[クロスビート編集部員リレー・コラム] 杉山編「スレイ・ベルズ」

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3月の「トップ10 オブ・ザ・マンス」で紹介したM.I.A.の新作にも参加していると噂の、ブルックリンのノイズ・ポップ系男女デュオ、スレイ・ベルズ。実は彼女達自身も2010年のアルバムを期待されるバンドで、3月スタジオ作業中の写真を公開し、デビュー作は春頃の発表かと英米で騒がれている。

その音を初めて聴いた時は、本当に驚いた。M.I.A.風のトラックにノー・エイジを思わせる轟音ギター・ノイズが融合し、その上にザ・ティン・ティンズにも通じるポップなメロディが乗る。と同時にハードコア風にシャウトする瞬間もあって、どうやらその秘密は彼らの出自にあるらしい。

メンバーはアレクシス・クラウス(Vo)とデレク・ミラー(G)。デレクはその昔、前衛ポストハードコア・バンド、ポイズン・ザ・ウェルに在籍。一方のアレクシスはルビーブルーというティーン・ポップ・グループに所属していた。2人はデレクが働いていたレストランで出会いバンドを結成。現在は MySpaceでのみ音源を公開中だが、前出の3作の魅力が混在する音は今後要注目だと思う。

……と書いていたら、“ジョン・ピールの意志を継ぐ”とも称されるBBC Radio 6が閉鎖の危機との情報が。“新人は売れない”“メディアの役目は終わった”と言われる昨今の風潮がモロに反映された印象だが、しかし、情報が人を介して伝わるのは変わらない。そして新しい音楽が刺激的なのもまた、同じだと思う。

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