【機材レポート】B’zの松本孝弘、<LIVE-GYM 2025 -FYOP->東京ドーム公演ギターサウンドシステムの全貌

2026.01.09 18:00

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松本孝弘サウンドシステムのギター紹介に続いては、アンプ&エフェクター。ステージ上にセットされていた3段積み×6セットによるアンプの壁は壮観であり、出力される松本孝弘のギターサウンドは終始TOKYO DOMEを震わせ続けた。そのアンプ&エフェクトシステムの全貌を明かしたい。

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【AMPLIFIER】

Two-Rock Silver Sterling Signature & Cabinets

Two-Rockのアンプヘッド6台は全てダミーで、キャビネットも中央下段の2台だけを鳴らしている(中央左がクリーン / 中央右が歪み用)。Two-Rockのアンプヘッドは2020年リリースの松本孝弘ソロアルバム『Bluesman』レコーディング時からクリーン/クランチ用に使用していた。前回ツアー<B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS->では、クリーン用にTwo-Rockのアンプヘッドをセットしていたが、今回のツアーでは、アンプヘッドはすべてTEN製が使用されている。

スピーカーキャビネットは、スピーカー2発仕様のTwo-Rockキャビネットを使っていたが、4発入りを試したところ音の大きさや豊かな音圧などが気に入って、<B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS->から導入。Two-Rockキャビネットの巨大な壁の上から松本孝弘の背中を見守るようにセットされたデビルマンにもご注目を。

 

AMP& EFFECTOR SYSTEM

スピーカーキャビネット裏に設置されていたアンプ&エフェクターシステム。写真右側がメインアンプが収納されたラックだ。そのラック上部には各種エフェクターをセット。写真左側のラックはバックアップ用のアンプヘッド。バックアップ用の3台のアンプヘッドは、上段がTEN Distortion、下段の2台はTEN Distortion(中段)とTEN Clean(下段)だ。

歪みサウンド用とクリーン用の両方のバックアップは、トラブルなどが起こった際はすぐに切り替えられるようにスタンバイしている。

 

TEN Distortion / TEN Clean

前回ツアー<B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS->からメインとなるアンプヘッドはTEN製に。TENは松本用に入念な開発が行われた100Wのチューブアンプで、リッチな質感と良質なドライヴトーンや洗練感を湛えたクリーントーンが得られる。

写真右側の2台は歪み用で、その上段は歪みサウンドのバッキング用、下段が歪みサウンドのリード用。TEN Distortionは“ゲイン1と2、ヴォリューム1と2、マスター”の2チャンネル仕様で、イコライザーは両チャンネル共通という構成。イコライザーのセッティングはフラットに近く、高音域から低音域まですべての帯域がしっかり出るアンプであることがうかがえる。左側2台はクリーン用。クリーン用アンプ上段はダンブルのようにハイがより煌びやかな音色に調整した状態で、今回のツアーにセットされているとのことだ。

なお、歪みサウンド用アンプの下にはTEN製アンプチャンネルセレクターとQSCパワーアンプのGX3がセットされている。

 

【EFFECTOR】

EFFECTOR SYSTEM

マルチエフェクターやデジタルモデリング系を使用せず、コンパクトエフェクターへのこだわりを感じさせるエフェクター群だ。左側手前は、すべて青い筐体のIndigo Note製に。

Indigo Noteは、長年にわたり松本孝弘のギターサウンドを支えてきたメンバーによって生み出された新しいプロダクトを提案するギターイクイップメントブランド。プロダクト監修を務めるのは松本孝弘。

 

EFFECTOR

上の写真はエフェクターボードの左側部分。下段左から順にIndigo Note CHORUS、Indigo Note ブースター(プロトタイプ)、Indigo Note FIXED WAH、Indigo Note ブースター(プロトタイプ)、Indigo Note コンプレッサー(プロトタイプ)、右端はIndigo Note オーバードライブ(プロトタイプ)。ラックの上にセットされたEFFECTORは、左からVemuram Splitone(オーバードライブ)、MAXON FL301(フランジャー)、MXR Phase90 EVH(フェイザー)。その上部にはFree The Tone PT-3D(パワーサプライ)をセット。

Vemuram SplitoneはCharとVEMURAMが共同開発したオーバードライブで、Char Mustangと同じく2025年の共演後にCharからプレゼントされたもの。Charのこだわりが徹底的に活かされた上質なトーンを引き出せることに加えて、ニュアンスの異なった2種類のトーンが得られる。

Indigo Note FIXED WAHはONにするとワウペダルを途中で止めた状態の音色が得られるという画期的なエフェクター。松本自身によると「17~18歳くらいの時、マイケル・シェンカーを初めて聴いて、ワウを途中で止めた音がすごくいい音だなと思って。それで真似するようになるんだけど、ペダルをスウィートスポットに止めるのが大変なんだよね。そして長年ずっといろいろと試しながら、今回Indigo NoteでFIXED WAHを作ったんだ。ツマミ操作によって自分好みの音色を調整できるようになっているから、すごく使いやすい」とのことだ。

 

EFFECTOR

エフェクターボードの右側部分は、左上にFree The Tone PT-3D(パワーサプライ)、その下がTECH 21 MIDI MOUSE(MIDIフットスイッチ)。右上はFREE THE TONEのAS-1R(デジタルリバーブ)、KENTON Thru-5 (MIDI スルー・ボックス)。4台セットされたBOSS DD500(デジタル・ディレイ)は左側2台が歪み用で、右側2台がクリーン用。それぞれセッティングの異なるものをセットしている。

BOSS DD500はすべてMIDIで制御しており、セッティングを変えることが可能。デジタルディレイを4台用意し、楽曲のシーンに合わせてセッティングを細やかに変えていることからは松本のディレイのニュアンスに対するこだわりの深さを感じ取ることができる。

