▲舞台は2065年の荒廃した地球。あらゆる生命体が滅亡の危機に瀕し、勿論、人類もその例外ではなかった。そして“ファントム”と呼ばれる地球外生命体の襲来。人類は“バリアシティー”と呼ばれる極僅かなエリアでファントムの脅威にさらされて暮らしている。政府は、ハイン将軍のもと地球と人類の存続に必至だった一方、科学者アキとシドは、対ファントム・ソルジャーである「ディープ・アイズ」のメンバーたちとともに、武力以外の対抗手段を探し始める。ディープ・アイズの一員であるグレイとアキの愛をとおし、愛し、許し、癒すことで未来へと命をつないでいこうとするが……。地球にとって、人類にとっての最終局面が、ついにやってくる。
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2001年9月15日より、全国東宝洋画系劇場にて公開! ●原作・監督・製作/坂口博信 ●製作/会田純、クリス・リー ●脚本/アル・ライナー、ジェフ・ヴィンター ●音楽/エリオット・ゴールデンサル ●ヴォイスアクター/ミン・ナ、アレック・ボールドウィン、スティーブ・ブシェミ、ほか ●配給/ギャガ・ヒューマックス(コロンビア・ピクチャーズ全米配給) ●上映時間/106分
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『ファイナル・ファンタジー』オリジナル・サウンドトラック SRCS-2519 2,520(tax in) 2001年7月18日発売
1ザ・スピリット・ウィズイン 2レース・トゥ・オールド・ニューヨーク 3ファントム・プレーンズ 4コード・レッド 5ザ・キス 6エントラーダ 7トッカータ・アンド・ドリームスケープス 8ミュージック・フォー・ダイアログ 9ウィングド・サーペント 10ゼウス・キャノン 11フライト・トゥ・ザ・ウェイストランド 12ア・チャイルド・リコールド 13ジ・エイス・スピリット 14デッド・レイン 15ブルー・ライト 16アダージョ・アンド・トランスフィギュレーション 17ザ・ドリーム・ウィズイン/ララ・ファビアン 18スピリット・ドリームズ・インサイド/ラルク アン シエル
「Spirit dream inside ~another dream~」/ラルク・アン・シエル Ki/oon Records KSC2-410 2001年9月5日発売 1,020(tax in)
1Spirit dreams inside-another dream- 2Spirit dreams inside
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| CG――コンピュータ・グラフィックスで作った映画ってどんなだろう、面白いの?っていうのが極論であり、僕が『FINAL FANTASY』(以下『FF』)を見たかった動機。もちろんゲームの『FF』は随分ハマって全部やったし、ラルク・アン・シエルの曲が好きなこともこの映画を観たかった動機ではあるけどね。「やっぱり映画は技術じゃないよなあー」と思った人多いと思うけど、見終わった今僕もそう思ってます。でもその観点だけでは、この映画に限り決して本質をついてない気もするんだけどね。
それはひとまず置いといて内容はどうだろうか、ストーリーはやっぱりゲームっぽい(RPGっぽい)ような印象を受けた。ある巨大な敵(ファントム)を倒すためアイテム(特殊生命体)を集めて、仲間と力を合わせて戦って、倒せるかと思ったら、手強くなったり。RPGやらない人には新鮮なのかな? 見ているときは感じなかったけど、今冷静に振り返るとそんな感じがします。
▲2065年、地球外生命体“ファントム”に地球は破壊され、人々は “バリアシティー”で暮らしている。 | キャラクターで言えば、人物や物体の描写はゲーム『FF』のムービーシーンからもわかる通り完璧。不気味なエイリアン(ファントム)は物質ではなく精神生命体、壁や床は突き抜けるは(見た目もスケルトン)、銃や大砲も通じない。人が襲われる時も精神だけ持っていかれちゃうんだよね、無理やり幽体離脱させて取り込んじゃうみたいに。「壁を通りぬけるものが、何で床を歩いて襲ってくるんだ?」という小学生並みの疑問はおいといて、これは確かに実写ではちと厳しいだろうし、CGムービーのテーマとしては、うってつけで理にかなっている。
かなり昔、宮崎駿さんが、アニメーションの最大の魅力は山が割れてロボットが発射されたりするような現実には有り得ないことを表現でき夢を与えられるところだ、というような内容を語っていたことをフと思い出したけど、CGもその部分では同じだと思うし、コンピュータを使っているのだから、将来はアニメができることより複雑なことを効率よくできたりするかもしれない。CGならではのオリジナル表現もたくさんあるのだと思う。
監督の坂口博信氏は「生命エネルギーや心といった、目には見えないものを説得力をもって描き、かつ、現代と変わらない人間の感情をリアルに表現する。そのための唯一の手段が、フルCGという手法です。実写でもアニメーションでも不可能な世界を、フルCGなら表現できるかもしれない」と語っている。
▲科学者アキは、繰り返し同じ夢を見る。この夢が地球を救うカギになるのだが……。 | その言葉どおりCGのクオリティや表現力は凄かった。アキが歩いている地面が水のように透けて下から見上げるアングルとか、銃を正面から撃たれる映像とか。逆に実写と見間違うようなシーンもたくさんあって、でもそれらのシーンも、よく考えると実写では有り得ないものだったり、できるかもしれないけどセットにしたらいくら予算があっても足りないようなものだったり。アニメともまったく違う、見たことない映像の連続で、かなり衝撃的でした。
時代背景とストーリー、細かいディテール(軍隊のユニフォーム、銃や乗り物、筋肉の動きから髭の本数やお年寄の皺の見事なこと)、キャラクターの設定(ヒロインのアキには誕生日はもちろん、そばかすもあります)など緻密に計算されてて、ハマる人はすんごくハマるんだろうなと思ったけど、僕はハッキリ言ってついていけなかった。その辺の作りこみ含め、良くも悪くも、凄く優等生的な映画の印象を受けた。フルCGの映画を作ることってことは、それだけで凄いリスクだと思うんだけど、いち観客として、他の部分でもっとキレてて欲しかったな。例えばキャラももっとクセがあったり、製作者の個性が出たほうが感情移入できると思うし、ストーリーにもう一ひねり欲しいとも思うのです。
映画「ファイナルファンタジー」の最大の味方であり最大の敵はゲーム「ファイナルファンタジー」なんて陳腐な表現は使いたくないんだけど、ある意味今世紀初の大掛かりな実験とも言える作品だから、ここからフルCG映画の歴史が始まっていって将来スゴイことになるような予感もしつつ、クリエーター必見の作品と締めておこう。 |
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