【ライヴレポート】LUNA SEA、ツアー<UNENDING JOURNEY -FOREVER->折り返し地点の千葉公演「終わらない旅を永遠にしていきましょう!」

LUNA SEAが5月29日の地元・神奈川県秦野市のクアーズテック秦野カルチャーホール公演を皮切りに<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER->を開催中だ。“終わらない旅”という名のもとに、サポートドラマーの淳士を含めた“6人”で臨む初めてのツアーとなる。そして彼らが各地で繰り広げているのは、ツアー開催発表時にRYUICHIが口にした「過去最強のツアーにします」という言葉どおり、想像以上に力強く希望に溢れたステージだ。
このツアーの大きな特徴は、2010年にLUNA SEAがREBOOT“=再始動”して以降のアルバム──具体的には『A WILL』『LUV』『CROSS』収録曲中心のセットリストが組み込まれていること。2023年の『MOTHER』『STYLE』再現ツアー(LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023)以降、『SHINE』『LUNACY』再現を含むツアー(LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA)を挟んで、2025年の東京ドーム公演(35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-)までは再始動前の楽曲中心だったため、これらの曲はいわば封印状態にあった。
RYUICHIいわく「過去へのタイムリープ」を経て、自らの歴史と向き合ったLUNA SEAが改めて挑む今回のオールタイムベストなセットリストが、「過去最強」でないわけがない。1ヵ所ごとにボルテージを上げ続け、全国22都市33公演を回るロングツアーの折り返し地点となる千葉・森のホール21大ホール 2days公演のうち、2日目となった7月26日のライヴレポートをお送りする。

「I for You」のストリングスバージョンが響き亘り、開演時間を迎えた。スクリーンには空の映像に“LUNA SEA”のロゴが浮かび上がり、その下に並ぶ真矢のドラムセットと淳士のドラムセットに照明が当たる。“-OUR JOURNEY CONTINUES-とMATSUDO”の文字が表示され、大きな拍手に迎えられてメンバーが姿を現した。1曲目はアルバム『A WILL』収録曲の「Anthem of Light」だ。真っ白なライトに照らされて、SUGIZOのロングトーンが轟き、エネルギッシュなサウンドが解き放たれる。赤髪スタイルが目新しいINORANが軽やかなストロークで彩れば、Jのベースが深く重厚なラインを刻む。淳士のマーチングビートに乗るRYUICHIの声は凛と伸びやかで、まるで声自体から眩しい光を放っているようだ。
《君と行こう さあ届けよう かけがえのない その想いを》──再始動後初のアルバム『A WILL』の幕開けを飾る「Anthem of Light」は、歴代アルバムのオープニングナンバーの中でもひときわポジティヴなエネルギーを孕んでいる。“終幕”を経て再び5人で歩き出した当時の想いと、「真矢の想いを連れていく」と宣言したこのツアーの真意がリンクして響き、胸を強く締めつけられた。

「Déjàvu」でアグレッシヴモードにギアチェンジするやいなや、SUGIZO、INORAN、Jがそれぞれステージと客席の際まで駆け出し、近い距離でオーディエンスを煽る。同曲の中盤では、フロントの4人がセンターに集まって並び、その後ろに真矢と淳士のドラムがどっしりと構える構図に目を奪われた。これが今のLUNA SEAだ。

「2年ぶりの全国ツアーも、本日で17本目。真矢くんの想いも連れてきているので、最後まで盛り上がってください。飛ばしていくぞ!」とRYUICHIが叫び、「The End of the Dream」でさらに加速。SUGIZOのスリリングなリフに合わせて、会場を埋め尽くした観客が拳を突き上げて応える。LUNA SEAにとっては小規模なホールゆえに、とにかく密度が濃く、凄まじい一体感が早くも生まれていた。
同曲ではスクリーンに真矢がドラムを叩く映像が流れ、そのパワフルなドラムスタイルと笑顔によって会場の温度が上昇したことは間違いない。真矢と淳士の動きが完全にシンクロする瞬間も多々あり、真矢へのリスペクトと師弟愛が伝わってくる。映像の中で真矢の背中に寄り添っていたのと同じように、INORANが淳士の背中に寄り添うシーンもあった。ツアーを通して、これまで以上に6人の絆が育まれているのだろう。

