新作リリースのポール・ウェラー、独占インタヴュー
今週、UKで9枚目のソロ・アルバム『22 Dreams』をリリースするポール・ウェラー。先日行なわれたロンドン公演では、“UKロック・シーンのパイオニアの1人”という呼び名に相応しい、男気があってエッジのきいたロック魂を見せつけてくれた。そのツアーが始まる直前、サリー州リプレーにある彼のスタジオで話を聞くことができた。
“ウェラー=モッズ”との公式に嫌気がさしているのかと思いきや、スタジオの壁はスモール・フェイセズやザ・フーのポスター、モッズのロゴ、スクーター、パーカーのグッズで占められていた。
後光が挿して見え大緊張していた筆者をよそに、本人はワインを片手にリラックスした状態で(しかし、彼らしくぶっきらぼうで簡潔に)質問に答えてくれた。
◆ ◆ ◆
――今日はツアーのリハーサルをしていたとお聞きしていますが、どんなショウになるのでしょう?
ウェラー:新作からの曲をたくさんやる。それにプラス・アルファかな。これまでの作品をミックスしたものになる。
――新作ではいろんなジャンルのミュージックを網羅しているので、全てのトラックをプレイするのは難しいのでは?
ウェラー:そうだね、ライヴでやれるものもあれば、やれないものもある。オーケストラが必要なものもあるし…。でも多分、半分、12,3曲はできるんじゃないかな。
――ライヴは何人編成で?
ウェラー:5人だ。ベース、ドラム、キーボード、それに俺とスティーヴ(・クラドック/オーシャン・カラー・シーン)がギターをプレイする。
――新作のタイトルですが、21曲収録なのにも関わらず、なぜ『22 Dreams』と名づけられたのですか?
ウェラー:もともとは22曲収録するつもりだったんだけど、1曲、気に入らなくてボツにしたんだ。自分らのために取っとくことにした。
――前作『As Is Now』は数週間という短期間でレコーディングされたということですが、今回はどれくらいかかったのでしょうか?
ウェラー:5~6ヶ月かな。たくさん曲があったからね。2007年の9月にスタートして、休みを入れながら2008年2月に完成した。
――長いキャリアの中にはアップ・ダウンもあったと思いますが、いまはどんな時期でしょう?
ウェラー:ポジティヴだね。ポジティヴでクリエイティヴだ。それはこのアルバムにも反映されていると思うよ。いろんなことを実験したし、これまでやったことがないジャンルのミュージックも収録してる。ああ、すごくクリエイティヴな時期だと思うよ。
――確かにいろいろなジャンルの音楽が入っていますが、どこか一貫しているように思います。このアルバムを作っているとき、何かテーマがあったのでしょうか?
ウェラー:とくにないよ。でも、曲を作り始めたのがちょうど2007年の今頃だったから、1年の周期っていうか、四季が反映されてるんじゃないかな。個人的には音楽の旅って気がしている。アルバムの制作に関わった人たちの1年分の人生が反映されてるんじゃないかと思う。
――先日、ロジャー・ダルトリーが主催するチャリティ・コンサートに参加なさいましたが、あなたがいま1番気にかけている社会問題は何でしょう?
ウェラー:いろいろ、あるよ。戦争…、う~ん、それがまず頭に浮かぶな。
――アルバムには政治的なところもありますか?
ウェラー:全くない。ないね。そんなことに関わってるひまはないよ。政治に関していえば、いまは何も信じるものはない。今回の作品はそれよりもっと精神的なものだ。
――他人のためというより、自分のために作った感が強いのでしょうか?
ウェラー:正直言って、確かにそういう部分はある。それで他の人が気に入ってくれたり、共感を持ってくれればいいなと思ってる。市場を考えてアルバム作るなんてことには全く興味ないからな。
――ティーンエイジャーのお子さんたちの聴く音楽からインスパイアされたり、新しい音楽を紹介してもらうことがあると聞いていますが、彼らはこのアルバムを聴いて何と言っていましたか?
ウェラー:気に入ったと思うよ。少なくとも、そう言ってたよ(笑)。いろんなタイプの曲があるからね。気に入ってたんじゃないかな。
――いま、お気に入りのミュージシャンは?
ウェラー:ローラ・マーリンっていう女性ソロ・シンガー。それにジ・エナミーかな。
――最近、誰かのアルバムを買いましたか?
ウェラー:最近? 誰のを買ったかな……、アルバムはよく買うけど、最近なに買ったか覚えてない。うーん……、思い出せない、ワルイ。
――サマー・ソニックでの来日を待ちわびているファンがたくさんいますが、彼らにメッセージをいただけますか?
ウェラー:日本でまたみんなに会えるのを、すごく楽しみにしてる。もう2年前になるかな? しばらく行ってないからね。日本でプレイするのは楽しみだ。いま30曲ほど、リハーサルしてる。もっと増えるかもしれない。ジャムの時代からこれまでの集大成になるよ。
◆ ◆ ◆
先月行なわれたUKツアーには、オーシャン・カラー・シーンのクラドック(G)をはじめ、ザ・スタンズのスティーヴ・ピルグリム(Dr)らが参加。ロンドン最終日(5月23日)の公演にはオアシスのノエル・ギャラガー、ゲム・アーチャー、ザ・フーのロジャー・ダルトリーもゲスト出演。2日後に迫ったウェラーの50歳の誕生日を祝った。
ウェラーの新作『22 Dreams』は月曜日(6月1日)英国発売。日本盤は7月2日にリリースされる。“モッド・ファザー”のみならず“ブリット・ポップの父”でもある彼は、サマー・ソニックで来日。UKのミュージック・ファンには、是非、そのルーツを体験して欲しい。
Ako Suzuki, London
“ウェラー=モッズ”との公式に嫌気がさしているのかと思いきや、スタジオの壁はスモール・フェイセズやザ・フーのポスター、モッズのロゴ、スクーター、パーカーのグッズで占められていた。
後光が挿して見え大緊張していた筆者をよそに、本人はワインを片手にリラックスした状態で(しかし、彼らしくぶっきらぼうで簡潔に)質問に答えてくれた。
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――今日はツアーのリハーサルをしていたとお聞きしていますが、どんなショウになるのでしょう?
