【ライブレポート】Ran、5周年記念ワンマン<heart>を植田真梨恵とmihoro*が祝福「歌い続けたい」
活動5周年を迎えた2024年、「あの日 feat.新山詩織」「ドリアン feat.mihoro*」「Lady Frappuccino, feat.植田真梨恵」といったコラボレーションによる楽曲リリースを重ねてきたシンガーソングライターのRan。創作意欲に満ちた日々を経て、2年ぶりとなるワンマンライブ<one man live - heart ->を9月28日にSpotify O-Crestで開催した。久しぶりのバンド編成でもあったこの公演の模様をレポートする。
◆Ran 画像
開演を告げるSEに合わせて手拍子を始めた観客。そして力強いバンドサウンドで包まれたステージにRanが登場。「黒い息」がスタートした。手にしたアコースティックギターをストロークして一心に歌う声が真っ直ぐ迫ってくる。同道公祐(G) 、shizupi(B)、たにお(Dr)、桑原康輔(Key)による熱量の高いアンサンブルの中で存在感を堂々と示していた。
2曲目に突入するとゲストのmihoro*が登場。疾走感に満ちた「ドリアン feat.mihoro*」が会場いっぱいに広がった。ギターを弾きながら歌うRanとハンドマイクのmihoro*が時々笑顔を浮かべながら視線を交わす姿にほのぼのとさせられる。普段から親交が深い彼女たちの絆も伝わってくる温かな共演だった。
▲w/ mihoro*
▲w/ 植田真梨恵
骨太なグルーヴが心地よい「おれんじ」。軽快な手拍子を誘った「シトラスを奪って」。シンセサウンドとダンサブルなビートが印象的な「piece of gum」、さらに3曲が届けられた直後、一旦バックステージに戻ったバンドメンバーの4人。そしてもう1人のゲスト植田真梨恵が現れた。「Lady Frappuccino, feat.植田真梨恵」は音源で聴いても刺激的だが、ライブハウスで体感する心地よさも格別だった。2人の歌声の絡み合いが生む躍動感とハーモニー、随所で滲む毒気、多彩なリズム、起伏に富んだ展開、飛び交う音像…あらゆる要素がドラマチック。曲が幕切れを迎えた時、フロアから大きな拍手が起こった。
「前半でmihoro*ちゃんと真梨恵さんに出ていただくという強行突破感が半端ではないんですが(笑)。みなさんに楽しんでいただけるライブ、自分たちが楽しめるライブをしたいと思います」──Ran
MCを挟んで、再びバンド編成によるライブがスタート。歌声が喪失感を生々しく表現していた「sheets」。Ranと同道が奏でたアコースティックギターがメロディ全体に瑞々しさを添えた「そんなこと」。桑原によるピアノ伴奏とRanの歌を経て他の楽器パートが合流。壮大に広がったサウンドが素敵だった「あなたと」。繊細なタッチの歌による3曲に続いて披露された「蘇生」と「華たち」は、エモーショナルなバンドサウンドと歌声のコンビネーションにワクワクさせられた。落ち着いたトーンの時はもちろん、エネルギッシュな音の中でもRanの歌は輝く。バンド編成のライブは、彼女に似合っていた。
「今年は活動5周年。mihoro*ちゃん、真梨恵さん、詩織さんと制作をする機会がありました。福岡から上京して6年目です。10代の頃から応援してくださっている方々がいて、時の流れは早いなと感じます。今までやってきたこと、今やっていること、これからのこと、いろいろお見せできるライブにしたいなと思って、リハからやってきました。今年はまだ終わりませんが、5年目の集大成として素敵なバンドメンバーのみなさんと一緒にライブができて嬉しいです」──Ran
MCを経て、ライブ本編は佳境を迎えた。観客の掲げた拳がフロアで勢いよく揺れた「愛おしい日々」。ギターを弾きながら歌う表情から凛々しい意志が伝わってきた「あの日」。そしてラストを飾った「夜逃げ」は、高鳴るバンドサウンドと狂おしい歌声の融合が圧倒的だった。アンコールを求める手拍子に応えて、ステージに戻ってきたRan。
「歌うことが好きで始めた音楽だけど、これから何があっても歌うことが好きなのは変わらないと思います。歌っているかぎり、みなさんが聴いてくださることを願って、もっとたくさんのみなさんに届くことを願って、同じような気持ち、同じような境遇の人が救われることを願って歌い続けたいなと思いました」──Ran
