【機材レポート】B’zの松本孝弘、<LIVE-GYM 2025 -FYOP->東京ドーム公演ギターサウンドシステムの全貌

2026.01.09 18:00

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B’zが最新アルバム『FYOP』を掲げて、約7年ぶりとなるドームツアー<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->を開催した。2025年夏の療養から完全回復した松本孝弘は、11月15日・16日のバンテリンドーム ナゴヤを皮切りに、11月29日・30日のみずほPayPayドーム福岡、12月6日・7日の東京ドーム、12月20日・21日の京セラドーム大阪まで、全4都市8公演で素晴らしいギタープレイを披露した。

先ごろ公開したライブレポートに続いて、ここでは東京ドーム公演当日に機材取材を敢行した松本孝弘のサウンドシステムの全貌をご紹介したい。まずは全10本がセットされていたギターから。

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【GUITAR編】

Gibson / 50th Anniversary 1958 Korina Flying V 2008 #8-8163

<B’z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT->で初登場し、以降、松本孝弘が愛用しているギブソン製フライングV。本機はフライングVのリリース50周年を記念して2008年に全世界100本限定で復刻されたものだ。コリーナ材のボディー&ネックをはじめ、ヘッドにあしらわれた立体タイプのGibsonロゴ、弦裏通しのV型プレートやゴールドのハードウェア、1列に配されたコントロール類など、’58年製Vの特徴的な仕様が忠実に再現されている。

トーンは’60年代以降のフライングVとは一味異なり、エッジィな高音域と高い音圧を備えていることがポイント。松本が本機を入手した当時はブラックピックガードだったが、現在はホワイト・ピックガードにカスタマイズされている。今回のツアーでは「鞭」「Still Alive」「juice」「ギリギリchop」で使用。

 

Gibson / Custom Shop 1958 Korina Flying V Reissue VOS #841124

今回の<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->から新たに導入したフライングV。これまで発売されてきた’58年製フライングVリイシューを凌駕するクオリティーでオリジナルを再現するというテーマのもとに製作された1本で、シェイプのリファインやトゥルーヒストリックパーツの採用、ピックアップはロウ漬けされていないCustombuckerを搭載するなど、こだわり抜いたスペックが特徴だ。

松本が以前から使用している前述の“50th Anniversary 1958 Korina Flying V”と外観上は見分けがつかないが、本機は新しいギターということもあり、ボディーとネックの色がやや白みがかっている。ライブの幕開けを飾る「FMP」や「兵、走る」といった全弦半音下げチューニングで使用した。

 

Gibson / Les Paul Goldtop 1957 Reissue 1991 #1-5283

ゴールドトップのレスポールは数本所有している松本だが、1991年に入手して以降、ライブでの使用頻度が高い’57年製レスポールのリイシュー。2ハムバッカー、チューン-O-マティックとテールピース仕様、当時のレギュラーカラーだったゴールドトップといった’57年製レスポール・スタンダードを再現したカスタムショップ製だ。

中音域に特徴がありつつレンジの広さを備えたトーンは松本の好みと一致しており、長年に亘って愛用されていることもうなづける。なお、一度リフィッシュが行われているほか、ピックアップは’98年にTAK Burstbuckerに交換されている。今回のツアーでは「The IIIRD Eye」で極上トーンを聴くことができた。

 

Gibson / Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood 2009 #10

ジェフ・ベック(2023年逝去)が’70年代に愛用していたレスポールのリイシュー。ジェフ・ベックのオリジナルは’54年製レスポール・スタンダードをベースに、ピックアップがP-90からハムバッカーに変更され、ネックは少しスリムにリシェイプ、チューナーをシャーラーに交換、そして“オックスブラッド”と呼ばれる黒に純赤を調合したカラーにリフィッシュされるなど、大幅なカスタマイズが施されていた。

そんなジェフ・ベックが愛したレスポールを忠実に再現したモデルとして2009年に50本限定生産されたのがGibson Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood 2009だ。軽量アルミニウムを使用したバーブリッジ・テイルピース、ハムバッカー仕様ならではの豊潤なトーンや直線的かつ豊かなサステインは非常に魅力的。今回のツアーでは「恐るるなかれ灰は灰に」で使用した。

 

Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype

松本孝弘のシグネチャーモデル“Tak Matsumoto Double Cutaway”の新たなバージョンとして登場したプロトタイプ。シースルーピンクのカラーリングとボディートップに配されたフレイムメイプルの木目が相まって、独自の高級感をまとった1本に仕上がっている。ちなみに最新プロトタイプのため、裏側は撮影NG。

