【インタビュー】カミラ・カベロ「ありのままの自分に自信を持って、もっと遊び心を」

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©Dimitrios Giannoudis

6月28日(金)にカミラ・カベロの『C,XOXO』がリリースされた。通算4作目となるニュー・アルバムだ。

この作品はカミラ・カベロの出身地:マイアミからインスピレーションを得て制作されたという。ポップに留まらないジャンルを開拓し、音楽面でもビジュアル面でも境界を押し広げることとなった『C,XOXO』は、カミラ・カベロのシンガーソングライターとしての進化を高らかに謳うものとなった。

豪華なアーティストたちのゲスト参加もアルバムに華を添え、『C,XOXO』は好きな自分の一面を表しているという。

「『C,XOXO』は、青やピンクのスキーマスクであり、リップグロスを欠かさないことであり、ブルーアワーに生き返ることであり、男性を仕留められるほどの長いネイルと鋭いアイライナーであり、メイクしたまま涙を流して、写真を友だちに送ること。Tシャツの下にビキニを着ることであり、ビーチへ行った後にベタベタの髪のままディナーをすることであり、日焼けの跡をつけて女友達と白ワインを飲むこと。それを全力で楽しんで生きること。『C,XOXO』は害を与えないけれど、何事も気にしない。それは私に、この世界で私たちの誰もが必要としている自身や大胆さ、ワビサビを与えてくれた。これは力強い女の子たちや、夢のような女の子たち、回復中の愛すべき女の子たちのもの。私は『C,XOXO』の世界で生きるのが大好き。もうすぐそこで会おうね」──カミラ・カベロ

そんな彼女へのオフィシャルインタビューを下記に紹介しよう。


──『C,XOXO』というコンセプト、インスピレーションについて教えていただけますか?

カミラ・カベロ:このアルバムはたくさんのことからインスピレーションを受けた気がしている。「DREAM-GIRLS」で「all the girls that are learning to be women now(大人の女性になろうとしてる女の子たち )」って歌っている歌詞があるけど、アルバムの大きなアルバムのテーマはそういうものだと思う。“大人になる”ということ。“女の子から女性になる”みたいな。自信に満ちたエネルギーみたいなのがこの作品にはある。“C,XOXO”というペルソナは、私のそういう部分を表現したもの。私は今回の作品やパフォーマンスで、自分のそういう部分を表現したいと思ったの。自信に満ちたエネルギーをね。それから友情もそうだね。

──『C,XOXO』は出身地であるマイアミにインスピレーションを得たアルバムとのことですが、マイアミからは音楽的、文化的にどのような影響を受けてきたのでしょう。



カミラ・カベロ:7歳のときに母親と一緒にマイアミに引っ越したのだけど、あの街にはとても感謝しているの。たくさんの移民の家族が住んでいて、私たちにとっての新しいホームになった。自分を受け入れてくれた場所を擬人化して、そこに愛を捧げたり、ラブレターを書いたりすることは本当に美しいことだよね。このアルバムでは、私なりにそういうことを表現している。マイアミは私自身の多くや私の音楽の好みを形成してくれた場所。文化の坩堝のような場所で、ラテンもラップもアフロビートもカリブ音楽も流れてる。私の音楽の好みも、まさにそういうものなの。例えば、私のお気に入りのダンス・スポットはいつだってマイアミにある。そこには最高の音楽が流れているから。

──『C,XOXO』のトレーラー映像では、マイアミを“カリビアン・トーキョー”と呼んでいました。マイアミの近未来的な雰囲気が、東京を思い起こさせたのでしょうか。

カミラ・カベロ:その質問最高。東京はすごく『C,XOXO』的だと思ってるの。このアルバムには、未来的なエネルギーやテーマがあるような気がしている。ステージにはロボット犬がいて、色使いはシルバーのクロームメッキが多くて、何もかもが西暦3000年からやってきたみたいな。マイアミのネオンカラーには近未来的な側面があると思っていて、カリブ海における東京のような場所を連想させるの。また東京へ行きたいなってずっと思ってる。すごく『C,XOXO』的だし、とりわけ「Chanel No.5」という曲では、ヴァースで日本語に触れているしね。



──「Chanel No.5」では「折り紙」「ムラカミ」「ワビサビ」「ウマミ」「オマカセ」といった日本語のフレーズが数多く登場します。日本語を歌詞に入れることにした経緯は?この楽曲で香水「シャネル N°5」は何を象徴しているのでしょうか。

カミラ・カベロ:「Chanel No.5」では、メロディーを思いついたときに、まず母音が浮かんできたの。それから歌詞を書くっていうときに、RhymeZoneという韻を検索するサイトを使ったんだけど、そこにあった言葉の多くが日本語の言葉だったの。それから、個人的に本当に美しくて魅力的だと思う日本語も入れた。その頃に村上春樹の本を読んでいたということもあったのだけど、とにかく魅了される日本語を詰め込んだの。私は食べることが大好きなんだけど、「ウマミ」が5つの基本味のひとつと考えられているのが良いなと思ったし、それから、美しさと不完全さの概念である「ワビサビ」もすごく素敵な言葉だと思う。この楽曲にあるのはそういうコンセプトで、私が美しいと思ったことを美しく歌ったということ。「シャネル N°5」の香水は、私がある人と一緒にいた時期につけていた香水で、彼がその香水を大好きだったから、この香水についての曲を書きたいってずっと思っていたの。