 

RACK SYSTEM

エフェクターボード下段のラック左側にはTEN製ラインセレクター2台とTONE WORKS DTR-1 (デジタルチューナー)を2台セット。右側にはディレイ用のTEN製セレクター2台とSHURE UR4D+(ワイヤレスシステム)が2台セットされている。

 

SYSTEM STATION

エフェクターボード下のラック中央にあるのはTEN SYSTEM STATION (MIDIコントローラ)。アンプやエフェクターを含めた全システムの切り替えなどを一括コントロールできるもので、テクニシャンがリアルタイムで操作する。

 

RACK SYSTEM

TEN (クリーン用アンプ)下のラック上段にはTEN Remote Volume Controller 2台が納められている。共に松本の足元のボリュームペダルと連動しており、ボリュームペダルの状態がインジケーターに表示されるようになっている。ボリュームコントローラーの下にある2台はアンプセレクター。

 

FOOT PEDAL

ステージ上の足元は、左からJim Dunlop TM95 TAK Cry Baby (松本孝弘シグネチャーワウ)、TEN製ボリュームペダル、KORG DT-10(デジタルチューナー)。TEN製ボリュームペダルは上記のTEN Remote Volume Controllerと連動。

松本はTENのテクニシャンと共に10年以上前からボリュームペダルを試行錯誤し続けており、踏んだ時の感覚やギアを0から100まで使い切ること、音量変化のカーブなどを今なお突き詰めている最中だという。

 

マイクスタンドやアンプヘッド、スピーカーキャビネット、シグネチャーワウなどには“玲”のロゴが。この言葉は“澄んだ輝きや美しい音”を表すもので、シンボルとも言える。

 

DRINK HOLDER & 松本孝弘 SINGLE MALT WHISKEY「藍音/AION」

ステージ上アンプ横にセットされていたドリンクホルダー。セットされていたボトルは、松本が愛飲するウイスキーブランド “あかし”の老舗メーカー “江井ヶ嶋酒造”とのコラボレーションにより生まれたオリジナルウイスキー“AION”だ。“AION”は江井ヶ嶋酒造が大切に育んでいるモルトウイスキーの樽数本を松本自身が試飲し、シェリー樽とバーボン樽を掛け合わせたテイストに仕上げられている。ちなみに“AION”とは、日本独自の色である“藍色”と“音”を組み合わせた造語。

構成◎梶原靖夫 (BARKS編集長)
取材・文◎村上孝之
機材撮影◎TOYO
写真 ©︎VERMILLION, ©︎Dynamic Planning・TOEI ANIMATION

 

■<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->2025年12月6日(土)@東京ドーム SETLIST/使用ギターLIST
01 FMP
 Gibson / Custom Shop 1958 Korina Flying V Reissue VOS #841124
02 兵、走る
 Gibson / Custom Shop 1958 Korina Flying V Reissue VOS #841124
03 声明
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
04 MY LONELY TOWN
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
05 DIVE
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
06 恐るるなかれ灰は灰に
 Gibson / Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood 2009 #10
07 INTO THE BLUE
 Fender / CUSTOM SHOP ’69 Stratocaster Relic 2013 #R62497JB Custom
08 The IIIRD Eye
 Gibson / Les Paul Goldtop 1957 Reissue 1991 #1-5283
09 となりでねむらせて
10 消えない虹
 Fender / Char Mustang Pink Paisley #JD25016221
11 #1090 ~Million Dreams~
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4
12 LOVE PHANTOM
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Quilt Top Brown Sunburst #5001
13 ultra soul
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Quilt Top Brown Sunburst #5001
14 鞭
 Gibson / 50th Anniversary 1958 Korina Flying V 2008 #8-8163
15 Still Alive
 Gibson / 50th Anniversary 1958 Korina Flying V 2008 #8-8163
16 juice
 Gibson / 50th Anniversary 1958 Korina Flying V 2008 #8-8163
17 Brotherhood
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4
encore
18 いつかのメリークリスマス
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4
19 イルミネーション
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
20 愛のバクダン
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype  2004 #9

 

■アリーナツアー<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->
4月11日(土) 福井・サンドーム福井
4月12日(日) 福井・サンドーム福井
4月18日(土) 広島・広島グリーンアリーナ(広島県立総合体育館)
4月19日(日) 広島・広島グリーンアリーナ(広島県立総合体育館)
4月25日(土) 香川・あなぶきアリーナ香川
4月26日(日) 香川・あなぶきアリーナ香川
5月02日(土) 沖縄・沖縄サントリーアリーナ
5月03日(日) 沖縄・沖縄サントリーアリーナ
5月09日(土) 福岡・マリンメッセ福岡A館
5月10日(日) 福岡・マリンメッセ福岡A館
5月16日(土) 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
5月17日(日) 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
5月23日(土) 大阪・大阪城ホール
5月24日(日) 大阪・大阪城ホール
5月30日(土) 神奈川・横浜アリーナ
5月31日(日) 神奈川・横浜アリーナ
6月06日(土) 千葉・LaLa arena TOKYO-BAY
6月07日(日) 千葉・LaLa arena TOKYO-BAY
6月13日(土) 愛知・IGアリーナ
6月14日(日) 愛知・IGアリーナ
詳細:https://bz-vermillion.com/livegym2026/

 

関連リンク
◆アルバム『FYOP』特設ページ
◆B’z オフィシャルサイト
◆B’z オフィシャルX
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◆B’z オフィシャルFacebook
◆B’z オフィシャルYouTubeチャンネル
◆松本孝弘 オフィシャルサイト

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