FLASHBACK 2001-LAUNCHスタッフが振り返る2001年の重大ニュース【Part 2】
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8月 シンガー/女優のアリーヤが飛行機墜落事故で死亡 |
| 8月25日(土)の夜、シンガー/女優のAaliyahが飛行機墜落事故で亡くなった。彼女を含む合計9名を乗せた小型飛行機は、バハマのアバコ島にある空港からフロリダ州オパロッカへ向けて離陸した直後に墜落、炎上した。Aaliyahは22歳だった。 Aaliyah(本名Aaliyah Dana Haughton)は、最新作で3rdアルバム『Aaliyah』からのシングル“Rock The Boat”のビデオ撮影のためにバハマを訪れていた。小型飛行機セスナ402は8月25日の夜、現地時間午後6時50分頃、マーシュハーバー空港の滑走路の端に墜落した。乗員・乗客9名のうち、Aaliyahを含む女性2名と男性6名の死亡が事故現場で確認され、男性乗客1名は重傷で病院へ運ばれたが、後に死亡した。 Aaliyah(スワヒリ語で“高貴で最も崇高な者”という意味)は'79年1月16日にニューヨークのブルックリンで生まれ、デトロイトで育った。才能に恵まれた少女Aaliyahは、まだハイスクール(Detroit High School for Fine and Performing Arts)に在学中'の94年にR.Kellyによって見いだされる。デビューアルバム『Age Ain't Nothing But A Number』をリリースし、“Back & Forth”“At Your Best (You Are Love)”という2曲のトップ10入りヒットを生み出すが、彼女はこの2曲がチャートを駆け上っている間も、ハイスクールでの成績ですべて最高のAをキープしていた。Aaliyahはプロモーション・ビデオで独自のファッション・センスを持つアーティストであることを知らしめ、また、その独特な振付けは、他のアーティストたちとの違いをよりいっそう明確なものにした。’96年に2ndアルバム『One In A Million』をリリース。デビューアルバム同様の成功を収め、タイトル曲をヒットさせた。 やがてAaliyahは、こうした音楽業界での実績を映画界の成功に結び付けていく。アクション映画『Romeo Must Die/ロミオ・マスト・ダイ』でマーシャル・アーツのスター、Jet Liの相手役を演じて映画デビュー。2000年度の大ヒット映画となった。さらに、サウンドトラック・アルバム『Romeo Must Die』収録の“Try Again”でグラミー賞のBest Female R&B Vocalist(ベスト女性R&Bヴォーカリスト)にノミネートされた。'02年に公開されるAnne Riceの小説を映画化した『Queen Of The Damned』でも彼女の姿が見られる。撮影は2000年9月にオーストラリアで行なわれた。一番最近では『The Matrix/マトリックス』の続編で、'03年公開予定の『The Matrix Reloaded』と'04年公開予定の『The Matrix 3』でのZee役が決定していた。しかし、不慮の死を遂げる前に、この2作品の撮影をすでに行なっていた可能性はまずないだろう。 LAUNCHでは過去にAaliyahから、彼女の人生や人気、ファンについての考えを訊いていた。 Aaliyahという人物について: 「私は単純に自立した少女だというだけ。自分のやりたいことをわかっていて、他の人にそのジャマはさせないというね。子供たちがそれを見て、自分たちも自分の夢に向かっていこうという気になってくれると思う」 “お手本”とされること: 「私自身も自分はお手本だと思ってるわ。一度、公共の場に出る人物になったら、自動的にその責任を負わなければならないのよ。確かに難しいことよ、私たちも同じ人間だから。間違いだってある。でも、ファンがそれをわかっていて、私たちがベストを尽くそうと頑張っているのを理解してくれている限りは大丈夫。私はその役目を引き受ける」 |
9月 イン・シンクが9月11日を振り返る |
