを言っているし、やり方もすごい似ていたと思うんだよね。ジョン・レノンは反戦運動としていろんなことをしたけど、全部スゲェ真剣にやっている。彼があそこまで真剣に反戦運動をしていなかったら、ベトナム戦争は終わり得ただろうかと思えるくらいやっていた。清志郎さんも音楽で反戦を訴えていて。だから、ジョン・レノンと清志郎はちゃんとやらなきゃって思ったんだよね。この人たちが言っていたのが「愛」。ジョンがそれを訴え続けたことで、明らかに一回、世の中は変わっている。清志郎さんが言ってた「愛し合ってるかい?」っていうのと、ジョン・レノンの言う「愛」で、もう一度世界を変えるんだという思いを込めて。

――だからアルバムタイトルが『LOVE CHANGE THE WORLD』。


佐藤:うんそう。愛で変える。ここで変わらないとダメでしょ?って思う。ロック・ミュージシャンがそういう愛を真正面から唄うことができなくなったら、完全に終わってしまう。それを言おうとしたから、こうやってすごいミュージシャンたちが集まってくれたと思うんだよね。ロックの仕事というのがここに絶対ある。それは実は産業とは違うんやっていうこと。

――今回、「One Fine Morning」を再びカバーしていますが、この曲を今作に収録したのも、ストレートな愛の歌だからですか?

佐藤:うん。しかも、Charさんに参加してもらってるのがいいでしょ?

――はい。あとSOIL&“PIMP”SESSIONSの元春さんとタブゾンビさんが入ることで、いつもはオルガンで鳴ってたフレーズがホーンになって、よりLighthouseのオリジナルにも近くなってますね。

佐藤:そう。最近、SOILと仲良くて、今年の<RISING SUN ROCK FESTIVAL>でも「シアターブルック with SOIL&“PIMP”SESSIONS」っていう合体バンドで、お互いのレパートリーをかき混ぜてやろうってことで、リハとかやってるんだけど、ドラムのパートの振り分けも沼澤さんとみどりんが割と細かくやっていて、ベースも表のリズムと裏のリズムを二人で振り分けてたり、面白いことになっているんですよ。そういうことを楽しくやれるだけのミュージシャンシップがあって。SOILは年下のバンドなんやけど、ミュージシャンとしての姿勢が似てるから、俺らが混ざったらオモろくなるだろうと思ってたら、案の定、おもろくて。演奏もうまいしね。

――「始まりの朝」「ドラゴンの吐息」「ドリームキャッチャー」は、シアターブルックをずっと聴いてきた者としてはすごく安心感があります。

佐藤:そうそう。そういう人にはど真ん中な感じだよね。あと、「とんだ太陽の人」には吉沢くん(DJ吉沢dynamite.jp。元シアターブルックのメンバー)が参加してくれていて、Kjがラップしてくれていて、スゲェ楽しい感じになってるでしょ?

――はい。リリックにもあるようにP-Funk的で遊び心満載(笑)。「そら みんな 太陽 サイコー」のところはみんなで歌いたくなりますしね。いろんなところに小ネタが満載ですよね。

佐藤:挟んでいますね。吉沢くん自体が小ネタ満載の人だから。この時期、細美もレコーディングをしていたし、Kjもソロアルバムの制作の真っ最中で。だから、この曲も最初はエアロスミスとRun-D.M.C.の「Walk this way」のカバーはどうかって言ってたの。「どうせやるんだったら書き下ろしでやろう」ってKjが言うから、「お前のところだけ開けておくから歌詞書けよ」って渡したらこうなって。

――「ありったけの愛で」とか、シアターブルックへのオマージュ的なリリックも入っていますよね。

佐藤:そうそうそう。こういうの嬉しいわけよ。期待以上の後輩っぷりを見せてくれたよね。実は俺が一番気に入ってるのは「Solar power to the people」ってところなの。ここだけピックアップしてソーラー会社のCMソングとしてプレゼンしたいくらい(笑)。すごいカッコイイ。

