<FRF'05>フー・ファイターズ、再び頂点まで登り詰める

登場順は、今回のフジで最高の注目株だったコールドプレイの後。目下世界一の人気アクトの後の出番ということもあり、トリながらもなかなか難しいシチュエーションではあったと思うのだが、そこはさすがに百戦錬磨のライヴで鍛え上げたバンド。自然体のままのホットなプレイでたちまち大観衆を魅了する。決して手の込んだワザを見せつけるわけでも、ロックをネクスト・レヴェルに進めるような高等技術を持っているわけでもないが、しかしデイヴ・グロールは、いつの世においてもどういうロックンロールがキッズに最初に興味を持たせ、かつ大人の心を普遍的に掴み続けているかを本当によく知っている。コンパクトにまとまったタイトな楽曲と誰もが口ずさめるグッド・メロディ。KISSにチープ・トリックにラモーンズ……。いつの世にもこうしたシンプルで爽快なロックがあって欲しい。
「All My Life」や「My Hero」「Everlong」「Slacked Actor」「Monkey Wrench」などの名曲を聴いていると、楽しいと同時にそんな感傷まで起こって来てしまう。先の2枚組の新作では「彼らもやや大御所っぽくなり過ぎたかな」とやや心配もしたが、このライブを見る分には、「永遠のロック少年」の感性を止めたデイヴのセンスに思わず唸らされてしまう。

いちニルヴァーナ・ファンとしてはじ~んと来た。そしてアンコールでは、ファン待望! デイヴ自らがドラム台に座り、ドラマーのテイラー・ホーキンスをヴォーカルに据えて一曲披露。ニルヴァーナ時代を伝説でしか知らない今の若いキッズもこれには大喜びだった。ニルヴァーナが去って10年。しかし、その間、ニルヴァーナとはまるで違った切り口で再び頂点まで登り詰めたデイヴ・グロール。改めて拍手を送りたい気分になった。
取材・文●沢田太陽
Photo/Barks
フー・ファイターズ
2005/7/29 GREEN STAGE
1. IN YOUR HONOR
2. ALL MY LIFE
3. TIMES LIKE THESE
4. MY HERO
5. BEST OF YOU
6. UP IN ARMS
7. LEARN TO FLY
8. LAST SONG
9. THE ONE
10. STACKED ACTORS
11. THIS IS A CALL
12. EVERLONG
13.MONKEY WRENCH
─ ─ ─
14.COLD DAY IN THE SUN
15.BREAKOUT
BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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