──アルバム『C,XOXO』にはドレイクやリル・ナズ・X、プレイボーイ・カーティに加えて、シティ・ガールズのフィーチャリングなどヒップホップのアーティストたちが多く参加しています。ヒップホップ色が強いアルバムになったのにはどのような背景があるのでしょうか。

カミラ・カベロ:思い返してみると、私のお気に入りの曲のいくつかは、ラッパーたちとコラボした楽曲だった。「Havana」にはヤング・サグが参加していたし、ダベイビーとの「My Oh My」もそうだし、スウェイ・リーとの「Real Friends」のリミックスもどれもクールだった。私のソングライティングやメロディーには、ラップの影響が常にあったと思う。そして、いつも思うんだけど、同じような曲に似たようなアーティストが2人いるよりも、別の音楽領域から来た人たち同士のほうがずっと興味深いものが生まれると思っているの。そういう人とのコラボレーションはいつだって心踊るものだから、このアルバムではもっとそういうことをしてみたかったの。



──リリースされたシングル以外で、『C,XOXO』で特に個人的に気に入っている楽曲、ファンに聴いてもらいたい楽曲はありますか?

カミラ・カベロ:シングル以外のアルバムの曲だよね…ファンに一番聴いてもらいたい曲を選ぶのは難しいよ。だって、どの曲も本当に大好きだから。本当にどの曲もアルバムに入れないわけにはいかないって感じだったから。なので、選ぶのは本当に難しいけど、日本のファンの皆さんには、「Pretty When I Cry」を聴いて欲しいかな。すごく“カワイイ”曲で、日本のみんなのことを思い出すから。

──『C,XOXO』を日本のファンにどのように聴いてもらえたら嬉しいですか?

カミラ・カベロ:日本のファンのみんなには、このアルバムを聴いて、より自信を持てるようになってもらえたら嬉しい。今もそうなんだけど、特に若かった頃は、何か緊張するようなことをする前に、私は自信を持つために女性アーティストたちの音楽を聴いてきた。ビヨンセの『Homecoming』とか、好きな女性ラッパーの曲を流すと気持ちが落ち着くんだ。私はこのアルバムで、それを自分自身のためにやったような気がするの。だから、このアルバムを聴いてくれた人たちが、ありのままの自分に自信を持ってくれて、そしてもっと遊び心を持つようになってくれたらいいなって思ってる。それから、このアルバムを聴くのに最高の環境は、友達と一緒にいる時だよっていうことも伝えたい。

──ではそんな日本のファンへ、メッセージをお願いします。

カミラ・カベロ:日本のファンには「大好き」と伝えたい。みんなのことが大好きで、早くまた日本へ行きたい。本当に日本が大好きなの。日本も日本のみんなのことも大好きで、日本に行くたびに信じられないような気持ちになるから、いつ日本に行けるんだろうって思ってる。きっともうすぐ会いに行けるはずだよ。


『C,XOXO』

カミラ・カベロ『C,XOXO』

2024年6月28日発売
UICF-1138 2,860円(税込)
国内盤: 歌詞・対訳・解説付/初回生産分のみ日本限定ステッカー封入
https://umj.lnk.to/CC_CXOXO
1.I LUV IT(feat.Playboi Carti)/ アイ・ラヴ・イット(feat.プレイボーイ・カーティ)★1stシングル
2.Chanel No.5 / シャネル No.5 ★3rdシングル <フォーカス・トラック>
3.pink xoxo / ピンク xoxo ※←ピンクパンサレスが参加!
4.HE KNOWS(feat.Lil Nas X)/ ヒー・ノウズ(feat.リル・ナズ・X)★2ndシングル
5.Twentysomethings / トゥエンティーサムシングス
6.Dade County Dreaming(feat.JT and Yung Miami)/ デイド・カウンティ・ドリーミング(feat.JT & ヤング・マイアミ)
7.koshi xoxo / コシ xoxo ※東京を中心に活動する電子音楽家であるyanacoの「Leaving」をサンプリング!
8.HOT UPTOWN(feat.Drake)/ ホット・アップタウン(feat.ドレイク)
9.Uuugly(feat.Drake)/ アグリー(feat.ドレイク)
10.DREAM-GIRLS / ドリーム-ガールズ
11.305tilidie / 305ティルアイダイ
12.B.O.A.T./ B.O.A.T.
13.pretty when i cry / プリティ・ホエン・アイ・クライ
14.June Gloom / ジューン・グルーム


©Rahul Bhatt

◆カミラ・カベロ・オフィシャルサイト
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