*NSYNCのChris Kirkpatrickは、9月11日(火)の朝にグループのメンバーが悲劇の第一報を耳にしたときのことを思い出し、LAUNCHに語ってくれた。 「全員、ショックでぼう然としたよ。ずっと、確か8カ月か9カ月くらいツアーに出ていて、最後にやったのがその直前の週末だったんだ。島のほうでライヴをやって、月曜日の夜に飛行機で戻ってきた。月曜日の夜にはみんな自宅に戻ってて、火曜日の朝にそこで目を覚ましたんだ。そして、大勢の人たちが身動きが取れなくなっているのを知った。人々の乗るはずだった飛行機が遅れたり、変更されていた。すべてのことが起こる前の夜に戻ってこれて、僕たちは本当にラッキーだったと思う」 *NSYNCのメンバーもやはり、ほとんどの米国民と同様、事件発生後の数時間を友人や家族らの安否の確認に費やしたという。 「みんなと同じように、携帯やポケベルを使ってニューヨークにいる知り合い全員に連絡をとろうとした。全員、無事であることを確認するためにね。それから悲劇の影響を受けてしまった人たちに、僕らが心から思い、祈っていることを知らせたよ」 |
9月 コートニー・ラヴの訴訟 |
| 9月28日(金)、Holeのフロント・ウーマンCourtney Loveは、元NirvanaのメンバーKrist Novoselic、Dave GrohlとUniversal Music Groupらを相手取り、ロサンゼルス上級司法裁判所に訴訟を起こした。彼女の夫である故Kurt Cobainがフロントを務めていたバンド、Nirvanaの専有権をめぐっての訴訟である。 この動きは年頭からの同様の訴訟に続くもので、悪名高いロッカーの彼女はレア・ソング“You Know You're Right”のリリースを差し止めるよう訴えた。同曲は現在延期となっているNirvanaのボックス・セットの目玉となっており、“On The Mountain”の名で馴染みのあるファンも多いだろう。 9月の訴訟でLoveははNovoselicとGrohl、およびNirvanaのレーベルGeffen Recordsの親会社、UMGとの契約による所有関係、Nirvana L.L.C.の解体を要求している。 NovoselicとGrohlに関してLoveは、Nirvanaは実質的にCobainが創造したもので、よって所有権は彼女の管理下に帰属すべきだと主張している。 「Nirvanaにはパートナーシップはなく、また共有が可能なものではありません。なぜならNirvanaは1人の特定の人物の創造的な観念、パーソナルな意志、生命力の生きた化身だからです」「Nirvanaの芸術および商業的生産物はKurt Cobainの創作であり、一般大衆とNirvanaのオーディエンスは過去、そして現在においてもNirvanaとKurt Cobainを区別していません」 Loveはまた、'97年にNovoselicとGrohlが「もしサインしなければ、2人が彼女の持つNirvanaの財産権をすべて買い上げると誤解させる印象」を彼女に与え、強制的に現在のNirvana L.L.C.の契約に組み込んだという。 Loveは一方で、Nirvanaが最初にGeffenと契約したのはUMGが主張していない“ブティック”的な状態であったためだとし、コングロマリットのUMGはGeffenを専有した日をもって契約を解消すべきだと抗論している。LoveとNirvanaの闘いは来年、再びヒートアップしそうだ。 Loveはまた、バンクーバー地区の住宅賃貸契約に違反し、同区域の男性からも訴えられている。住宅の所有者であるPeter Ashbyは、Loveが高級住宅の賃貸料4万ドル以上を滞納しているとし、ブリティッシュ・コロンビア州最高裁判所に訴えを起こした。Loveは近日公開の映画『24 Hours』の撮影のためバンクーバーに滞在していた。 Ashbyは賃貸料と損害保証金および、訴訟費用と利益の賠償を含む5万6500ドルを要求している。Loveは4月22日に1日だけその住宅に滞在したが、翌日退去したとのこと。 さらにLoveとEaglesのDon Henleyらは9月5日(水)、サクラメントのカリフォルニア州上院議員らに、音楽レコーディング契約の基準構造にもっと注意を払ってほしいと要求した。 他に訴訟を抱えているのはDixie Chicks、LeAnn Rimes、ジャズ・シンガーのPatti Austin、そして同じ考えをもつ音楽産業のリーダーたち数名。 |
10月 リンプ・ビズキット、メタリカ、ウィーザーのメンバーが脱退 |