代表曲のひとつ「TRUE BLUE」で会場が沸騰し、『A WILL』収録曲にしてシングルチューン「Thoughts」で早くもクライマックスを迎えたかのような盛り上がりを描いた森のホール21。そしてその後の「ECHO」からはLUNA SEAの深淵に導かれる展開へ。ベースとドラムの絡みが印象的な「ECHO」は、真矢が原曲を手掛けた1曲だ。シンプルなルート弾きが色気を放つJのベースに、タイトなドラミングと“間”が交わって完成するグルーヴ。静かに燃える青い炎とでも表現すべきだろうか。Jと真矢という鉄壁のリズム隊が作り上げた美学を淳士が引き継いで、魂を込めるように一打一打が全身全霊だ。そのリズムに惹き込まれるまま身を委ねていると、アウトロのINORANのアルペジオからSUGIZOが奏でるヴァイオリンソロへと繋がり、「Providence」が始まった。こだわり抜かれた曲間のアレンジで、時代の異なる曲同士に新たな化学反応が起きるのがLUNA SEAのライヴの醍醐味でもある。
三拍子の指揮をとりながら歌うRYUICHIは、曲が進むにつれて気迫と艶を増していく。昂揚感と緊張感が頂点に達した「Providence」に続いて、『A WILL』を象徴する1曲「absorb」が前半パートのラストを担った。SUGIZOとINORANの幻想的なフレーズとJの硬質なベース、それを支える淳士のリズムが壮大なサウンドスケープを描く。レーザーの演出の下、RYUICHIは舞台役者のように全身を使って歌唱。その最後にはオーディエンスの大合唱が加わり、会場内が眩しい光に満たされた。深淵の闇から、希望の輝きまで、LUNA SEAが描く果てしない物語を味わい尽くすセットリストだった。

約20分間のインターバルを挟み、後半パートは真矢のドラムソロからスタート。この日のセットリストは『A WILL』収録曲が多いことに呼応してか、再始動ライヴである2010年の東京ドーム公演(20th ANNIVERSARY WORLD TOUR REBOOT -to the New Moon-)の映像が映し出された。何度聴いても心を掴まれる華やかなドラミングはもちろん、「もっと来いよ!」という真矢の言葉に煽られ、盛大な「真矢!」コールが何度も森のホール21に巻き起こった。
熱が上がりきったところでメンバーがステージに登場し、『A WILL』収録の最速チューン「Metamorphosis」が投下された。インターバル後の1曲目はスマホによる写真撮影OKの“#LUNAPIC”タイムだったが、写真を撮りたい気持ちと暴れたい気持ちのせめぎ合いに葛藤したSLAVEも多かっただろう。

「松戸の会場に集まってくれた全員に、次のナンバーを贈ります。心から……」とRYUICHIが告げて始まった「I for You」では不朽のメロディに会場全体が酔いしれる。続く「IN MY DREAM」では、お返しとばかりにSLAVEたちのシンガロングがステージに降り注いだ。ステージ上でも、SUGIZOが2台のドラムの間でギターソロを掻き鳴らしたり、RYUICHI、INORAN、SUGIZOがドラム台に並んで座ったりと、アットホームな空気も漂っていた。
そこから不意にステージが暗転すると、ピンスポットライトに照らされたRYUICHIが「ROSIER」の一節をアカペラで歌い始めた。意表を突くアレンジに一瞬静寂が訪れたあと、「飛ばしていこうか!」とRYUICHI。淳士がハイハットを刻むとRYUICHIのタイトルコールから「ROSIER」へ。静寂からの反動でテンションが爆発し、会場全体が興奮の渦に飲み込まれた。間奏部のJによる英語のセリフから「いくぞ!松戸!」という煽りからマイクスタンドがステージ後方へぶん投げられて、SUGIZOのフリーキーなギターソロへ。そして、そのソロに共鳴するRYUICHIのロングトーンなど、ハイライトシーンが目白押し。新たなアレンジを添えてキラーチューンの威力を倍増させる大胆さは見事というほかない。

