エアロスミス、不治の病のファンにキスの贈り物

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カナダのマニトバ州ウィニペグで行われたエアロスミスのコンサートで、スティーヴン・タイラー(Vo)が病に苦しむファンの願いをかなえた。5月19日付のWinnipeg Sunによれば、彼はコンサート終了後に車いすの女性、ジャン・スミノフにキスを贈った。スミノフは強皮症を患い、医師から数年の命と宣告されている。強皮症は皮膚や内臓が硬く変化する病気で、完治することのない難病。男性患者の比率は低く、特に女性に多く見られる。

3人の子供を持つ彼女は、残された命を好きな音楽に費やすことを決意。住居を含む全財産を処分して、子供たちと一緒に北米とヨーロッパで可能な限り多くのコンサートを楽しんでいる。彼女は公演会場で「スティーヴ、あなたを愛してる。……死ぬ前にキスして」と書かれたメッセージを掲げた。タイラーは、演奏中はその言葉に反応しなかったが、終了後にバンドが宿泊するホテルへ駆けつけた彼女を見て「来てくれてうれしい。きみのメッセージが目に入った。観客の中へ飛び込んでキスしたかった」と話しかけた。スミノフが事情を説明すると、タイラーは彼女にやさしくキスした。スミノフが、同情してもらうのでなく、「世界の人々に強皮症という病気を知ってもらうのが目的」と話すと、タイラーは「それじゃ、俺がそうしよう」と答えたという。

彼女はまた「私は(タイラーに)“あなたの音楽があるから、こうして生きていける”と伝えた」と同紙に話している。

エアロスミスは5月20日、アルバータ州カルガリーでコンサートを行った。次の公演は5月22日、オレゴン州ポートランドのクラーク・カントリー・アンフィシアター。来日公演は7月10日に札幌ドームからスタートする。

T.Kimura
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