――2015年も9月26日には<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>が開催されますね。
v佐藤:うん。今、<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>が自分がホスト・バンドとしてやれていることって大きいことなんだよね。

――音楽で言っていることをちゃんと行動で示せている証明でもありますしね。

佐藤:そう、このフェスは、再生可能エネルギーだけでいろんなことができるという実証やから。だから、そろそろ政治家の人にも観に来て欲しい。原発反対派だけでなく、推進派の人も来ることで、このフェスのニュートラル性を保てるから、どこか一つとかじゃなく、全部の政党に。再生可能エネルギーだけでこんなに大きなフェスが出来ているということを自分の目で観て、持って帰って考えてほしい。しっかりビジョンを持って未来のことを考えるって、日本人には出来ると思う。ミュージシャンも物書きも政治家もみんなで考えて、アイデアを積み上げていったら、廃炉と最終処理に関してもちゃんと結論出せると思うな。あと最後に言いたいのは、次の選挙には必ず行こうってこと。ちゃんと考えて、投票すれば、日本はまだ変われる!

取材・文●大橋美貴子

『LOVE CHANGES THE WORLD』

2015.7.29 On Sale (CD)
品番: LNCM-1097 \3,000(税抜)/\3,240(税込)

01 もう一度世界を変えるのさ Lyrics & Music by 佐藤泰司
Featuring 高野 哲 (nil/THE JUNEJULYAUGUST/インディーズ電力/ZIGZO)、堂珍嘉邦、Leyona、Utsumi Yoko
02 夜明けのオケヒット Lyrics & Music by 佐藤泰司
featuring 中村 中、矢井田瞳
03 始まりの朝 Lyrics & Music by 佐藤泰司
04 The Message Lyrics by 仲井戸"CHABO"麗市、佐藤泰司
featuring 仲井戸"CHABO"麗市
05 (Just Like) Starting Over Lyrics & Music by John Lennon
featuring 斉藤和義、仲井戸“CHABO”麗市
06 とんだ太陽の人 Lyrics by 佐藤泰司、Kj Music by 佐藤泰司
featuring Kj (Dragon Ash)、浜崎貴司 (FLYING KIDS)、DJ 吉沢dynamite.jp
07 何やってんだー Lyrics by 忌野清志郎 (Additional Lyrics by 佐藤泰司) Music by George R. Poulton
featuring TOSHI-LOW (BRAHMAN/OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)、細美武士 (the HIATUS/MONOEYES)
08 ドラゴンの吐息 Lyrics & Music by 佐藤泰司
featuring KOTEZ (blues.the-butcher-590213)
09 ドリームキャッチャー Lyrics & Music by 佐藤泰司
featuring Marcos Suzano
10 One Fine Morning Lyrics & Music by S.Prokop
featuring Char、福原美穂、元晴 & タブゾンビ(SOIL&"PIMP"SESSIONS)
11 もう一度世界を変えるのさ(album ver.) Lyrics & Music by 佐藤泰司
featuring 仲井戸“CHABO”麗市、斉藤和義、Char、細美武士(the HIATUS/MONOEYES)、Kj(Dragon Ash)、TOSHI-LOW(BRAHMAN/OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)、浜崎貴司 (FLYING KIDS)、増子直純 (怒髪天)、堂珍嘉邦、Utsumi Yoko、bird、高野 哲(nil/THE JUNEJULYAUGUST/インディーズ電力/ZIGZO)、Leyona、矢井田瞳、中村 中、福原美穂、元晴&タブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)

ライブ・イベント情報

<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015>
2015年9月26日(sat) 27日(sun)岐阜県中津川公園特設ステージ
■出演
シアターブルック
ACIDMAN
麗蘭
NANBA69
ストレイテナー
東京カランコロン
…and more!!

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