ジョン・レノンの射殺犯、TVインタビューで殺害の原因を語る

ポスト
BeatlesJohn Lennonを殺害した犯人が、仮釈放を得るためにマスコミを利用したキャンペーンを続けている。最新のインタヴューでは、彼がとった行動の責任を、“父親”というありがちな事柄に押し付けている。「一番の原因は、父親が人生や困難についてなにも話してくれなかったことだと思う。言葉の少ない人だった」

犯人のMark David Chapmanは、ニューヨークのはずれにあるAttica刑務所内で、裁判関連の専門TV局、Court TVのインタヴューに応じた。
「(父親は)愛しているとかそういう言葉は一切言ってくれなかった。振り返って考えれば考えるほど、彼の愛はまったく感じられなかった」

Chapmanは、'80年12月8日にニューヨークでLennonを射殺し、有罪となった。彼は服役中に熱心なキリスト教の活動家となっている。Chapmanの父親への恨みは根深く、彼を殺すことを想像したりもしたという。
「彼の頭に銃を突きつけて許しを請わせてから、吹っ飛ばしてやりたかった。本当に彼に対する怒りで一杯だった。母親にお金を全然渡さないこと、離婚したこと、家を売って、そのお金を女だかなんだかに使ってしまったこと。おそらく、John Lennonを殺して自分の人生も台無しにすることで、父親に仕返しをしたかったんだと思う」

このインタヴューでChapmanは、Lennon殺害の日のことも語っている。彼は犯行に先駆けて同じ日の午後、Lennonにサインをしてもらっていた。
「柵に寄りかかってアルバムを差し出して“John、アルバムにサインしてくれる?”と聞くと、彼は“いいよ”と言ってアルバムを受け取り、サインして返してくれた。それから僕の顔を見てうなずくと“これだけでいいの?”と言った。……計画的だったんだ。彼のサインなんか欲しくなかった。欲しかったのは彼の命だ。結局、両方手に入れた」

このCourt TVによるChapmanのインタヴューは、10月2日(月)にドキュメンタリー番組『Death Of A Beatle』として放送される。Chapmanの仮釈放の審議は、放送翌日の3日(火)に行なわれることになっている。Lennonの未亡人、Yoko Onoは、仮釈放の審議委員会に宛て手紙を送っており、委員会はChapmanの仮釈放申請を却下するだろうという見方が強い。Chapmanは他のインタヴューで、Lennonのような人は、自分を許して仮釈放を支持してくれるだろうと述べていた。しかし、LennonとYokoの広報担当、Elliot MintzはNew York Post紙のインタヴューにこう答えている。
「Lennonがここにいることができたら、喜んで自分の口で意見を述べただろう」

記:Gary Graff、デトロイト
この記事をポスト

この記事の関連情報