レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、『Renegades』誕生の背景

最新作『The Battle Of Los Angeles』がナンバー・ワン・ダブル・プラチナ・アルバムに輝いているRage Against The Machine。彼らは、この後リリースが予定されているライヴ・アルバムに、自分達のお気に入り2曲をボーナス・トラックとして加える目的で、Rick Rubinと共にスタジオ入りしていた。メンバーが持ち寄った曲の中にはMinor Threatなどの政治的なバンドをはじめ、王道のヒップホップ、ロック、パンク・バンドがリストされていた。

スタジオに入ったRageは、彼等らしいハードで自由な解釈でレコーディングを始めたところ、２曲で終わるつもりが11曲も録音された。その11曲を聴き直した彼等は新たなRage Against The Machineのアルバムが誕生したことに気づき、その時点でライヴ・アルバムの発売を延期し、新作『Renegades』をリリースする決断を下したとのこと。

ギターのTom Morelloは次のように語っている。
「数曲のボーナス・トラック用として録音を始めたものが、僕等のアルバムの中でも最もパワフルなアルバムの１つとして仕上がった。これまで、Rage Against The Machineのようなバンドが１枚のCDを通じて、王道のヒップホップ、ロックの曲を革新的なヴァージョンでレコーディングしたことはないだろう。その曲がもともと書かれた理由と同じぐらい、僕等の演奏は慣習を打ち壊している」

『Renegades』に収録されている曲のオリジナルは、MC5、The Stooges、EPMD、Bob Dylan、Minor Threat、The Rolling Stones、Afrika Bambaataa、Devo、Volume10、Erik B and Rakim、Cypress Hillなどのアーチスト。『Renegades』の精神とテーマを崩さないよう新たにリミックス、アレンジされたBruce Springsteenの「The Ghost of Tom Joad」（レイジの'97年のホーム・ビデオと共にシングルでしかリリースされていないテイク）も収録されている。

全曲Rick Rubin（Red Hot Chili Peppers、Beastie Boysのプロデュース／Def Jamの設立者）がプロデュースを、Rich Costey（Fiona Apple、Ice Cube、Pavement）がミキシングを手掛けており、１stシングルとビデオは、Afrika Bambaataa作曲の「Renegades of Funk」。

イギリス／ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、そして日本での初回出荷分のアルバムにはライヴ・ボーナストラックの2曲、「Kick Out The Jams」と「How I Could Just Kill A Man」が含まれる。この2曲は、ロサンゼルスのザ・グランド・オリンピック・オーディトリアムでのライヴ・レコーディング。

「How I Could Just Kill A Man」ではゲストとしてCypress HillのSen DogとB-Realがフィーチャリングされているが、初回出荷分後にプレスされるものに関しては、この２トラックは除去されるとのこと（※日本盤には当ボーナス・トラックは永久的に収録される）。

'99年、メキシコでの公演を収録したDVD／VHSも同じく12月12日にリリースが予定されている。これはMTVで放送された映像を製品化したもので、コンサート全体、そしてリード・ボーカルのZack de la Rochaが作成した政治的作品も収録されている。