| 10月初め、Limp BizkitからギタリストのWes Borlandが脱退した。Borlandが彼のサイドプロジェクト、Big Dumb Faceによる『Duke Lion Fights The Terror』をリリースしてから1年と経っていなかった。ギタリストのBorlandはまた、同アルバムをサポートするツアーを行なった。 バンドは声明で次のように語っている。 「Limp BizkitとWes Borlandは友好的に決別することになりました」「Limp BizkitとBorlandはぞれぞれの音楽キャリアを追求し続け、お互いに将来の健闘を誓い合いました」 Borlandの新しいバンドの正式名称はEat The Dayで、彼のサイドプロジェクトBig Dumb Faceでプレイしていたミュージシャンを多くフィーチャーしている。Eat The Dayのアルバムは'02年中に発売される予定。bigdumbface.comのサイト管理者によれば、バンド名はBorlandが自宅のキーボードにつけたエフェクトに由来するとのこと。 MetallicaのベースプレイヤーJason Newstedは、個人的な理由で1月にバンドを脱退。Newstedは声明の中で次のように語った。 「プライベートな理由と、大好きな音楽を長い間プレイしてきて患った肉体的ダメージのため、バンドから身を引かなければならない。これは家族と自分自身、Metallicaの今後の成長のために下した、人生で最も辛い決断だ。仲間のJamesとLars、Kirk、それにMetallicaの家族、友人、そして忘れることのできない年月を支えてくれたファンに愛と感謝、最高の祈りを捧げる」 Metallicaのシンガーソングライター/ギタリストJames Hetfieldは、Newstedの脱退を次のように語っている。 「音楽への限りない情熱を持った人間とプレイすることは、絶え間ない巨大なインスピレーションとなる。毎晩のステージで、彼はメンバー全員とファン、バンドにとっての原動力だった。彼との関係はこの先も決して崩れることはないだろう」 ドラマーのLars UlrichはNewstedの脱退をこう語る。 「過去のどの時よりも多くの愛と尊敬、お互いの理解をもってJasonと決別した。JamesとKirk、そして俺はMetallicaが次の章へ進むのを楽しみにしている。Jasonと共に過ごした過去14年間に多くの感謝を捧げ、Metallicaが以前にも増して輝くようなチャレンジがこの先に待ち受けていることに高揚している」 ギタリストのKirk Hammettは「Jasonは兄弟のようなものだった。彼がいなくなって寂しくなるだろう」と語った。 Newsted は元のバンドの現状を次のようにLAUCNHに語っている。 「Metallicaが現在の状態になっているのにはいろいろな理由があるけど、誰も口にしたくなかったし、波風を立てたり壊したりしたくもなかった。暴走した戦車みたいに、来るものすべてをひき潰していたんだろうな。みんな、そういうことに干渉したくなかったんだ。感情や感覚、個人的なこと、すべてが穴かなんかに……自分自身の中や、どこか他の場所に埋められらような感じになった。それから今年になって、人々がそのことの価値を認識し始めたんだ」 NewstedはティーンエイジャーのMoss Brothersとの活動や、ダラスのグループSpeedealerのプロデュースなどで1年中忙しくしていた。彼はまた、長期間かけて完成させた彼自身のバンド、Echobrainのデビューアルバムのプロモーションに数カ月を費やした。 NewstedはMetallicaのベーシストを14年間務めた。彼はオリジナル・ベーシストのCliff Burtonの死後、バンドに加入。Newstedはバンドと共に1000以上のギグをこなし、『...And Justice For All』『Metallica』『Load』『Reload』『Garage Inc.』『S&M』の6枚のアルバムを作った。現時点でMetallicaの後任ベーシストについての発表はない。 ベース・プレイヤーの交代は他でも起き、Weezerのオフィシャルサイトは8月、ベーシストのMikey Welshが精神病院に自主的に入院したと報じた。 Welshはバンドのニューシングル“Island In The Sun”の2つ目のビデオクリップに出演するためロサンゼルスへ飛ぶ予定だったが、彼はボストン地区からロサンゼルスへ向かう夜行便に搭乗せず、姿を見せなかった。ビデオ監督はバンドを一気に飛躍させたクリップ“Buddy Holly”で指揮を執ったSpike Jonze。 バンドのサイトには次のようなメッセージが掲載された。 「Mikeyが精神病院に入院したと聞いて、彼の故郷のボストンだと思った」「だけど運悪く、彼の具合はどうなのかはまだよく分かっていないんだ。さっきから詳しい情報を知る人を探してるんだけど、それもすごく難しい状態になっててね。彼の回復を祈り、すぐにまた戻ってくることを望んでいる。とはいえ差し迫った状況を考えると、当面は次のツアーがあるから、ギグに向けて急遽オーディションを開いて、代わりのプレイヤーを見つける段取りを組むことになるだろう。“万一”、Mikeyが復帰できない場合のことを考えてね」 Weezerはその後、一時的な代理として無名グループBrokenのScott Shinerをベーシストに指名した。 |
