SHOW-YAのヴォーカリスト寺田恵子 単独インタビュー
──脱退からもう14年経つわけですね。まず、今回再結成に至る経緯を教えてください。
寺田恵子(以下、寺田):私は15周年で再結成したくてメンバーに声をかけたんだけど、SHOW-YAが解散してからまだ2年しか経ってなかったので、あっさり断られちゃって。“15周年の次は20周年か、5年で一人ずつ説得していこう”と。再結成のきっかけは、自分が大人になったっていう気持ち的なことが大きいかな。SHOW-YA時代は結構わがままし放題だったのね。今は大人になったし。みんなと上手くやっていけるかな、と。
──一人ずつ説得していったんですか? どんなカンジで?
寺田:ドラム(角田美喜)を自分のソロのレコーディングに呼ぼうとしたんだけど無理で、じゃあライブで叩いてくれない?って言ったらオッケーで。で、二人で活動している間に、他のメンバーにライブ観にきてもらったりして。その時に、みんなが“二人楽しそうだね”とか言ってたから手ごたえは感じてた。お酒の席で、さりげなく“再結成してみたりして?”なんて言ったりね。それが二年くらい続いたかな。で、一年前くらいから実質的に再結成の打診を始めたの。まずは、キーボード(中村美紀)に“できるかできないかは別にして、気持ちを知りたい”って言ったら、“うん、いいよー”って。でも、ベース(仙波さとみ)とギター(Miki sun-go Igarashi)がなかなか首を縦に振らなくて。「うん」って言うまで半年もかかったの。
──そんなにまでSHOW-YAをもう一度やりたいと思ったのは?
寺田:自分がギター始めたのがきっかけかな。自分が自信がない時は、SHOW-YAはできないと思ってたの。みんなにわがまま言ったりする方向にはいきたくなかったから。ギターで弾き語りで歌を歌うようになって、私もみんなを引っ張っていける力を持ったかもしれないって思うようになったかな。SHOW-YAをやってる時って、みんな強くて自信満々に見えたかもしれないけど、私はいっぱいいっぱいだった。みんなの足を引っ張ってるんじゃないかって、そんなことばっかり考えたりしてた。でも、フロントマンとして強気に喋っていかなきゃいけないし。今はそんな無理がなくなった。ギターを始めてから。
──ギターを始めてから、自分の音楽に自信が持てるようになった?
寺田:うん。みんなで曲を作るときも、“そこを何のコードにして”って言えたり。前は“青色にして”とか言ってたけど。そもそもギターを始めたきっかけは、日本を脱出しようと思ったからなのよ。ニューヨークのタイムズスクウェアで、ぼろぼろのコート着てのたれ死のうと思ったの。
──ストリートミュージシャンとして?
寺田:当時は、甲高い声のヴォーカルが流行ってた頃なのね。だからレコーディングしても、“今の時代の声じゃない”なんて言われて。それが苦しかったのもあって海外行こうと思った。でも、ギターを始めたらスタッフが気に入ってくれて、アコースティックライブをやろうという話になって、いろんな場所で演った。友達のお店や飲み屋でも。
──その時は、自分の気持ちはどうだったんですか?
寺田:絶望的な感情はなくて、すっごく前向きです。楽器がないとアカペラで歌うことしかできないし、ライブもやりにくい。弾き語りを始めてからは、日本にも発表の場があるってわかったから、とても前向きになったの。
──そこで、凄腕のミュージシャンを従えてやっていく、という発想には行かなかった?
寺田:一緒にバンドやろうって誘ってくれたけど、踏み込めなかったのね。セッションならいいけど、バンドはイヤだった。
──そんな経緯があって、近年では全日本女子プロバンドが始まって。
寺田:全女のメンバーは、PRINCESS PRINCESSのきょんちゃん(富田京子)、あっこちゃん(渡辺敦子)、Miki sun-go Igarashi、力石というキーボードの子。自分達は普通に活動していたんだけど、ファンが戸惑うのね。当時から友達だったんだけど、雑誌とかではSHOW-YAとPRINCESS PRINCESSはライバル関係の扱いを受けてたから、互いの曲を歌うとファンが戸惑ったりして。このバンド自体は休止状態だけど、まだあるのよ。
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