生まれながらのオールドスクール
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ワーナーミュージック・ジャパン 1 Intro |
辛抱強く待った甲斐あって、Jaheimはついに輝きの時を迎えた。輝いているといえば、4月25日にリリースされた彼のデビュー作、『Ghetto Love』もしかり。現在22歳になるこのシンガーソングライターは、愛情や恋愛関係について歌った同作収録のソウルフルかつ淫らな21曲の多くを共作。最もコアな聴衆にも通じるランゲージで語りかけている。 編み込んだ髪型やアクセサリーの類からラッパーに間違われることもしばしばだが、Jaheim Hoaglandは生粋のR&Bヴォーカリストであり、その情熱的なスタイルは先達たちにもなぞらえられる。“Finders Keepers”(フィーチャリング Lil’ Mo)、“Anything”(フィーチャリング Next)、そしてシングル“Could It Be”での歌いっぷりは実に見事だ。 「片時も欠かさず、Luther(Vandros)を聴いてきたんだ」と、ニュージャージー州ニューブランズウィック出身の彼は言う。 「勉強しているつもりはなかった。ただ、好きで聴いていただけ。そして気がついたら自分でも歌っていて、人から『おまえ、歌をやってくべきだよ』と言われるようになったんだ」 当時17歳だったJaheimに、Naughty By NatureのKay Geeが所有するレーベル、Divine Millとの契約をもたらしたのも、実はそのアイドル、Vandrossのカヴァー曲だった。 「Naughty Gearっていう、彼らがやってる洋服の店にデモテープを置いてったら、Kay Geeが電話をくれてアルバムを作りたいって言うじゃないか。俺はもう、『からかわないでくれよ』って言って電話を切っちまったよ。ちょうどエイプリルフールの時期だったから、ふざけてるんだと思ってさ。でも、彼がその後も何度か電話をくれて、やがて俺のほうから彼の家へ出向いてって、そしたらそこら中の壁にゴールドディスクとかが飾ってあってね。あんな豪邸、初めて見たよ」 Kay Gee――Nextをはじめ、成功を収めた数知れぬアーティストたちと仕事をしている――は、Jaheimに何か非常に特別なものを感じたのだそうだ。「あの声だよ!」と驚嘆するKay Gee。「Teddy PendergrassかLutherかっていうタイプの声をしている。めちゃくちゃ豊かな声なんだ」 契約後、Jaheimはヴォーカルの完成度と曲作りのスキルを高めるべく、腕に磨きをかけてきた。師たるKay Geeのしたことは、そこらのちょっと才能のあるティーンエイジャーをつかまえてきて翼の下に取り込んだ、などというレベルのものではない。「Kay Geeは俺を、ファミリーの一員として迎えてくれたんだ」と、実に嬉しそうに言うJaheimは、MercuryやPriorityといったレーベルをさしおいてDivine Millを選んだ。 「母親を16歳ぐらいの時に、父親は2歳の時に亡くしてるから、本当に味方になってくれる人が俺にはいなかった。家族はいたけど、家の中にやたら大勢の人間が出入りしててさ。Kay Geeは金銭的にも必要とあれば必ず面倒見てくれたし、俺は絶対にこのチャンスをモノにしたかったんだ」 苛酷なチャンレンジの連続という人生を送ってきたJaheimは、今こうして自由に生きているのは天の恵みだと感じている。「少年時代に2度ほど刑務所にぶち込まれてるしな」と彼は認める。 「歌うことが俺には救いだったんだ。俺なんかとっくに死んでると思ってた人も多いし、成功するはずがないと思ってた人も多いんだから」 Kay Geeの指導もさることながら、Jaheimは母親が今日もなおどこかで彼を導いていると感じている。「俺にも想像がつかないくらい、彼女は喜んでくれてると思うんだ」と笑顔で言う彼。「父親のことは覚えてないけど、彼も見守ってくれていると思う。母親は俺が誠意を持って学び、腕を磨いて成功する様を、きっと見てくれているはずさ」
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