こう語った後、mihoro*をステージに呼び込んだ。歌うパートを間違えたことをRanが謝罪したところから始まったトークは、いつの間にか服装の話へと発展。「最近寒いよね?」というmihoro*の発言を聞いてRanは驚いていた。9月の末とはいえ、まだ日中はそこそこ暑い…。
「何℃以下だと寒いと思うの?」──Ran
「30℃」──mihoro*
「ヒートテックはまだだよね?」──Ran
「ヒートテックは10月以降と決めてる」──mihoro*
不思議な会話が延々と続くのを見かねた植田真梨恵が「まだかな?」とステージ袖から飛び出してきて観客は大笑い。
「真梨恵さんのお家に行って制作をさせていただきました。その節はありがとうございました」──Ran
「Ranちゃんが夏の合宿みたいな感じで大阪に来てくれて。カッコいい曲になったと思う」──植田真梨恵
「Lady Frappuccino,」について語り合った2人の表情からは、一緒に制作した曲への自信と手応えが窺われた。ゲストの2人を見送ってから、ギターを手にしたRan。「ちょっと弾き語ろうかなと思います。今年初めて楽曲を提供させていただきまして」と言って歌い始めたのは、小片リサに提供した「幻」。そしてフィンガーピッキングによる「ねぇ」も弾き語りで届けられた後、ステージに戻ってきたバンドメンバーたち。
「みんなラーメンが好きなんです。ラーメンツアーをいつかやりましょう」とRanに言われて頷くメンバー4人の表情が明るい。
そしてラストの曲「ご飯の食べ方」は、音を奏でる喜びを全員で溢れ返らせていた。観客も高鳴る胸の鼓動を抑えられなくなったのだろう。フロアから沸き起こった手拍子が会場を震わせていた。演奏が終了すると、横1列に並んだRanとバンドメンバーたちが深々とお辞儀。ステージを後にした1人1人は、満ち足りた表情を浮かべていた。
5年間で積み重ねてきたことの大きさ、辿り着いている現在地への感謝、今後の活動への意欲が伝わってきたライブだった。そして何よりも印象的だったのは、歌うこと、ギターを弾くことが好きで好きで堪らないのだろうなと思わせるRanの姿だった。歌と音楽への愛情を土台としながら歩んでいるRanが見せてくれるであろう、5周年の先に注目したい。
取材・文◎田中大
撮影◎達川範一 (B ZONE)
■5周年記念<Ranワンマンライブ - heart ->2024年9月28日(土)@東京・渋谷 Spotify O-Crest セットリスト
02. ドリアン feat.mihoro*
03. おれんじ
04. シトラスを奪って
05. pieca of gum
06. Lady Frappuccino, feat.植田真梨恵
07. sheets
08. そんなこと
09. あなたと
10. 蘇生
11. 華たち
12. 愛おしい日々
13. あの日
14. 夜逃げ
encore
en1. 幻 (弾き語り)
en2. ねぇ (弾き語り)
en3. ご飯の食べ方
■コラボ企画第三弾 「Lady Frappuccino, feat.植田真梨恵」
配信リンク:https://lit.link/ponponrantan
Lyric:Ran, 植田真梨恵
Compose:Ran, 植田真梨恵
Arranged:森良太
■コラボ企画第二弾 「ドリアン feat.mihoro*」
配信リンク:https://ran.lnk.to/dorian
Lyric:Ran, mihoro*
Compose:Ran, mihoro*
Arranged:坂本夏樹
■コラボ企画第一弾 「あの日 feat.新山詩織」
配信リンク:https://ran.lnk.to/anohi
Lyric:Ran, 新山詩織
Compose:Ran, 新山詩織
Arranged:黄勝日
■新山詩織「春曇りfeat.Ran」
2024年4月27日(土)配信開始
配信リンク:https://niiyamashiori.lnk.to/harugumorifeatran
詳細:https://niiyama-shiori.com/cat-info/2024/04/03/3100/
1. 春曇り(feat.Ran)
作詞:Ran / 作曲:新⼭詩織
2. ゆらり
作詞&作曲:新⼭詩織
3. Free~16 Strings ver~
作詞:⼭崎あおい / 作曲:新⼭詩織
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