タワーレコードとHMVが洋楽CDの輸入禁止に“NO!”
輸入盤の洋楽CDが販売禁止になる!? 6月3日に衆議院本会議で可決、成立し、2005年1月1日から施行される「著作権法の一部を改正する法律案」。これは、日本での価格より安く売られているアジア諸国で作られた邦楽CDが、逆輸入されることにより日本盤の販売不振を招くことを防止する(音楽レコードの還流防止措置)目的のために出された著作権法の改正案である。もちろん、これは海賊盤ではなく、日本のレコード会社から正式なライセンスを受けて海外で作られた正規の邦楽CDの話だ。
しかし、この改正案が成立すると、欧米先進国のレコード会社にも適用されるという問題点が浮上した。日本盤が出ている洋楽CDの輸入が禁止になる可能性があるのだ。日本盤よりも20~30%くらいは安いということで、世界中の音楽に接する機会を増やし、音楽文化を豊かにしてくれた輸入盤が手に入らなくなる可能性が出てきたのだ。日本盤が出ていない洋楽CDにはこれは適用されないが、どちらにしろ、消費者が迷惑をこうむるのは間違いない。
この改正案に対し、日ごろはライバル関係にあるタワーレコードとHMVが6月8日に共同記者会見を行い、タワーレコードの森脇社長とHMVジャパンのデゼルスキー社長が共同で声明を出した。「好きな音楽を自由に選び、自由に聴く権利」が侵害されることのないように、というのが趣旨だ。この声明の中では、洋楽の輸入盤CDの輸入規制が起こらないよう、文化庁や日本レコード協会などに働きかけ動きを注視すること、「欧米諸国からの洋楽の並行輸入が阻害されるなどの場合には適切な対策を講じる」という付帯決議を守るように働きかけること、消費者に不利益が生じる可能性が発生した場合には必要な行動をとること、という3つを宣言している。
音楽評論家の高橋健太郎、ピーター・バラカンも出席して行われた記者会見には、音楽関係者が多数つめかけ、熱を帯びた質疑応答が繰り返された。この改正案の拡大解釈による輸入盤の洋楽CDの輸入禁止という最悪の事態が起こる可能性は現段階では低いという見解に落ち着いたが、継続して関係省庁、団体の動向を注視していくという方向で記者会見は終了した。
これに対し、日本レコード協会では同日、「この改正法案によって、欧米諸国で製造、販売されている洋楽レコードの日本への輸入が禁止されることはない」とのメッセージを出した。
しかし、この改正案が成立すると、欧米先進国のレコード会社にも適用されるという問題点が浮上した。日本盤が出ている洋楽CDの輸入が禁止になる可能性があるのだ。日本盤よりも20~30%くらいは安いということで、世界中の音楽に接する機会を増やし、音楽文化を豊かにしてくれた輸入盤が手に入らなくなる可能性が出てきたのだ。日本盤が出ていない洋楽CDにはこれは適用されないが、どちらにしろ、消費者が迷惑をこうむるのは間違いない。
この改正案に対し、日ごろはライバル関係にあるタワーレコードとHMVが6月8日に共同記者会見を行い、タワーレコードの森脇社長とHMVジャパンのデゼルスキー社長が共同で声明を出した。「好きな音楽を自由に選び、自由に聴く権利」が侵害されることのないように、というのが趣旨だ。この声明の中では、洋楽の輸入盤CDの輸入規制が起こらないよう、文化庁や日本レコード協会などに働きかけ動きを注視すること、「欧米諸国からの洋楽の並行輸入が阻害されるなどの場合には適切な対策を講じる」という付帯決議を守るように働きかけること、消費者に不利益が生じる可能性が発生した場合には必要な行動をとること、という3つを宣言している。
音楽評論家の高橋健太郎、ピーター・バラカンも出席して行われた記者会見には、音楽関係者が多数つめかけ、熱を帯びた質疑応答が繰り返された。この改正案の拡大解釈による輸入盤の洋楽CDの輸入禁止という最悪の事態が起こる可能性は現段階では低いという見解に落ち着いたが、継続して関係省庁、団体の動向を注視していくという方向で記者会見は終了した。
これに対し、日本レコード協会では同日、「この改正法案によって、欧米諸国で製造、販売されている洋楽レコードの日本への輸入が禁止されることはない」とのメッセージを出した。
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