期待の大型新人ダフィー、デビュー前の初陣をレポ

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BBCが発表した今年活躍が期待される新人リスト<Sound Of 2008>で2位に選ばれたダフィが、1月の中旬から4週間にわたり毎週水曜日、ロンドンのクラブPigalleでライヴを行なっている。その2日目(1月23日)を見ることが出来た。

ダフィーはちょっとブリジッド・バルドー似の23歳。昨年秋、カルト音楽番組『Later With Jools Holland』でのパフォーマンスが注目を集めた。デビュー前にして“大型”“本各派”シンガーとの呼び名が高いが、ステージに登場した本人は、そんなビッグな前評判とは裏腹に緊張しているのが明らかで初々しい。

しかし、控えめに恥ずかしそうに現れたものの、デビュー・アルバムのオープニング・トラックでもある「Rockferry」を歌い出した途端に雰囲気が一転。ベテラン歌手のような“貫禄”を漂わせ始めた。その歌声は可愛らしい外見にはそぐわず、ややかすれ気味でパンチのあるソウルフルなもの。そして、日本の民謡歌手に通じるようなコブシも利いている。エイミー・ワインハウスやダスティ・スプリングフィールドと比べられることの多い彼女だが、その歌いっぷりは、英国の美空ひばり(?)スプリングフィールドに近いだろう。

この夜は、ショウ・ケース的な役割も兼ねており、間もなくリリースされるデビュー・アルバム『Rockferry』の全トラックをパフォーマンスしてくれた。どれも、いぶし銀のような渋い歌声が光っていたが、とくにバラード調の「Syrup & Honey」では、第一声が発せられた途端、それまでざわめいていた会場が水を打ったようにシーンとなり、オーディエンス全員が聞き惚れていた。

まだステージ慣れしていないためか、そのシャイな性格のためか、自分を出し切っていない感はあったが、この初々しいところがいまの彼女の魅力かもしれない。あの歌声に負けない堂々とした態度を取られたら完成度が高すぎる。

「ウェールズの片田舎からロンドンまで来れて、嬉しい」との微笑ましい発言をしていた彼女。ロンドンどころか、日本のステージに立つ日も近いはず。本人が考えている以上に、彼女に対する期待や評価は高いのだ。

この夜のセット・リストは以下の通り。

「Rockferry」
「Warwick Avenue」
「Hanging On Too Long」
「Serious」
「Breaking My Own Heart」
「Syrup & Honey」
「Stepping Stone」
「Delayed Devotion」
「Mercy」
アンコール
「Distant Dreamer」

ダフィのデビュー・アルバム『Rockferry』は3月3日にリリースされる(英国発売)。先日、CDショップで「ダフィのアルバムはどこ?」と問うお客さんの姿を見かけた。まさしく“待望”のデビュー・アルバム発売となる。

Ako Suzuki, London
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