稀有な歌い手、矢野真紀が語る。

2005.11.03 08:16

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NEW SINGLE



「このまま…」


2005年10月5日発売

WTCM-1004 \1,050(tax in)

1. このまま

2. 好きな人

















おためしアルバム



『やのまき』


2005年11月23日発売

WTCS-1006 \2,100(tax in)



1. 大きな翼

2. 夢を見ていた金魚

3. オアシス

4. いつか僕が還る場所

5. さよなら色はブルー

6. ボクの空

7. 夜曲

8. このまま…

























【メッセージ】





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【「このまま…」PV】





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■マグカップ / 3名様

■提供元:喝采



【プレゼント応募クイズ】

矢野真紀は「このまま…」のレコーディングを行なう際、バンド・メンバーに何と言って曲のイメージを伝えたしょう? 次の中から選んでください。

1. 日曜日の昼下がり

2. 昼下がりの有閑マダム

3. 日曜日の中目黒


答えが分かったら

応募はコチラから











――移籍して、なにか心境の変化は?



矢野真紀:よくみなさんに訊かれるんですけど、それほどないんです。事務所がレーベルを作って、今はそこから作品を出していて、窓口が一つになったことでさらにコンパクトになって。より、近しいところで制作をみんなとやれるようになったという感じです。そういった意味での環境の変化はありましたけど。それ以外、活動自体もそんなに変わったというのは実はあまりないんです。



――音楽制作の部分でいうと、矢野さんはこれまで亀田誠司さんや寺岡呼人さんなど、いろんな人にプロデュースしてもらっていた訳ですが、移籍してセルフ・プロデュースという挑戦もありましたよね?



矢野:いつかは自分で自分をプロデュースするということをやりたいって思っていましたが、たまたま今回、そういう機会を与えていただいて…。やってみると、想像以上に大変でした。それ以上に、デビューして6年間のなかで、一緒に音楽をやってきた人たちとの音楽の輪っかというのがどれだけ強くて確かなものだったのかという確認をさせていただく、すごくいい機会だと思いました。これからも、いい人との出会いがあれば一緒に作ったり、自分でできそうなときがあれば自分でやったり。そこは人との出会い、縁、タイミングをみてやっていこうかなと思っています。



――人との出会い、その縁やタイミングをとても大事にしてらっしゃるというか。



矢野:大事にしてます。出会いがすべてだと思います。ホントに一人でやりたかったら、私はここにはいないと思います。私はあえて、人といっぱい関わりたくて、自分が分からないことを人の力を借りたり、教えていただきながら、自分も学んでいって。そこで刺激を受けて、背中を押し合いながら、波動のやりとりをしながら、作品を残していきたいと思っています。



――音楽人というところを離れたところでの矢野さん自身は、積極的に人との出会いを求めていくタイプですか?



矢野:苦手ですね。だから、音楽では普段は苦手なコミュニケーションをちゃんとしていきたいという気持ちになるんだと思います。



――そこが矢野さんが音楽をやる原動力?



矢野:本当にそう思います。最近つくづく(笑)。



――人とはつながりあいたい。その行動に表せない思いが歌となり曲となり。



矢野:そうですね。だから、実際自分の思いを作品にすることで“ちゃんと作品を聴いたよ”ってことだったり、ライヴでのお客さんの反応だったり、いろんなレスポンスが返ってくるから。そこでやっと私の場合キャッチボールが成立して。人とつながれているな、生きてるなって実感させていただける場が音楽に触れている瞬間とイコールになってるので。だから、私にとって音楽に触れている場所は唯一のコミュニケーションの場なんです。



――なるほど。それでは今回のニュー・シングル「このまま…」についてですが。



矢野:これは恐ろしいぐらいサラリとできた曲なんです。それぐらい、どこにでもある日常の瞬間瞬間の断片をコラージュしたような歌にしたくて。“あ~、あるあるある!”って、どこをかいつまんでもそういう風に感じてもらえるような、とっても自分的には素直な姿を一つの作品としてどこまで残せるかなという、そういう思いからできたものです。だから、すごくやさしい気持ちになれました、作ってて。歌っててもそう思えるし。そういうニュートラルな状態が聴いてる人に少しでも届いたら、すごく嬉しいです。



――矢野さんのやわらかい部分が出てる曲だなと思いました。



矢野:ですね。だから逆に(C/Wの)「好きな人」では研ぎすまされた感じの自分を残したくて。聴き心地とかアプローチとか緊迫感みたいなものでいうと、“これ以上いったら痛いかも”というところまであえて引っ張りだすことを意識しました。この対極の感じをこの一枚のシングルで楽しんでもらえたらなって思います。



――にしても、極端に対極にある曲ですよね。この2曲は。1曲目でほっこりした気分になれたと思ったら、「好きな人」を聴き終わると立ち上がれないぐらいズコーンと重い波動に包まれてしまうという(笑)。



矢野:そういうときは、救いを求めるようにもう1回リピートボタンを押して「このまま…」を聴いていただければ(微笑)。



――うまいっ!(笑) 歌い方ひとつとっても「このまま…」のほうは楽しんで歌ってるんだなというのがダイレクトに伝わってくるグルーヴ感がありましたね。



矢野:そこはもう絶対条件でした。だからメンバーにもレコーディングの前に言って。イメージとしては日曜日の昼下がり。私は飲めないんですけど“昼間からビール飲んじゃってすいませ~ん”みたいな。だけどそこにはちゃんとそれぞれの意志がある、っていう感じでひとつよろしく、と言ったらこんなお返しがきました(微笑)。



――2曲目の「好きな人」。こちらの歌は感情が切羽詰まった状態で届いてくるようなエモーショナルな聴き心地で。



矢野:これは痛かったです(苦笑)。本当に曲の世界に入り込まないと歌えない歌ですね。今回のレコーディングは初日が1曲目で、すごくピースフルな気持ちで録り終えて。翌日この曲だったんですけど、あまりにも対極すぎて、ストイックな方向に持っていくのに時間がかかりました。それで“よし、歌える”となって3回ほど歌ったんですけど。3回歌ったってことで、3回失恋したような感覚に陥ったんですね。もう心血だらけだわ、みたいな。だけど、ここまでストイックに心から入り込めて、辛いけどいますごく幸せだなって(一同笑)。まるで一人SMのような(一同爆笑)そんなレコーディングでした。



――うははは(笑)。まさに感情の陽と陰を映し出した2曲、みたいな存在ですね。



矢野:やっぱり人間って、比率こそ違えど誰もが陽と陰を絶対に持っていて。私もそう。そういう意味で、今回の1曲目も2曲目も含めて矢野真紀なんだよっていうお届け方を、ここまではっきりとできる機会はこれまでなかったので、いい出し方をさせていただけたのではないかなと思っています。だから“まぁびっくりしたけどこれもあれも含めてあなたなのね”っていうふうに触れていただければ幸いです。


取材・文●東條祥恵









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http://www.yanomaki.com




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