11月 ガース・ブルックスが『Scarecrow』でカムバック |
| Garth Brooks待望の4年ぶりとなるアルバム『Scarecrow』が11月13日(火)に発売された。12曲を収録した同アルバムは彼の最後の作品と言われており、George JonesとTrisha Yearwoodをスペシャルゲストにフィーチャー。Brooksが映画『Frequency』のサウンドトラックのために作った曲“When You Come Back To Me Again”が収められている。 『Scarecrow』の収録が行なわれたとき、当初Brooksはアルバムの趣向について頭を悩ませていたという。しかし、仕上がった作品は、彼のこれまでの7枚のアルバムと同様にカントリーになったとBrooksはLAUNCHに語っている。 「Brad Paisleyが言ってたみたいに“彼らは僕をポップっぽくしようと1日中必死だけど、そうはならないだろう”。レコーディングしたものについては、そんなところがすごく気に入っているんだ。彼らは1日中懸命になって、実際よりも更になめらかなものにしようとしている。でも、このアルバムはそうはならないだろう。このアルバムですごく驚いたことのひとつがそれだよ。アルバムにアプローチするのがすごく怖くて、大部分がポップっぽいサウンドで、なめらかな感じになるんじゃないかと心配していた。それが怖いんだ。ああいった感じに仕上がったのが分かって、すごくハッピーな気分だったよ。このアルバムは夏に発売され、とても誇りに思えるカントリー・アルバムになった」 『Scarecrow』のカヴァーには、'89年のセルフタイトルのデビューアルバムで身に着けていたのと同じデニムジャケットを着たBrooksの姿がフィーチャーされている。Brooksは、その写真がScarecrowに収められている曲と同様に彼にとって非常に重要なものだと語っている。 「1stアルバムから出発して、ほぼ一巡りした感じだ。1stアルバムで着ていたのと同じジャケットなんだ。まだ肩とかがピッタリで……そんな感じなんだけど、クールだったよ。オクラホマの農場で撮影して、気に入ってるんだ。ほとんど一巡したね。このアルバムには、初期のGarth Brooksのアルバムで耳にするような曲がたくさん入っている。それにあらゆるところに幽霊がいて、とりわけ『Sevens』はいちばん最近のものだ。常に自分のパートに挑み、それを維持し、アーティストとして何か新しいものを発見しようと努力しているんだ」 アルバムと並行して、BrooksはCBSの3つのライヴ特番に出演。彼はその詳細をLAUNCHに語ってくれた。 「うまく立ち上がったかどうか確認することが大切だよ。アルバムの発売から1週間ほどして1時間のスペシャル番組が3本与えられた。何をするかというと、大義のために大勢のアーティストがしているように、自分たちも懸命に道を見つけて、これを救済活動につなげようと思っている。なぜならこれは今、僕たちがステップアップして自分たちの活動をしていることになるし、できれば9月11日の事件への報復と自由のために配備され、現在も戦っている人たちを含めた関係者全員に敬意を払いたいから」 さらにBrooksはDr PepperでCM初出演を果たした。 「Dr Pepperで僕がいちばん好きなところは、Coca-ColaやPepsiと共に、とっても、とっても素敵な人々に10年以上も親しまれてるってこと。出演しようという気持ちはあったけど、いつもどこか心の奥で“僕の冷蔵庫はDr Pepperでいっぱいになってるわけじゃないし”って思ってたんだ。ちょっとシリアスなり過ぎたんだろうけど、何か特別なものにしたいと思って、それで僕のお気に入りの3大スポンサー、Dr PepperとM&M、Taco Bell、みたいな感じになったんだ。それで、今は自分自身を見つめることができて、こう言えるようになったから良かったと思うよ。“いいじゃないか! 売れ行きが悪くても!”ってね」 |
11月 ジョージ・ハリソンが58歳で死去 |
| Beatlesのメンバーの中で最も若く、物静かなGeorge Harrisonがガンとの闘いに敗れ、11月29日(木)午後1時30分(米太平洋標準時)ロサンゼルスで死去した。58歳だった。彼はその日、彼の妻Oliviaと息子Dhaniに看取られて息を引き取った。 【Part 1】へ戻る |
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