濃密な本編を締め括ったのは、真矢とINORANが原曲を手掛けた「UP TO YOU」だった。真矢の映像とともに、6人で丁寧に紡ぐサウンドがどこまでも強く揺るぎない。3月に開催された振替公演<LUNATIC X’MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES->の1曲目に演奏された時と今では、音圧と安定感がまったく違っていると感じた。あの日から4ヶ月、止まらずに歩き続けてきたからこその進化だろう。
《夢を見続けて終わりはないから 雨に打たれても夢が滲んでも 明日を信じてこの手は離さない》──空に手を伸ばしながら、<UNENDING JOURNEY>の核そのもののような歌詞を歌い上げるRYUICHI。客席からもたくさんの手が差し伸べられ、温かい空気に包まれて本編を終えた。

熱いアンコールに応えてメンバーがステージに再登場し、RYUICHIが「大切に時間をかけて作ったこの曲は、このツアーのひとつのメッセージでもあるかもしれない。満を持して生まれた普遍的なバラード」と紹介したのは、最新曲「FOREVER」だ。「真矢くんの音もしっかり入っているから、細かいところまで聴いてほしいなと思います。真矢くんは旅立ちましたが…ライヴのたびに召喚します(笑)」と彼らしい言葉を添えて贈られた。穏やかな旋律とリズムから深い愛情が溢れ出すと同時に、RYUICHIの歌声に重なるJのコーラスには優しさだけではない力強さも宿っている。LUNA SEAが積み重ねてきた歴史だけではなく、たしかな未来と、その先にある永遠まで感じられる1曲だ。今後、聴くたびに違う感情や情景を引き出す曲になっていく予感がした。
そしてMCへ。RYUICHIからサポートドラムの淳士が紹介されると「真矢さんとともに、この場にいる皆さん全員とともに、カッコいい兄貴たち=LUNA SEAをしっかり支えたいと思います!」と挨拶。そしてメンバー紹介を兼ねて、メンバーひとりひとりがメッセージを語った。

「今日で関東近郊は最後ですね。ツアーファイナルに向けて加速していこうと思ってます。このツアーは、全員が、全身全霊全力で、真矢くんが叩き続けてきたドラム、ビートを全国各地に響かせていこうと思っています。毎回毎回熱が高まっていく感じで、本当に俺たちは幸せなバンドだなと改めて思います。みんなありがとう! ツアータイトルになっている、俺たちの“終わらない旅”。俺たちというのはこの6人だけではありません。ここにいるみんな、全国各地で待っていてくれるみんな、全員で終わらない旅をしているんだと思います。全員連れて行くつもりでいますので。ひとりも置いていかないつもりでいますので。LUNA SEAと一緒に、真矢くんと一緒に、終わらない旅を永遠にしていきましょう!」──J
「最高だな、松戸! 満員御礼ありがとうございます。「FOREVER」の歌詞に《君と見た空》っていう言葉があるけど、個人的には真矢くんを思い浮かべたり、SUGIZOがいたり、Jがいたり、RYUICHIがいたり。淳士はこれからだけど……いや、大好きですよ(笑)。メンバーだけじゃなくて、《君と見た空》は今日でもあり、真矢くんがくれたこのツアーのそれぞれの景色でもあるから。これからもいっぱい素敵な夜空、景色を見たいと思ってます。とにかくツアーの最後まで、みんなと一緒に旅をすること。そしてLUNA SEAという真矢くんが守ってる、僕らが守ってる、みんなが守ってるバンドをこれから先も、10年、20年、100年とよろしくお願いします」──INORAN
「松戸は千葉だよね。千葉はほぼ東京だから、まごうことなき“ほぼ故郷”です。ツアーが折り返し地点にきまして、本当にみんなのおかげで毎回ボルテージが上がって、ギアが上がって、LUNA SEAは本当に未体験のゾーンに足を踏み入れています。真矢がすんげえ悔しがってるから、(真矢のドラムを見ながら)ね? 真矢。そして、一緒に最高に楽しんでくれてる。INORANのMCの補足をすると、地上にいる間は永遠は、ない。でもね、宇宙(そら)の世界は永遠なので、真矢は俺たちと永遠に一緒にいる。まあ、いずれは俺たちみんな、真矢のところにいくから。ちょっと先にヤツが旅立ってしまっただけで、あちらでも続きをやるのでね。みんなもそのうちいくんだから、この続きを宇宙の世界で永遠にやりましょう。まずはこのツアーを全力で駆け抜けて、我々地上にいる5人と、宇宙に鎮座している真矢で、命続く限り音を奏でていきますので。これからもLUNA SEAをよろしくお願いします」──SUGIZO
「本当に最高です。どうもありがとう! すごい盛り上がってるよね、ヤバいね。この先どこまでいくのかな? 僕がちょっと調子が悪くなったら、すぐ真矢くんが背中を支えてくれてる感じがして。やっぱり6人で一緒にいるんだなと思いながら歌っています」──RYUICHI

