増田勇一の欧州日記(6)
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▲終演直後のユトレヒトのオーディエンス。女子率がえらく高く見えるのだが、フロアのなかほど以降はむしろ男子が目立っていた。 |
と、すっかり余談が長くなってしまったが、6月10日、ユトレヒトの<TIVOLI>で観たDIR EN GREYの単独公演は、お世辞も贔屓も手加減も抜きにして、これまでに観てきた彼らのライヴのなかでも、確実にベストの部類に入るものだった。今回のツアー初日、<ROCK IM PARK>では“自分たちのライヴ”に徹するあまり、彼らは“偶然の目撃者たち”をしっかりと繋ぎとめておくことができず、フェスの厳しさを改めて痛感させられることになった。それが2日後の<ROCK AM RING>では大幅に改善され、さらにこのツアーにおける最初のワンマン公演となったこの夜は、「これでこそDIR EN GREY!」と声を上げたくなるほどのライヴになったというわけだ。
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▲ユトレヒトおまけ写真。自転車に乗りながら自転車を運ばなければならないとき、やっぱり手段はこれしかありません。しかし、のどかだ。東京でコレをやるわけにはいかないよなあ。 |
しかもフロアを埋め尽くしていたのは、偶然ではなく必然的な目撃者たち。変な話、国外のファンが日本語で合唱するというだけでも本来は普通じゃないはずなのだが、そうした光景をすでに見慣れてしまっている僕の目から見ても、この夜のオーディエンスは素晴らしかった。『UROBOROS』収録曲たちのめまぐるしい展開にも、一瞬たりとも遅れることなく、開場全体が同調しながら揺れる。もちろん、なかには初めてDIR EN GREYを観ることになった観客もいたはずだが(実際、終演後に話を訊いたなかにもそうしたファンは少なくなかった)、ほぼすべてのオーディエンスがあらかじめ『UROBOROS』を熟聴していることが確信できる熱い反応ぶりだった。
そしてこの夜の終演後まもなく、メンバーたちを乗せたツアー・バスは、次の公演地であるフランスのパリに向けて出発。僕を含む別働隊はここで一泊して、早朝から一行を追いかけることになる。パリでのライヴはKILLSWITCH ENGAGEとの、いわゆる“対バン”形式によるもの。相手は強敵。考えただけで興奮してくる。ただ、肝心のライヴの前にも、彼らにはすべきことが多々あったりするのだが。
では、次回更新をお楽しみに。
増田勇一
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