基本仕様は従来の“Tak Matsumoto Double Cutaway”を継承したものだが、本機はバーブリッジ・テイルピースが採用されていることがポイント。前述の“Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood”同様のバーブリッジ・テイルピースは、より直線的かつ豊かなサステインが得られることが特徴だ。またピックアップにはダブルホワイトのバーストバッカーを採用した。最新プロトタイプながら、東京ドーム公演では「声明」「MY LONELY TOWN」「DIVE」「イルミネーション」「イチブトゼンブ」で登場するなど、最も使用頻度の高い1本だった。

 

Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype 2004 #9

鮮やかなチェリーレッドのカラーリングが印象的な“Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype”は、2006年にB’zが開催した<B’z LIVE-GYM 2006 “MONSTER’S GARAGE”>のメインギターとしても使用されたもの。スペック的にはフレイムメイプルトップにマホガニーバックのボディー、マホガニーネック、ローズウッド指板など、“Tak Matsumoto Double Cutaway”の標準仕様が採用されている。

今回のツアーでは全弦半音下げチューニング用にセットされていた。ちなみに、“Double Cutaway”はギブソン製レスポールやレスポールJr.のダブルカッタウェイとはシェイプが異なり、松本のためのオリジナルデザインだ。

 

Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4

ロッドカバーに“B’z TWENTIETH ANNIVERSARY”の文字が刻印された2007年製作モデルは、前回ツアー<B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS->のメインとして使用されていたもの。マルチバインディングやヘッドのダイヤモンドインレイ、エボニー指板、ゴールドのハードウェアなど、レスポール・カスタムを踏襲した仕様だ。

メイプルトップにマホガニーバックのボディ、1ピースのマホガニーネックの構造を持つ本機は、ローからハイまでバランスがよいとのこと。今回のツアーでは「#1090 ~Million Dreams~」「Brotherhood」「いつかのメリークリスマス」などで使用され、いつもと変わることのない強い存在感を発した。

 

Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Quilt Top Brown Sunburst #5001

「LOVE PHANTOM」「ultra soul」といった大ヒット曲で使用された“Tak Matsumoto Double Cutaway Quilt Top Brown Sunburst”。松本孝弘シグネチャーモデルの第3弾として2004年に市販化されたモデルでもある。ちなみに、昨年の<TMG LIVE 2024 -Still Dodging The Bullet->では、前述の“Gibson Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype 2004 #9”とともに活躍したモデルだ。

本機は最上級のキルテッドメイプルやマダガスカルローズ指板、アバロンインレイといった高級マテリアルを採用。ハイクラスのマテリアルや精緻な作り込み、ピックアップに搭載したTAK Burstbuckerから生まれるリッチなトーンには隙がなく、高級感と凄みを併せ持った佇まいも魅力だ。

 

Fender / CUSTOM SHOP ’69 Stratocaster Relic 2013 #R62497JBCustom

2013年にLAのギターセンターで入手した’69年製のレリックは、<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->に向けて改造が施された。ヴィンテージタイプのシンクロナイズドトレモロユニットを2点支持ナイフドエッジトレモロユニットに交換したほか、ローラーナットやロッキングチューナーの採用、ピックアップはノイズレスヴィンテージにカスタマイズされている。さらにはネックジョイントのヒール部の操作性を考慮して滑らかにカットするなど、大幅なモディファイが施された。

これによって、ヴィンテージテイストと機能性の高さを兼ね備えた1本に仕上がっている。今回は「INTO THE BLUE」で使用され、表現力に富んだプレイと洗練された極上のトーンを響かせた。

 

Fender / Char Mustang Pink Paisley #JD25016221

ジェフ・ベックの功績を讃えるべく開催された<A Tribute to Jeff Beck by Char with HOTEI and Tak Matsumoto featuring The Jeff Beck Band>(2025年2月11日@東京・有明アリーナ)公演を経て、Charが松本に贈ったCharシグネチャーモデル。その証として、ヘッド裏には“To Tak”の言葉とCharのサインが手書きで入れられている。

“Pink Paisley”による美麗かつインパクトの強いルックスに加えて、スペック面ではシンクロナイズドトレモロユニットを装備(ムスタングのレギュラー仕様はダイナミックトレモロユニット)していることや、ボリュームノブがリアピックアップに近い位置に配されるなど、ストラトキャスターに近い感覚で演奏できる仕様がポイント。クリーミーなシングルコイルサウンドを引き出せる1本で、東京ドーム公演では「消えない虹」「キレイな愛じゃなくても」で使用された。

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