ビルボード初登場2位! 前2作を超えるヒットは確実の新作『Morning View』

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ビルボード初登場2位! 前2作を超えるヒットは確実の新作『Morning View』
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「僕らにとって気分が良くない唯一の点は、ニューメタルと関連づけて語られることだ」

最新 Album

Morning View
EPICインターナショナル EICP-1
2001年10月24日発売 2,520(tax in)

1 Nice To Know You
2 Circles
3 Wish You Were Here (1st single)
4 Just A Phase
5 11 AM
6 Blood On The Ground
7 Mexico
8 Warning
9 Echo
10 Have You Ever
11 Are You In
12 Under My Umbrella
13 Aqueous Transmission


Brandon BoydはレンタルしたRV車のフロアに座って、雑誌「Arena」をぱらぱらとめくっていた。あるページに目を留めた彼はIncubusのバンドメイトを見回して、微笑みながら「Joseがこれを欲しがっている」と書き込んだ。そのページに載っていたのは、全身をピンクに着飾った男性モデルが載ったド派手な洋服シリーズの広告だった。Dirk Lance が肩越しにのぞき込んで笑い、Mike Einzigerもそれに加わった。最後に気付いたJose Pasillasは悲しげにおどけて見せたが、確かにそんな衣装を着そうな人物である。

Incubusの連中が「Wish You Were Here」のビデオ撮影でロケ現場に呼び戻されるのを待っているときには、こうしたおどけたやりとりが行なわれているのだ。シンガーのBoyd、ベーシストのLance、ギタリストのEinziger、ドラマーのPasillasからなる4人組は一緒に育ち、一緒に音楽の演奏方法を学び、そしてDJのChris Killmoreとともにポピュラー・ミュージックの世界に大きな足跡を残したのである。ラジオで「Pardon Me」「Drive」「Stellar」といった彼らの曲を聴いたことのある人もいるだろう。また『Make Yourself』を買った200万人以上のファンのひとりだった人もいるはずだ。あるいは最新アルバムの『Morning View』からのラジオ向けナンバー「Wish You Were Here」を聴いて、彼らに興味を持ったばかりの人だっているだろう。

おそらくIncubusは最近登場した中で最も革新的で若い(だって、彼らはまだ20代初めから半ばなのだ)ロックバンドのひとつだろう。だが、彼らはわずかでも心地よい居場所を見つけるのに多少の問題を抱えている。

僕らは自分たちの位置づけに苦労していると思う。だから他の人たちが僕らをどう捉えているかを知るのは面白いよ」とBoydは説明する。「僕らにとって気分が良くない唯一の点は、ニューメタルと関連づけて語られることだ。僕らがニューメタル・バンドのニューウェイヴ一派だっていうのを見たり聞いたりするたびに、“ちょっと待った。もしもし? 何のこと?”って言いたくなるんだ

『Morning View』のコピーをリリースのひと月前に受け取ったファンの意見をチャットルームでチェックする際、Dirk Lanceは多少割り引いて受けとめることにしているという。

ガキどもがどんなにひどい作品だったかを話すのを聞くときには笑ってるよ。連中は『Make Yourself』の時にも同じことを言ってた。同じヤツらが“こんなの好きじゃない、Incubusは変わっちゃったよ”って言っているんだ。2週間もすれば“ああ、さっそく買ったよ”って言うに決まってるからね

Incubusのことを本当に理解するには多少の時間がかかるだろう。それは新作の『Morning View』にしても同じことである。快活なファーストシングルから、ヴァイブなリフの「Aqueous Transmission」や胸を打つ「Mexico」まで、バンドは自身のユニークなサウンドを犠牲にすることなく、数多くの感覚をミックスしているのだ。

Boydの書く歌詞は『Make Yourself』で、そして本作でも時として力づけるものだと解釈されている。しかし、本人によれば本当のポイントはそこにはないという。

僕の意図の大半は書くことそのものにあるんだ。歌詞は表現の一形態であり、自分の感情を伝えるために僕にできる方法のひとつなんだよ
僕にとってはひとつのセラピーという側面も大きくて、歌詞を書くことによって自分を助けようとしてるんだ。歌詞を読んだ子供たちで僕が会った連中はみんな、僕の書いた詞が力を与えてくれたって言ってくれるけどね。それは良いことだと思うけど、自分が最初に意図したことではないんだ。僕はなんでも独力でやる人間になろうとしているつもりはないよ。ただ単に歌詞を書いて、もしも誰かがそれに共感してくれたり、楽しんでくれたり、嫌ってくれたりしても、何かを感じさせることができたのだとしたら、自分も何事かを成し遂げた気分になれるんだ

その一方で、もっと心配すべきことが他にもたくさんありそうだ。例えば、Joseは何を着るんだろうとか。

By David Farinella/LAUNCH.com

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