“ドキドキチクチク” aikoの歌の効用は…!?
“ドキドキチクチク”aikoの歌の効用は…!? |
▲「ボーイフレンド」 2000年9月20日発売 ¥1,260 (tax in) | ♪あなたが泣いてたら あたしも笑えないんだ ♪ゴメンだよって言われたって もう怖くない ♪「疲れてるんならやめれば」 ♪生涯忘れることはないでしょう ♪幸せなキスをするのがあなたであるように ~aiko's singleより~ ……なんだろう。この感じは。 ドキドキチクチク。ルルララチクチク、チクチクチク、チクチク。ほんわかとナツカシクテ、ささやかにイトオシクテ、そしてやさしく痛い。なんだか遠い昔から知っている感覚。毎年、秋になるとキンモクセイの香りをふいにかいで思い出す、あの不思議な気持ちにも似たなにか。今はもう手にすることはできない大切なものに、再びめぐりあえたような。 aikoの歌を聴くと、こんな風にいつも身体のどこかが穏やかにゆっくりと騒ぎだす。それは決して“うっとおしい”ではなく、どちらかといえば“心地いい”。 ……aikoの歌に、こんな気持ちを抱くのは、あたしだけだろうか。 こんばんは。おげんこ?……これ、基本的なaiko流の挨拶です。他にも わんばんこ!とか、ほいほーい! などあります。別にあたしはマニアックaiko博士じゃないんですけど、この1年、週に一度は必ずaikoに会っているので少しばかりか彼女について詳しいかもしれません。なぜなら、あたしはaikoがパーソナリティをつとめている『aikoのオールナイトニッポン・コム』の構成を担当しているから!という、ただそれだけのことなんですが……。 で、ぶっちゃけて話すと、今回これを書くにあたって、ロンチ・ジャパンのaiko御担当者サマから“ボーイフレンドについての原稿をお願いします”と言われました。もちろんこの「ボーイフレンド」は今イチバンのaikoのニューソングなのですが、なんていうんでしょうか、ズバリ言うと書けましぇん。 理由は、あたしがaikoという人物を知ってから今現在に至るまで、すべてのaikoの曲は、本当に単なる彼女の一部分であって、この曲のaikoがなんとかだとか、この曲のaikoはこんなことを想ってだとか、あの歌詞の一部分に実はaikoのアレがホニャララだとか、そんであたしが今のaikoをどう捉えただとか、そんな音楽チックな批評がまったくないわけで(だから言ったんですよ。あたしに原稿頼んじゃいけないって)。 ……ただ、aikoのラジオのスタッフであるという特権から、新曲をいつも早く聴かせてもらうことが多々あり、今回の「ボーイフレンド」も出来上がった段階でうれしいことにaiko直々に聴かせていただきました。 以下は、その時の再現トークです。 (♪「ボーイフレンド」を聴いて……) 私「こりゃまたaiko、ずいぶんと、 難しい曲を作りましたなー」 a「うん、作っちゃいましたよお。ふふふふふ。 まあ、歌うの大変だけど……、とにかく楽し く盛りあがりたいなーって……」 私「えー、……とてもいいと思います。」 a「……マジで!?マジっすか?ヒャー、 ウレシー、キャーッ!!!」 (ほとんど忠実に表現) ……と、こんな形でしかあたしはaikoの「ボーイフレンド」を紹介できません。だって、すべては聴く側の感覚ですしね。まあ音楽なんてすべてこの言葉が最終兵器だと思うんですけど、aikoの歌は、この「聴く側の感覚」に今、非常に刺激を与えている事は確かだと思います。しかもこの刺激は、恋愛においてなんらかの後悔だとか不安を記憶している脳をお持ちの方、そしてそれを自ら封印している方に強く作用する気がします。 でも、それだけのことならいろんなアーティストにおいても同じなのでしょうが、あたしが思う限り、aikoはハッピーソングを歌うときですら、どこかで泣いています。うれしさと不安をぐちゃ混ぜて泣いています。 aikoの歌に耳を傾ける人は、心の奥でたぶんそのことに気づいてるんだと思うのです。それは、予想もできないメロディラインに現れていたり、その音符を追いかける彼女の歌声だったり、歌詞カードには記されないアイコブシ(アイコのこぶしの略)だったり。泣きながら探す未来のありか……。 ♪全ての始まりがあなたとで 本当に良かったと思ってる ……好きよ ボーイフレンド ……なんだろう。この感じは。 ドキドキチクチク、ルルララチクチク、チクチクチク、チクチク。思い出す、大事な気持ち。 その気持ちが嘘じゃないから、あたしはその気持ちが好きだったから、今でもずっと好きだから、aikoの歌を何度も聴くんだと思う。 文●大川きみこ(00/10/17) |
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