【インタビュー】REITA × 戒、『MASS』ツアーを終えて。「the GazettEを信じて待ってくれた人がたくさんいた」

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■いつもどおりのthe GazettEのスタイルを見せることが大事だと思った

──ドキュメント・ディスクは観どころが多くて、個人的には戒さんがスタッフやメンバーにいろいろなことを説明されたり、確認を取ったりされているシーンが印象的でした。ツアーのコンセプトなどはRUKIさんが話しているような気がしていたんです。

戒:“02”の案はRUKIから出たんです。それがバンドとして意見が固まった後に外部に話す機会があって、それをドキュメントでたまたま撮られただけですよ。バンドとして決まっていることを伝えただけで、ライブの曲を始めるきっかけの最終確認とかはいつもあんな感じですけど。

REITA:カメラが入っていれば、ああいう感じです(笑)。

戒:おいおいっ!(笑) カメラが入っていようが、入ってなかろうが毎回やってるじゃん(笑)。

REITA:冗談だよ(笑)。戒はいつも確認事項を、やってくれています。「この曲はこういうきっかけで始まります」とか、「この曲は誰々が楽器を持ち替えます」といった一連の流れを、戒が本番前にみんなに伝えるんです。

──ドラマーが楽器の持ち替えや曲を始めるきっかけなどをしっかり頭に入れているというのは大事なことだと思います。

戒:どうだろう? 曲を始めるタイミングというのが、みんなはどういうイメージかは分からないけど、the GazettEはドラムがきっかけという固定観念がなくて、パターンは多岐に亘っているんです。照明がきっかけだったり、ギターがきっかけだったりとか。しかも、ライブの当日リハとかで、突然変更になったりすることが結構あるんですよ。それが、スタッフとメンバー間でズレが生じるとマズいじゃないですか。“あれっ? 次は誰きっかけだっけ?”みたいになってライブ全体の流れが悪くなってしまうのは避けたいので、当日リハが終わってからスタッフと確認をするんです。そのうえで、スタッフからメンバーにこれを伝えてほしい、ここを注意してほしいといったことを全部聞いて、それを最終的にメンバーと確認を取っていくという。

──今回のドキュメント・ディスクを拝見して、やはり戒さんはリーダーだなと、あらためて思いました。

戒:そう……なんですかね。

──そう思います。リーダーというのは精神的な支えだったり、バンドの運営などを俯瞰で見る役割を担うだけではなくて、外部とのコミュニケーションや細かい実務などを率先してするのもリーダーの役目だと思っていますので。

戒:そう言われると、なんか恥ずかしい(笑)。あまり“リーダーだから”という思いでやっていないので。自分が不安要素を抱えてライブに臨みたくないというところが大きいんです。“俺は、ちゃんと言ったからね。後はもうそれぞれの責任だから、忘れないでね”っていう(笑)。

──それがいい方向に作用しているわけですし、戒さんのそういう姿はドキュメント・ディスクの観どころの1つです。それに、REITAさんのバースデー・サプライズの様子も収録されていますね。

REITA:別に誕生日当日のライブだからといってね、なにも気にしていないつもりだったんですよ、僕は。そうしたらね、いつもの僕はずっと楽屋で座っているのに、その日に限ってやたらと廊下を歩いていたらしくて(笑)。葵に、「いや、ソワソワし過ぎだから」と言われて、そこで初めて気づいたんです、自分が誕生日ヅラをしていることに(笑)。誕生日当日にライブというのは初めてだったので、やっぱり嬉しいものですね、みんなに祝ってもらえるというのは。しかも、「VERMIN」のイントロでドッキリがあったんですけど、それはアンコールの2ブロック目だったんですよ。今まで他のメンバーのサプライズを2ブロック目でしたことはなかったので、絶対に1ブロック目でくると思っていたんです。しかも1ブロック目に「Hyena」という曲があって、その曲の頭で僕が「GO!」と言うので、ここで来るなと踏んでいたわけですよ。でも、「GO!」と言いながら曲が止まらないので、“今日は本当にドッキリないんだ……”と思った。だから、「VERMIN」では見事にハマりましたね。その時はもう“誕生日ないんだモード”になっていたから(笑)。