最後は、RYUICHIの「ドラムス、真矢!」という呼びかけに応えて会場全体での真矢コールで締め、「PRECIOUS…」、「WISH」でラストスパート。「WISH」では、RYUICHIとSUGIZOが肩を組んで目を合わせたり、SUGIZOとJが互いの背中を預け合ったり、メンバーがいっそう躍動的に動き回る。そんな中、自身のアルペジオだけになる間奏部分で、真矢のドラムセットと向き合うようにドラム台に座り込んでギターを奏でたINORAN。語りかけるような音色と、そっと横に佇むRYUICHIの姿が印象に残った。
すべての演奏を終了しても、さらなるアンコールが湧くほどの熱気を残し、惜しまれつつ千葉・松戸公演が終演。この熱を次に繋ぐべく、メンバーは晴れやかな笑顔をみせてステージをあとにした。

ツアー<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER->は10月17日および18日の愛知公演まで続き、さらに<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -TO RISE->と題したアリーナ公演が、12月12日および13日に兵庫・神戸ワールド記念ホール、12月19日および20日に東京・有明アリーナで開催される。ツアー開始からわずか2ヶ月の折り返し地点でこれだけの密度なのだから、ここからの後半戦に向け、ますます期待が募るというもの。自らの手で道を切り拓き続けるLUNA SEAが、どんな旅路を描いていくのか。ひとつひとつの足跡に注目だ。
取材・文◎後藤寛子
撮影◎田辺佳子
■<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER->
05月29日(金) 神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホール
05月30日(土) 神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホール
06月05日(金) 大阪・大阪国際会議場メインホール
06月06日(土) 大阪・大阪国際会議場メインホール
06月12日(金) 高知・新来島高知重工ホール オレンジホール
06月13日(土) 香川・レクザムホール
06月19日(金) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
06月21日(日) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場
06月25日(木) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
06月26日(金) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
07月04日(土) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
07月05日(日) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
07月11日(土) 茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
07月12日(日) 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
07月20日(月) 北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
07月25日(土) 千葉・森のホール21 大ホール
07月26日(日) 千葉・森のホール21 大ホール
07月30日(木) 大阪・オリックス劇場
07月31日(金) 大阪・オリックス劇場
08月08日(土) 新潟・新潟県民会館
08月15日(土) 山形・やまぎん県民ホール
08月16日(日) 岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
08月28日(金) 広島・上野学園ホール
08月29日(土) 広島・上野学園ホール
09月20日(日) 熊本・熊本城ホール
09月22日(火) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
09月23日(水) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
10月03日(土) 宮城・仙台サンプラザホール
10月04日(日) 宮城・仙台サンプラザホール
10月10日(土) 鳥取・米子コンベンションセンター
10月11日(日) 岡山・倉敷市民会館
10月17日(土) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
10月18日(日) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
詳細:https://www.lunasea.jp/live/2026tour

■<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -TO RISE->
12月12日(土) 兵庫・神戸ワールド記念ホール
12月13日(日) 兵庫・神戸ワールド記念ホール
12月19日(土) 東京・有明アリーナ
12月20日(日) 東京・有明アリーナ
詳細:https://www.lunasea.jp/live/2026tour_to_rise




