渡辺健二の表現手法=スネスタイルを訊く

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新潟県長岡市出身、高校時代にバンドブームに乗り、
大学時代には芝居活動を始め、劇団員生活を経て音楽活動を再開するや、
20世紀末のインディーズ・チャートを賑わせたスネオヘアー
2002年5月にリリースされたメジャー・デビュー曲「アイボリー」、
そして2ndシングル「訳も知らないで」と、
一度聴いたら口づさまずにはいられないロックな美メロを
着々と世に送り出しているスネオのメジャー1stアルバムがついに完成!
その名も『スネスタイル』
ということで、スネオヘアーこと渡辺健二の表現手法=スネスタイルを訊いてみた。

“いろんなことをやりたがりな人だよ”っていうのを見せておきたい

NEW ALBUM

『スネスタイル』

2002年10月9日発売
ESCL-2336 3,059(tax in)

M1:Intro
M2:パイロットランプ
M3:訳も知らないで
M4:現在位置~You are here~
M5:Slow Boat
M6:朝のスキマから
M7:てっぺん~河合荘MIX~
M8:Over the River
M9:アイボリー
M10:JET
M11:自問自答
M12:スピーカーズコーナー


INTERVIEW MOVIE

COMMING SOON!

LIVE SCHEDULE
11/2(土)新宿タワーレコード7F(インストア)
11/3(日)新潟大学(学園祭)
12/8(日)名古屋ell FITSALL(イベント)


<ワンマン>
12/6(金)十三ファンダンゴ
12/12(木)渋谷BOXX
【TOTAL INFOMATION】
http://www.suneohair.com/
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/
――インディーズ時代の全作品がカレッジ・ジャートで1位を獲得しているわけですが、今回メジャー1stアルバムということで気負いとかプレッシャーってありましたか?

スネオ:
ないっすね。曲を1曲1曲やるしかないので。「よし、やるぞ!」っていう気持ちはあるんですけど、作業的には変わらないです。もしあるとすれば、インディーズの頃から気負いはありましたし、いつも。

――いいものを作らなきゃ、と。

スネオ:
“作らなきゃ”というか“作りたい”という欲のほうですね。

――アルバムを作る上でテーマとかコンセプトってあります?

スネオ:
ないです(笑)。「今回のコンセプトは~」みたいなことを言ってみたいんですけど、具体的なものに向かって進めたアルバムってないんですよ。1曲1曲に向き合ってやった、その集まりというか。ただ今回は、スネオヘアーなんて名前すら知らない人がまだまだ多いし、 “いろんなことをやりたがりな人だよ”っていうのを見せておきたいっていうのはありましたね。 “いい曲をやる人だ”とか“そこを目指してやっている人だ”と認識されたいなと思って。

――資料によると、コピーバンドをやりまくりの時期があったそうですが、そういう経験が今になって粒ぞろいなメロディを作れる源になっているんですかね。

スネオ:
あれが今になって活きてるのか……活きていると言いたいですね(笑)。バンドとかの曲だけじゃなくて、テレビのCMとかもコピーしてたんですよ。ほんとに、とにかく耳に入ってくる音なんでも。僕すごいテレビっ子で、CMってすごい量で何かしら音楽がかかってるじゃないですか? それでもぉ最近はうるさいなと思って音消して見てたりするんですけど。何もないところで考えると、また別のものが見えてくるというか。何かゼロがないとイヤで、音が無かったり、家で何も考えずにボケッとしてたり。どっかで客観視しないと、そのまま流されて行っちゃうような気がするんで。祭ごとがあってもその祭の現場で神輿を担がないで家から「いいなぁ」って見てる、みたいな(笑)。だから大概、今の第一線からは外れてるような気がするんですけどね(笑)。

――一応その輪の中に入りたいっていう願望はあるけれど。

スネオ:
願望はあるんですけどね。「行きたいけど…」みたいな、いろんな気持ちがあることが自分には重要だっていう気がしてて。高校の時分に読んだ松下幸之助(松下電器創業者)さんの本に、社長になる人間は同じものをみんなと一緒に同じく楽しんでちゃいけない、そこには何かチャンスだったりいろんなものが隠されているわけで。じゃあどういう仕組みになってるんだ? とかそういう見方が大切だと書いてあって。僕は社長でもなんでもないんですけど、ちょっと似てるというか。考えてやってるわけじゃなくて、どっちかというと自然にそうなってるんですけど。寂しい話ですね(笑)。

好きなんですよ、ほんとに

――曲作りも音作りも一人で完結できると、やっぱりソロに魅力を感じるものですか?

