【ライブレポート】植田真梨恵、「いよいよこの日がやってきました──!」

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8月にシングル「彼に守ってほしい10のこと」でメジャー・デビューを果たした植田真梨恵が9月23日、デビュー後初のワンマン・ツアー<LIVE TOUR 2014 UTAUTAU Vol.1>の最終公演を行なった。

◆ 植田真梨恵 拡大画像

会場となった原宿ASTRO HALLはソールドアウト。熱気と期待感がたちこめた会場にまず放ったのは、2012発表の4thアルバム『センチメンタルなリズム』収録曲「メリーゴーランド」。バンド編成によるアグレッシヴなロック・サウンドで、両足を開き、仁王立ちしてスタンドマイクを掴んで歌う凛々しい姿に、手拍子や歓声がわく。今度は、その歓声を煽るように、ハンドマイクに持ち替えて挑発的に歌ったりと掴みはばっちりだ。続く曲「ミルキー」からはギターを手にとり、力強くかき鳴らしながら、エネルギーに溢れた歌声を響かせていった。

「おこし下さいましてありがとうございます! いよいよこの日がやってきました──」。観客へとあいさつをすると、フロアから「誕生日おめでとう!」という声が上がる(前日の9月22日は、植田真梨恵の24歳の誕生日)。観客からのおめでとうコールに照れくさそうにしながら、「あとでゆっくり喋ろうか」と、ここからは爆音、爆走モードへ突入。疾走感のあるバンド・アンサンブルで、髪を振り乱しながらギターをかきむしり、身をよじるようにして歌い、その声を遠くまで飛ばしていく。

「未完成品」では、観客は手拍子していた手をコブシに変え、高く掲げて盛り上がった。また、「世界の終わり」では、ピアノにのせてじっくりと歌い上げ、「おおかみ少年」と「アリス」では心の内にいる、繊細で臆病な僕やわたしを抱きしめるように温かな声色で歌う。デビューからは間もないけれど、インディーズ時代よりバンド編成や弾き語りでとライヴを積み重ねてきただけあって、ステージでの佇まいは堂々としたものだ。

中盤に披露された「ダラダラ」は、デビュー・シングルに収録されたものと同じくアコースティック・ギターの弾き語りで、親密なふたりの距離感をしっとりと歌った。甘美な夏風で酔わせる「ダラダラ」から、ピアノの伴奏のみで歌う「朝焼けの番人」ではセンチメンタルな秋風を吹かせ、再びバンド編成となっての「愛と熱、溶解」ではままならぬ思いにひりひりとした心を、歌に写した。どっぷりとエモーショナルな内容の歌ではあるけれど、これがポップに響くのは彼女の魅力のひとつ。夢見心地にゆられながら、チクリと切なさのツボをつつく感覚だ。

このエモいコーナーを経て、後半はデビュー曲「彼に守ってほしい10のこと」でスタート。曰く、“言い難い感情を共有しあうような歌から、自分の歌が誰かの光となれれば”と発信力を強めたデビュー曲。植田真梨恵の思いを託した曲は、大きな手拍子や歓声に迎えられ、にぎやかなロックンロール・ナンバー「よるのさんぽ」で会場はさらに一体感を増した。ここでバンド・メンバーを紹介し、リハーサル時に誕生日を祝ってもらったことを話すと、再び観客から「おめでとう!」の声が飛んで、バースデーソングの合唱に。デビュー後の初ワンマンということで、自然と肩に力が入っていたところもあったと思うが、ライヴが進むごとに観客との距離も近くなって、このバースデーソングとおめでとうコールに、彼女の笑顔がさらにやわらいだように見えた。

ハンドマイクでステージからグッと身を乗り出すようにして「カーテンの刺繍」、そして太極拳的なポーズから「中華街へ行きましょう」、「ハルシネーション」と、よりポップなステージングで会場を明るく照らし、ラスト・ソングに選んだのは「変革の気、蜂蜜の夕陽」。再びギターを手にとって、エネルギッシュに弾きながら、伸びやかなハイトーンでぎゅっと会場をひとつにする。本編だけで19曲、変化に富んだ内容で魅せる充実のステージだった。

またこの日のアンコールで、2ndシングル「ザクロの実」を11月19日にリリースすることを発表。ひと足早く、披露された。前列には涙ぐむ女の子の姿もあったようだけれど、それも納得の、郷愁感のあるピアノ伴奏でのはじまりから、切ない思いがドラマティックにバーストする曲。これからの季節に寄り添う1曲となりそうだ。

取材・文◎吉羽さおり

■<植田真梨恵LIVE TOUR 2014 UTAUTAU vol.1>
2014.9.23 (火・祝) @原宿アストロホールSETLIST
1.メリーゴーランド
2.ミルキー
3.心と体
4.きえるみたい
5.未完成品
6.シンクロ
7.世界の終わり
8.おおかみ少年
9.アリス
10.ダラダラ
11.朝焼けの番人
12.愛と熱、溶解
13.彼に守ってほしい10のこと
14.S・O・S
15.よるのさんぽ
16.カーテンの刺繍
17.中華街へ行きましょう
18.ハルシネーション
19.変革の気、蜂蜜の夕陽
encore
E1.ザクロの実
E2.サファイア!

■2ndシングル「ザクロの実」
2014年11月19日発売
GZCA-4141 \1200 + 税
<収録曲 全3曲+インスト2曲>
01.ザクロの実
arrange いっせーのーせ drums 車谷啓介 bass 麻井寛史 piano 西村広文
02.ハイリゲンシュタットの遺書
arrange 徳永暁人 all instruments & programming 徳永暁人
03.朝焼けの番人
arrange & grand piano 西村広文
04.ザクロの実 –off vo.-
05.ハイリゲンシュタットの遺書 –off vo.-
全作詞と作曲 植田真梨恵
<特典>スペシャル映像が見られるパスワード封入

■2015年1月ピアノワンマンライブ開催決
<植田真梨恵LIVE OF LAZWARD PIANO –青い廃墟->
【東京】2015.1.10 (土) @ 渋谷WWW
【大阪】2015.1.18 (日) @ BIGCAT 
チケット最速先行 14/9/23(火)20:00~14/10/5(日)23:59 オフィシャルホームページ先行
チケット一般発売日 11/22(土) *全自由
[問]東京公演 H.I.P. 03-3475-9999
[問]大阪公演 サウンドクリエーター 06-6357-9990

■<ZIP-FM 21st ANNIVERSARY ZIP AUTUMN SQUARE>
2014.10.4(土)・5(日) 古屋・栄 久屋大通公園久屋広場
※植田真梨恵は10月4日(土)に出演

■<FM802 MINAMI WHEEL 2014>
2014.10.11(土)・12(日)・13(月・祝) 大阪・ミナミエリア ライブハウス20ヶ所以上
※植田真梨恵出演日 10/12(日) / Music Club JANUS

■<10th Anniversary FM FUKUOKA MUSIC PARTY>
2014.10.13(日) イオンモール福岡 イーストコート特設ステージ
ACT 植田真梨恵、K、剛力彩芽
イベント開催時間 13:00~ ∞観覧無料

■<ROOTER×ROOTER『SPACIUM光線』>
2014.10.31(金) 京都ROOTER×ROOTER
ACT 植田真梨恵、suzumoku、古舘佑太郎(The SALOVERS)
OPEN 18:00 / START 18:30

■<徳永暁人ソロライブ『Route 109』Vol.5>
2014.11.1(土) 福岡大名ROOMS
OPEN 16:00 / START 16:30
ゲスト:植田真梨恵

◆植田真梨恵 オフィシャルサイト
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