2001.12.26@渋谷AX <浪漫街道まっしぐら!>
1. 檸檬~レモン~ 2. ガラクタ 3. せんこう花火 4. あの頃は~大きなノッポの古時計~ 5. 青いインクのボールペン 6. 3年かくれんぼ 7. 人生レール 8. 心臓の唄(新曲・仮題) 9. 東京野球 10. Beautiful Sun 11. テレフォン ミー 12. イタイ×イタイ ~ 独裁者 13. 涙の音 14. 星に咲く花 15. グリーン グリーン 16. 風の子 17. 遥かな光
encore 1. 即興~気持ちいい 2. カーテン(新曲・仮題) 3. むし 4. グリーン グリーン 5. 夜のかけ布団
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去る2001年10月25日、下北沢シェルターでのライヴ映像が観られます!
こちらから! |
| ▲2001年の集大成となった渋谷AXワンマン・ライヴ | In the Soupは、中尾諭介のワンマンバンドではなかった。 そんなバンドとしての在り方をシッカリと見せ付けたのが、この日のライヴだった。
そう、「ワンマンバンドではなかった」と書いたのは、「ワンマンバンドだと思い込んでいた」からなのでして…。作詞は中尾がほとんどで、作曲はドラムの吉田慎一郎、ベースの草場敬普も書くわけだけど、やはり中尾の少年ぶり、自然児ぶり、野生児ぶりのキャラクターが目立っていたわけで…。でも、そんな考えはすぐに間違っていたと、開演と同時に気づかされるものだった。
▲中尾諭介(Vo&G) | この日、渋谷AXのライヴでは、ルパン三世のエンディング曲(ワルサーP38・ヴァージョン)に乗ってステージに出てきたIn the Soup。1曲目に最新シングル「檸檬~レモン~」を披露したとたん、“この広い会場を、ガツンと迫力をもって、瞬間的にIn the Soupの空間に変えてしまえるのは、中尾ひとりの力じゃなくて、4人の固まりで音を出してるからなんだな”と感じた。それは「ガラクタ」「あの頃は~大きなノッポの古時計」「人生レール」と続いていく。
中盤では新曲「心臓の唄」(仮タイトル)も披露。ハードなギターサウンドで始まる、エネルギーほとばしる系の曲だ。その後のMCでは2002年の抱負を語るメンバー。草場は「またこうしてみんなに会えれば」。ギターの八谷健太郎は「リーダーらしくありたいなぁ(笑)」。吉田は「体重4kg減と、野音3days!」と挙げる(なぜかこういったメンバー一人一人に語らせるMCでは、中尾はツッコミだけで、自身のコメントは語らない…)。
▲八谷健太郎(G) | そして、後半は「東京野球」「Beautiful Sun」「テレフォン ミー」を演奏。この盛り上がりナンバーで畳み掛け、締めるのか…と思いきや、スローナンバー「涙の音」でもうひと波作り、しつこさとファンサービスを感じさせる。そして、童謡「グリーン グリーン」、彼らのデビュー作「風の子」へと続き、本編終了。
アンコールでは、即興で歌い、演奏し出す。即興のお題は会場のお客さんからもらい、「気持ちいい!」ということに。タイトルから歌はエッチな方向へと展開していったが、中尾の赤裸々がゆえにいやらしくないリアルな表現が楽しませてくれた。
▲草場敬普(B)
▲吉田慎一郎(Dr) | In the Soupはいつもライヴでこういった即興を行なう。「中学高校のときは、枠にハマめられそうな感じがして、で、その抵抗したいエネルギーばかりが溜まるでしょ。そのエネルギーの発散方法のひとつが、アコギ持って、ひとりでガナるような即興だった」と後の取材で中尾は語った。「今はバンドで、お客さんと一緒に作り上げるっていう感じで楽しいんだ」とも。
この即興はまさにバンドならではの緊張感と、自由さをもった即興。“インプロビゼーション”なんてジャズやプログレ用語で使うようなクールさじゃなくて、もっと荒々しくて、生々しいもの。中尾の奔放な表現エネルギーをより遠くへ放つのがバンド、In the Soupであり、また同時に中尾のなかにあるどっしりとした幹を受け止めるのもまた、バンドであるIn the Soupなのだろう。
それを中尾氏に伝えたところ、「4人の個性がよりハッキリしてきたって感じですよね。たとえば、それぞれの石があって、転がって、で、それぞれがぶつかり合うんだけど、それでバンドが大きくなるっていうね。で、それぞれの石は丸くなってるんだけど、個性があるんだって思うんだ」と答えた。 |
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