スネオ:
バンドのメンバーとの意見のやりとりとか、別のところに力を注ぎたくないというか。僕、芝居をやってた時期が一瞬あって、そのとき自分はイチ役者で、他に演出家や脚本家や照明さんやセットを作る人たちがいて芝居は完成するものですけど、音楽はそういうのも全部自分でできちゃうっていうか。せっかちだから思いついたらすぐ最終形を見たいんですよ。一人だとやっぱり作業早いし、フットワークの軽さとか、いろんな人が出たり入ったりできるところに魅力があるというか。たしかにライヴとかバンド的な音作りに憧れはありますけどね。だから今回も、monoさんとか、クラムボンの伊藤くんとか(リトルクリーチャーズの鈴木)正人さんとか、ぜんぜん友達でもなんでもなかったんですけどお願いしてみたり。やっぱり一人だと視野が狭くなる怖さもあるから風通しは…そういうのが面倒くさいとか言いつつ、よくしておきたいっていうか。あと「自問自答」のストリングスとか、家でほぼ完成形のラフミックスまで作ったときにはイメージになかったんですけど、ディレクターの案で入れてみたらすごい良くて。そういう、一人では見えてこない部分は、ある種バンド的な作り方になりますね。

――そういうときって、自分の中でもまだ完成してないっていう感覚があるんですか?

スネオ:
そうですね。そういうときはちょっと時間を空けて聴きなおしてみたり。基本的にあんまり盛り込みたくないんで。隙間があると恐い人とかっているじゃないですか? 僕はそういうのぜんぜんないんですよ。余計なものを淘汰してシンプルになれば一番いいんですけどね。でもなかなかベタで…ギターでザ~ンってやりたいなとか、ギター好きの欲望が邪魔するんで(笑)。

――たしかにギター目立ってますね(笑)。

スネオ:
好きなんですよ、ほんとに。曲を作るのもやっぱりギターだし。ちょっと味付け、みたいなことがなかなかできないっていうか。「ご飯大盛り!」みたいな方向に行っちゃうんですよ。今後のテーマでもありますね。曲によってはギターなんて鳴ってなくてもっていう気持ちもあるんですけど。……ストラスキャスターの美しい形、ニスの光沢、木の素材感、360度まわして見ても素晴らしいんですよ。

――キーボードかギターかどちらかを選べと言われたら?

スネオ:
ギターですね。ガットギター、アコギ、エレキ…ギターですね。でもこないだスタジオにあったすごいいいグランドピアノを弾いたら超気持ちよくて。エレピ系とかシンセみたいな鍵盤は興味ないんですけど、アップライトっていうか、生の楽器がすごい好きなんですよね。すごく触発されるというか。まぁお金もないし入れる部屋もないのであれなんですけど。

アルバムに続いてリリースしちゃったんですけど(笑)

――最近あった一番楽しかったことってなんですか?

スネオ:
「わぁこれ嬉しいね!」っていうのがあったような気がするんですけど……ライヴとか終わったときに普通に飲んでるときですかね(笑)。大好きな刺身食って、飲んでるときがすごい嬉しいですね。あ、こないだRIZE先輩と飲む機会があって、そのときにJesseさんとハグしたことですね。その後急激に酔いが回ってきて……アルバムに続いて……リリースしちゃったんですけど(笑)。

――(笑)楽しい思い出を頭でイメージすると、ものすごい癒し成分が脳から出るらしいですよ。

スネオ:
ん~(←目を閉じてイメージ中)。今度じっくりやってみます。

――わりとマイペースですか?

スネオ:
どうでしょう? わりとせかせか、小さめの人間なので。時間に追われてるような気になってますね。家を出るのが遅いとか、そういうこともあると思うんですけど。「あの人天然だね」みたいな感じはないです、ぜんぜん普通ですよ。音楽やってる人って、けっこういるじゃないですか、あさってな感じの、すごい神秘な、この世の人とは思えない。ああいう感じはないです。

――その辺は歌詞に表われてますね。ごく普通な、身近に感じられる出来事の描写とか。

スネオ:
あまり広いことに興味がないっていうのもあれですけど、目線がいつもそこら辺にあるというか、今はそこら辺のことしか歌えないんでしょうね。手近なものでも広げていくといろんなシーンにハマるし、家族が社会の縮図みたいな、ああいうノリじゃないですかね。だから聴いてくれた人の中にも例えの分かりやすさとかあると思うんですよ。ふだん見落としがちなものってすごいいっぱいあって、言葉もそうだと思うんですけど、そこに光を当てていきたいですね。

取材・文●望木綾子

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