戒:REITAのサプライズは、申し訳なかった(笑)。サプライズを終えた後の曲の始まり方を、考えていなかったんです。曲を始めるきっかけを俺とRUKIで探り合ってしまって、全然うまくいかなかったという(笑)。

──その様子も収められていて、笑ってしまいました(笑)。そういったシーンも含めて、ドキュメント・ディスクは<MASS TOUR>に参加できなかったファンの方に観てほしいという強い思いがあって作られたように感じます。

戒:それは、ありますね。自分達のラジオとかでも散々言いましたけど、リモートとかでライブをしたりするのは、ずっと待ってくれているファンを裏切る行為のような気がしてならなくて。ライブに来れないという状況もあったと思うけど、こちら側はそれに変に歩み寄るんじゃなくて、いつもどおりのthe GazettEのスタイルを見せることが大事だと思ったんです。それが、誠意じゃないかと。それをファンの人も感じてくれたんじゃないかなということを、ツアーを通してすごく感じたというのがあって。だから、ツアーに参加できなかったファンの人に、<MASS TOUR>はこういうツアーだったんだよというのを見てほしいという強い気持がありましたね。

REITA:今回来れなかった人も、いつか行こうと思っているかもしれないじゃないですか。だから、僕らがどんなツアーをまわったのかを知れて、来れなかったファンの人の中で空白にならないための映像作品にしたいなと思っていました。


──ツアーを体感できなかった方にも、ぜひ観てほしいですね。そして、<MASS TOUR>の“03”がライブハウスツアーだったことも、当時驚きました。

REITA:“03”の時はまだ声が出せなくて、そういう中で特に密集するライブハウスでやっていいのかという気持があったけど、でも『MASS』というアルバムをホールツアーだけで終わらせたくなかったんです。絶対にライブハウスのツアーも経て、武道館にいきたかった。だから、ライブハウスに来ることに不安を感じるファンの人もいたかもしれないけど、やらせてもらったという感じでした。

戒:いつもの流れを崩したくないというのはあったので、やっぱりライブハウスもやりたかったんですよね。“03”は結構急きょ決まったけど、その前から俺の中には“やるんだろうな”という確信めいたものがありました。それに、ライブハウスも楽しかったです。

──バンドがスケールアップするとライブハウスは避けるようになるアーティストもいらっしゃいますが、the GazettEは違うんですね。

REITA:僕は、ライブハウスは常にやりたいと思っています。もっと狭い場所でも構わないけど、ちょっと戒さんのドラムが入らないんですよね……。

戒:それを理由にするのは、やめろ(笑)。全然コンパクトにしますよ、狭いところでやるなら。俺じゃないだろ、狭いところでライブをしない理由は(笑)。

REITA:あはは(笑)。僕はステージが狭いということとかは全く気にならなくて、もっと狭いところでやりたいくらいです。

戒:えっ! それは、ちょっと協議させて(笑)。“03”ではDRUM LOGOSとか、DIAMOND HALLとかでライブをすることになって、俺はドラムセットをどうしようかなと思っていたんです。ちょっとコンパクトにしようかなと。だけど、意外と自分のセットがポンッと入ったんですよ。だから、今回は全く苦にならなかったけど、さらに狭い箱となるといろいろ問題が出てくるんじゃないかな。

REITA:たしかに、曲を表現するにあたって必要な機材とかもあるので、狭いところはいろいろ覚悟しないといけないところはあるかもしれない。だけど、思い切り小さいライブハウスとかもやりたい。いや、狭いでいうと、本当にベースが1番狭いんですよ。だけど、葵が今はヘッドがないギターを使っているじゃないですか。それが、助かるんです(笑)。

──僅か20センチ程のことですが……。

REITA:それが、地味に効いている(笑)。ヘッドがないだけで、圧迫感は全然違いますね。それは、DRUM LOGOSでライブをして思いました。だから、もっと狭い場所でもいけるかもしれない!

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