ウェラー:新作からの曲をたくさんやる。それにプラス・アルファかな。これまでの作品をミックスしたものになる。
――新作ではいろんなジャンルのミュージックを網羅しているので、全てのトラックをプレイするのは難しいのでは?
ウェラー:そうだね、ライヴでやれるものもあれば、やれないものもある。オーケストラが必要なものもあるし…。でも多分、半分、12,3曲はできるんじゃないかな。
――ライヴは何人編成で?
ウェラー:5人だ。ベース、ドラム、キーボード、それに俺とスティーヴ(・クラドック/オーシャン・カラー・シーン)がギターをプレイする。
――新作のタイトルですが、21曲収録なのにも関わらず、なぜ『22 Dreams』と名づけられたのですか?
ウェラー:もともとは22曲収録するつもりだったんだけど、1曲、気に入らなくてボツにしたんだ。自分らのために取っとくことにした。
――前作『As Is Now』は数週間という短期間でレコーディングされたということですが、今回はどれくらいかかったのでしょうか?
ウェラー:5~6ヶ月かな。たくさん曲があったからね。2007年の9月にスタートして、休みを入れながら2008年2月に完成した。
――長いキャリアの中にはアップ・ダウンもあったと思いますが、いまはどんな時期でしょう?
ウェラー:ポジティヴだね。ポジティヴでクリエイティヴだ。それはこのアルバムにも反映されていると思うよ。いろんなことを実験したし、これまでやったことがないジャンルのミュージックも収録してる。ああ、すごくクリエイティヴな時期だと思うよ。
――確かにいろいろなジャンルの音楽が入っていますが、どこか一貫しているように思います。このアルバムを作っているとき、何かテーマがあったのでしょうか?
ウェラー:とくにないよ。でも、曲を作り始めたのがちょうど2007年の今頃だったから、1年の周期っていうか、四季が反映されてるんじゃないかな。個人的には音楽の旅って気がしている。アルバムの制作に関わった人たちの1年分の人生が反映されてるんじゃないかと思う。
――先日、ロジャー・ダルトリーが主催するチャリティ・コンサートに参加なさいましたが、あなたがいま1番気にかけている社会問題は何でしょう?
ウェラー:いろいろ、あるよ。戦争…、う~ん、それがまず頭に浮かぶな。
――アルバムには政治的なところもありますか?
ウェラー:全くない。ないね。そんなことに関わってるひまはないよ。政治に関していえば、いまは何も信じるものはない。今回の作品はそれよりもっと精神的なものだ。
――他人のためというより、自分のために作った感が強いのでしょうか?
ウェラー:正直言って、確かにそういう部分はある。それで他の人が気に入ってくれたり、共感を持ってくれればいいなと思ってる。市場を考えてアルバム作るなんてことには全く興味ないからな。
――ティーンエイジャーのお子さんたちの聴く音楽からインスパイアされたり、新しい音楽を紹介してもらうことがあると聞いていますが、彼らはこのアルバムを聴いて何と言っていましたか?
ウェラー:気に入ったと思うよ。少なくとも、そう言ってたよ(笑)。いろんなタイプの曲があるからね。気に入ってたんじゃないかな。
――いま、お気に入りのミュージシャンは?
ウェラー:ローラ・マーリンっていう女性ソロ・シンガー。それにジ・エナミーかな。
――最近、誰かのアルバムを買いましたか?
ウェラー:最近? 誰のを買ったかな……、アルバムはよく買うけど、最近なに買ったか覚えてない。うーん……、思い出せない、ワルイ。
――サマー・ソニックでの来日を待ちわびているファンがたくさんいますが、彼らにメッセージをいただけますか?
ウェラー:日本でまたみんなに会えるのを、すごく楽しみにしてる。もう2年前になるかな? しばらく行ってないからね。日本でプレイするのは楽しみだ。いま30曲ほど、リハーサルしてる。もっと増えるかもしれない。ジャムの時代からこれまでの集大成になるよ。
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先月行なわれたUKツアーには、オーシャン・カラー・シーンのクラドック(G)をはじめ、ザ・スタンズのスティーヴ・ピルグリム(Dr)らが参加。ロンドン最終日(5月23日)の公演にはオアシスのノエル・ギャラガー、ゲム・アーチャー、ザ・フーのロジャー・ダルトリーもゲスト出演。2日後に迫ったウェラーの50歳の誕生日を祝った。
ウェラーの新作『22 Dreams』は月曜日(6月1日)英国発売。日本盤は7月2日にリリースされる。“モッド・ファザー”のみならず“ブリット・ポップの父”でもある彼は、サマー・ソニックで来日。UKのミュージック・ファンには、是非、そのルーツを体験して欲しい。
Ako Suzuki, London
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